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2024.08.25

吉野ヶ里町で全国が注目する新たな取り組み「松隈小水力発電所」【佐賀県神埼郡】

そもそもカーボンニュートラルというのは…?

「二酸化炭素など地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量から森林などによる吸収量を差し引いて実質的にゼロとすること」

今回のテーマは「川の水を使って ガッチリ!」
カーボンニュートラルを実現して、元手が少なく利益が上げられ、地域への貢献にもつながる。そんな、ビジネスがあったら素晴らしいと思いませんか?
今回は、吉野ヶ里町で展開される全国が注目する、新たな取り組みを紹介します。


吉野ヶ里町松隈へ
そこには、白いコンテナハウスのようなものが。
「松隈小水力発電所」と書いてあります。
小水力発電所

河川や農業用水などの流れで水車を回して発電。24時間稼働して売電ができる。

上流から毎秒200リットル流れ込んで30kw このコンテナの中で発電しています。
これがお金を生み出している機械です。

こちらは、松隈地域づくり株式会社代表の多良さん。

年間売り上げは、約800万円!
特別手もいらずに水の流れを利用して勝手に動いてくれています。

初期投資は約5900万円

スマホで全てリアルタイムで確認できます。
取材当日の売電額1万1000円。
28,353.8の値は、累計売電額。
これだけの金額を生み出しています。

なぜ松隈地区で「小水力発電」を?

多良さん「吉野ヶ里町松隈は山間部。高齢化が進み休耕田・荒廃田が目立つようになってきて、今後5年後、10年後この集落はどう進むべきかという中で、地区を持続可能にする安定した財源というのを確保しないといけないということに」
多良さん「小さな集落でも取り組めるというような発電所を佐賀県の場合は、県内に10カ所ほど候補地を探していた中で、条件が揃っていたことから進めることになりました」

初期費用は5,900万円はどこから来ているのでしょうか?

収益は地域全体の課題解決のために使うという目的で、地区全戸が株主となって株式会社を設立しました。

農家さんは5株(5000円)、非農家は4株(4000円)出資しています。
事業がダメになったときでも4000円か5000円戻ってこないだけで、皆さんには10年後、20年後先を見込んだ取り組みだと理解されているそうです。

株式会社を設立して、初期費用の5900万円のうち8割の4700万円を公的な金融機関から「無担保」で融資を受けました。
では、残り1200万円はというと…?
多良さん「この地区は公民館の修繕などのために、別会計のお金を持っていた。有効に使ってよいということで、先輩たちが貯めた地区の貯蓄分から借り入れました」

そして、開業から3年間、毎年800万円を売り上げるようになったわけです。
と言っても、借りたものは返済しなければいけない、諸経費も掛かります。結局、利益として残るのはおよそ100万円。

その使い道はというと…?

多良さん「その使い道は、地区負担金。地区の運営費として住民は年間1万2000円を納めていました。それを今年度から8000円に減額しました」
他にも、地区の共同作業への報酬として活用していたり…

そのほか、田畑の整備やお年寄りのタクシー代補助、高齢男性対象の料理教室の開催、公民館の備品購入など、収益はすべて地区へ還元されています。

Q.地区の皆さんの様子は変わりましたか?
多良さん「変わりました。積極的に出てきてもらえるようになった。利益率も少ないんですけど、この小さな集落にとっては100万の金額がもたらす地域づくり、将来を見据えた考えができます。ぜひ真似してもらいたいです。」
【2024年8月21日放送 かちかちLIVE 知ってる?カーボンニュートラルより】

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