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鶴丸 英樹のブログ記事

2019.04.17

わたしの平成記㉗(平成27年)

平成27年・2015年“戦後70年”の年でした。

年月とともに、直接戦争を体験した“語り部”が少なくなっていく中、サガテレビでも戦争の「証言」を伝え、記録するためのニュース取材や番組制作に力を入れた年でした。

FNS九州・沖縄8局の共同制作ドキュメンタリー「ドキュメント九州」でも各局「戦争」をテーマに取り上げようということになり、サガテレビ制作の『守られた伝統技術 ~戦時中の陶都有田~』にプロデューサーという立場で参加しました。

ご覧の写真は、戦時中に有田で作られた焼き物の貨幣「陶貨(1銭)」です。
第二次大戦中、資源の乏しい日本は兵器などを作る金属が不足し、硬貨を作るのさえ難しくなっていました。そこでやむを得ず、国内の焼き物の産地に陶貨の製造を命じ、有田は1銭陶貨を受け持つことになったようです。ただ、終戦によって実際に流通することはありませんでした。

このほか、焼き物製の「手りゅう弾」なども試作していたそうです。

伝統の優れた技術を持ちながら、美術品や食器ではなく、手りゅう弾づくりを命じられた当時の有田のメーカーや職人はどんな思いだったんでしょうか。
ただ、それでも多くの人々の努力により有田の技術は絶えることなく現在へと引き継がれています。

この番組制作は、私にとって“戦争と伝統工芸の関わり”という視点を持つ貴重な機会になりました。

間もなく「昭和」は2つ前の元号になりますが 「戦争」の記録は決して風化させてはなりません

 

平成27年のおもな出来事
  • お笑い芸人の又吉直樹さんが『火花』で芥川賞受賞
  • ラグビーW杯で日本が南アフリカから歴史的勝利
  • マイナンバー制度がスタート
鶴丸 英樹
鶴丸 英樹
アナウンス歴は30年になりましたが日々勉強です。
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