2009年6月
番組審議会だより(2009年6月)
期日
平成21年6月11日
出席委員
新井委員長・大原副委員長・今泉委員・上別府委員・佐藤委員・富吉委員・水上委員・宮崎委員
欠席委員
西依委員
審議番組
- 番組名称 『FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート -なぜ息子が-失われた命 踏み出した一歩』
- 放送日時 5月24日(日)16:00~16:55放送
議事概要
6月11日、第455回番組審議会を開き上記番組の審議を行いました。
(番組内容)
「地域の中で生活させたい」切なる親の願いと現実とのギャップ・・・。 知的障害者が路上で警察官にうつ伏せにされ、後ろ手に手錠をかけられた直後に死亡した。「暴れたため“保護”した」と警察。「そこまでして“取り押さえ”たのか、死んで保護はない」と遺族。現場で何が起きたのか、真相の解明は法廷に委ねられることになったが、警察は「知的障害者とわからなかった」と。障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現をめざすとした障害者自立支援法。知的障害者も含め、施設から地域に活動の場を広げようとする中で、授産施設から自転車で帰宅途中の安永健太さん(25)は亡くなった。健太さんは、養護学校時代、アメリカで開かれた障害者のスポーツの祭典、スペシャルオリンピックスの日本代表に佐賀県から初めて選ばれ、銀メダルを獲得した。当時、サガテレビのインタビューに、はきはきと答える彼の姿が残っていた。そんな健太さんがなぜ・・・。程度が異なるため、知的障害者をひとくくりに考えることは難しいが、警察官の「無知の罪」を感じざるを得なかった。「知的障害者を世間に出すな」非難の声も遺族に寄せられた。どうすれば・・・その答えを見出すことはできないが、苦悩の中にも明るく前向きに一歩を踏み出した遺族・施設運営者・知的障害者の保護者を1年半追う中で、これまで表立つことがなかった「声なき声」に未来があるように感じた。 番組を通じて、「考えてもらうきっかけになれば」という思いを込めた。また、子を失って生きていく父親の強さも伝えたかった。 (報道制作部配布資料・概要説明より)
委員の意見概要
- 伝えようという番組の意図がすごくよく伝わってきた。時系列で事件の経緯を追う構成だったが、係争中の事件の中、踏み込まずに返ってよかったのでは
- 警察対遺族の関係を追った番組かと思ったが、時間をかけて取材し、地域社会の中で障害者がどう生活するのかというテーマは、ニュース報道とは違い広がりがあった
- 障害者と一般人がどう地域社会で生活していくのか、答えはないがいろいろ方法をさぐる意味でもいい番組だった
- 健太さんの映像、肉声があり映像の持つ強みを感じた。
- 余分な音楽もなく効果的だった。ナレーターも淡々とした口調でよかった
- タイトルの「なぜ息子が」は理不尽さを表し、「踏み出した一歩」はこれから何かをはじめた一歩を表している。東京町田の取り組みは明らかに一歩だが、佐賀は不審判を抱えている中での、町田のようには決着していない中での「一歩」は何か違和感がある
- 重たいテーマをしっかり取り上げて番組にしたのは大変評価する
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