1. TOP
  2. 記事一覧
  3. ライフ
  4. 竹細工職人 池田孝雄さん

ライフ

life

2019.11.05

竹細工職人 池田孝雄さん

竹細工職人・池田孝雄さんをご紹介します。
竹で編んだ農業用のカゴやザル「ソウケ」。

大町町では、300年程前から毎年9月27日から3日間開催されるソウケ市があります。 海産物を売る商人がカツオ節を売る市を開いたのが始まりと言われています。

ソウケなど竹細工を作る職人池田孝雄さん。職人歴は、2020年で70年になります。

農家の家に生まれ育った池田さん。 竹細工を始めたきっかけは15歳の時、父親のすすめで隣の村の竹細工師に弟子入りしたことでした。「農家だけでは現金収入がないから竹細工を作っておけば、売ってお金になるので農家の副業としてやっていた。若い頃は、勤めに行く職場がなかったから、何か腕に職を覚えなくてはということで。」と話します。

池田さんが作る竹細工は、さが農業まつりや有田陶器市など様々な祭りや物産展などに並びます。 その竹細工を求める常連の方もいて全国から多くの人たちが集まります。
2019年に40周年を迎えた佐賀バルーンフェスタもその1つ。大会が始まり間もない頃から現在まで、毎年出店しています。
「市役所の担当者から『朝バルーンを上げて夕方上げるまで、お客さんが遊ぶ場所がないので出店を出してください』という要望だった。 陶器屋さんと植木屋さんと3人で出した。 風が強いとバルーンが上がらないから、竹ひごを持って行って『さがバルーン』と書いたビニール袋の凧を作って上げていた。」と、池田さんは出店を出し始めた頃を思い返していました。

以前は、農作業をはじめ石炭を入れたり漁で魚をあげたりと様々なものに使われてきた竹カゴ。 時代の流れと共に使われ方も変化してきました。 最近では見ためや使い勝手の良さから、買い物カゴや野菜カゴなど日用品にも使われており人気を集めています。
「師匠から、『農家相手だから実際使って実用に耐えうるように、丈夫に作らないかん』と叩き込まれている。やっぱりお客さんに使ってもらって、丈夫で手当たりがよくて使いやすいというようなことを考えて作っている。」と、池田さんは職人としての心がけを語ります。

竹細工を作る上で重要な竹ひご作り。 作る竹カゴによってその幅や厚さを変えます。 また、見た目や触り心地にも拘る池田さんは細かい所にも気を配ります。
池田さんは「節の上が厚い。節の下が薄い。ここをナイフで調整する。すると均等に厚さが揃うと巻いた後がきれいに揃う。 そして、面取りと言って角をナイフで取る。手間はかかるけど、使う人が喜んでくれたらいい。」と、竹ひご作りのコツを教えてくれました。
様々な竹ひごを使い分け、1つ1つ手作業で編んでいきます。約70年作り続けてきた熟練の技。 丈夫で見た目の美しい竹カゴを丁寧に作り上げます。

今後について池田さんは「私の作った作品を使ってくれる人がいる限りは作らんといかんと思う。 体の続く限り、生涯現役でやってみようと思っています。」は話してくれました。

竹雄屋 竹細工店
電話番号:0954-27-2557
RECOMMEND