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「超写実展」の魅力に迫る!
一見写真と見違えてしまう、画家がこつこつと緻密につくりあげた作品113点が展示されています。
佐賀県立美術館 学芸員の 野中耕介さんにご案内いただきました。
「超写実」の定義とは?
超写実展の魅力
ヨーロッパ近代美術館からの作品
『都市からの亡命』ハコボ・アルアルデ・ヒベルト
表情がリアルに描かれており、男性をよく見てみると全体にピントが合っていて、顔のシワや洋服のツヤなど細密に描かれている反面、背景などはあまり細かくは描かれておらず、1枚の絵の中でも絵具の厚い部分や薄い部分など技術の緩急も見ることができる作品となっています。
『コンポジション』フアン・カルロス・ヒル・グティエレス
黒板や壁、壊れた機械などが描かれた作品。物の汚れやホコリの質感なども細かく描かれています。実は、ガムテープや切手は本物を使われており、絵と本物の素材が混在しており、作者のイタズラ心や挑戦心が伺える作品です。絵画世界と現実世界の境目が分からなくなってしまいます。
ホキ美術館からの作品
寝椅子に腰を掛けた女性とカーテン越しに部屋に降り注ぐ柔らかな光が描かれた作品です。現実の中でも印象に残る場面を実際に見たものよりも柔らかく描かれています。現実を見ながらも、絵の中に理想が込められたような作品です。
『森へ還る』小木曽 誠
佐賀大学で近代美術の准教授を務めている小木曽誠さんの作品。実は、佐賀市三瀬村の「下大瀬の桂」という巨木が舞台となっています。迫力と繊細さを併せ持った見ごたえのある作品となっています。草の1本1本も細かく描かれ、女性の配置なども考え抜かれて描かれた作品となっています。
『信じてる』三重野 慶
「超写実」という絵を一番よく表している代表的な作品。瞳に映るものまで細密に描かれていて、風がどれほど吹いているかも伝わってくるようなリアルさに圧倒されます。ほぼ原寸大の大きさで、枠の中に人は立っているかのような錯覚に襲われます。
期間: 9月14日(土)~11月10日(日)※月曜日休館 但し祝日の場合翌日が休館
時間:9:30~18:00(最終入館17:30)
場所: 佐賀県立美術館(佐賀市城内1-15-23)
入場料:当日/一般1300円、中学生高校生800円 前売り/一般1100円、中学生高校生600円 小学生以下無料
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