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2017.10.07

小さな島の、打ち上げ花火

鹿児島市から南へ552キロ、奄美群島の南西に位置する隆起珊瑚の島、沖永良部島。島の南にあるのが知名町。人口はおよそ6000人。年間100人ほどのペースで人口が減っているという。

8月、一年に一度島民が心待ちにしているイベントがある。「普段島では経験できないこと」をコンセプトに、毎年知名町商工会青年部の若者たちが企画・運営している小さな夏祭りだ。

メインの打ち上げ花火を担当するのは、タイヤ店を営む神里隆樹さん38歳。青年部に入ってから、花火大会をはじめ、島の行事に携わるようになり、人とのつながりであったり、島の自然に触れたりすることで、いつのまにか島が大好きになっていた。

小さなお祭りとはいえ、開催のためには、まとまった資金が必要となる。もちろん島には大きなスポンサーなどあるはずもなく、花火大会存続のためには地元の商店街などを1軒1軒まわってお願いするしかない。およそ250店ほどのお店を1カ月かけて回る。

仕事をそして家族を犠牲にし、それでも島民に祭りを、そして花火を見せたいと奔走する青年部のメンバー。

隆樹さんは言う。「自分が花火を上げなくなっても、他の誰かがやらないと祭りは出来ない。その誰かになっただけなのかな。」

誰かのために、誰かの笑顔のために。「自分を犠牲にして、誰かのために尽くす」ことを、夏祭りを通して考える。

【鹿児島テレビ制作】

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