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鶴丸 英樹のブログ記事

2023.06.13

「勝ち切る」とは…

たしか5年ぐらい前の系列の用語部会の集まりの中で、「勝ち切る」という言葉は何だろうという話が出たと記憶しています。

懇親会の席の中だったかもしれません。

 

 

最近、スポーツニュースの中で、監督や選手がよく口にするフレーズです。

 

おそらく、「相手の猛追を受け苦戦しながらも最終的に何とかリードを守り、勝利を手にした」あるいは「しっかり着実に勝つ(この表現もあいまいではありますが・・・)」というようなニュアンスなのだろうと思います。

ただ「勝つ」というだけでは、表現としてニュアンスが伝わらないということなのでしょう。

 

昔からスポーツでは「最後まで守り切った、攻め切った」というような表現はありましたが、「勝つ」に「切る」をつけるのは、個人的にはかなりの違和感があります。

 

ただ、昔から言われるように「言葉は生き物」です。

時代とともに変わっていきます。

 

先輩方からは、「アナウンサーは言葉の変化に対し、できるだけ保守的であるべきだ」と教えられてきて、私もそう思っていますが、かと言って頑固者と言われるほどの覚悟もなく・・・。

 

日々、「違和感」と闘いながら、言葉のアップデートに努めています。

鶴丸 英樹
鶴丸 英樹
アナウンス歴は30年になりましたが日々勉強です。
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