まちで見かけるマンホールを作る工場に潜入!「日之出水道機器株式会社」
創業103年!マンホールを中心に側溝などを作っている「日之出水道機器株式会社」
マンホールを中心に側溝や橋の連結部分などの部品も作っている「日之出水道機器株式会社」
普段、目にしているマンホールは蓋の部分。実は地中に枠が埋まっています。
この蓋と枠のセットでマンホールです。
原材料は、主に自動車を生産する際に発生する鉄の端材などを使用。
マンガンという化学成分が高く含まれてしまうと、硬いのですが脆い材質となってしまうため、検査した材料を成分ごとに仕分けています。
溶解
40分~50分かけてスクラップを溶かします。溶けた時の鉄の温度は1500度ほど。
鉄を液体状態になるまで溶かし、マンホールに最適な材質にした後、型に流し込んでいきます。
型に流し込む
- 模型の周りを砂で固める
- 砂から模型を外し砂型を作る
- 砂型のすき間に溶けた金属を流し込む
- 冷えて固まったら砂型をこわし不要な部分を削る
蓋の表面と裏面それぞれを形づくる
蓋の表側(デザインの部分)が上型、蓋の裏側が下型。2つの型を作っていきます。
また、上の砂型と下の砂型をそれぞれ合わせることで、砂の中に製品と同じ形の空洞ができるので、その空洞の中に溶けた鉄を流し入れていきます。
砂型から取り出しきれいに砂を落とす
90分冷却されたとはいえ、人の手では触れない温度。機械を使いラックに載せて、砂を落とするエリアまで運んでいき、砂を落とします。
砂を落としが終わった製品は、人が触れる温度になっています。
ここで初めて人の手で製品の検査をして仕分けていきます。
仕分けたマンホールの蓋は、端っこについている余分な部分を削り、側面をさらに細かく削っていきます。
側面は0.01mmずつ細かく削ってます
余分な部分を削ることで蓋と枠をピッタリ合わせることができます。
それによって、蓋がガタつかなくなります。蓋がガタついてしまうと、反動で蓋が飛んでしまい事故を起こす恐れがあるためです。
黒い色で塗装する(電着塗装)
塗装をする理由としては、錆止めの役割。
電着塗装とは、塗料が入った水の中に、製品を入れて電流を流し塗装します。
まちで見かける「デザインマンホール」はどのようにして色をつけている?
手作業で色付け!
色付きのマンホールには、どうしてもデザインの種類が多いのと、複雑なデザインが多いため1枚、1枚手作業で色付けを行っています。
色付けの際にできる気泡を取り除いたり、はみ出たところなどを細かく修正したりします。
デザインは役所さんから頂くデザインだったり、役所さんと一緒に考えてデザインをつくっていく部分があります。
色の樹脂を固めるため約110℃で温める
硬化させて完成させています。
完成品には、フィルムを張り、最後まで傷1つつかないように、最新の注意を払って取り扱っています。
マンホールの重さは「歩道用」と「車道用」があります!重さは?
歩道に設置するマンホールは、人が乗ったり、そこまで重たいものが乗らないので約40kgほど。
車道に設置するマンホールは、約50kg。車やトラックなど重いものが乗るため、頑丈に作っています。
色々なデザインのマンホール
最近はアニメだったり、ご当地のゆるキャラだったり、色々なデザインが各地方に収められています。いろんな人の目に触れてもらっているため、マンホールに興味関心を持っていただけると嬉しいと、工場の上田さんは仰っていました。
【2022年3月10日放送 工場walkerより】