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“台湾の蔵人” 自国の米で酒づくり
台湾人の“蔵人”が有田町で酒造りに励み、台湾米の品種の「台中六十五」を使った日本酒が完成。一体どんな味に仕上がったのでしょうか。
有田町の宗政酒造で酒造りをする台湾出身の陳韋仁さん39歳。
陳韋仁さん:「台湾人をはじめ、アジア系の蔵人はあまり見たことない。自分のお酒を造っているのは私だけじゃないかな」
陳さんは台湾で会社員として働いていましたが、日本の神話に惹かれ2008年に仕事を辞めて島根大学に留学しました。
陳韋仁さん:「日本に来る前は日本酒をあまり好きではなかった島根の日本酒を飲んだら、『これ何?今までの日本酒のイメージと違う』と思いそこから日本酒に興味を持った」
有田町の宗政酒造との出会いは、広島県で開かれた日本酒の研修会でした。そこで意気投合したのが、宗政酒造の大野智規さん。
宗政酒造 大野さん:「いろんな蔵・杜氏がいる数だけやり方があるそれをお互いに『こんなやり方があるんだな」と(陳さんと)刺激しあっている」
陳韋仁さん:「(台湾と似ていて)九州は気温や湿度が高いのでカビや菌が繁殖しやすいこれまで以上に清潔感に気を配っているのが勉強になる」
去年11月、陳さんが醸す日本酒「台中六十五」の仕込みがスタートしました。
仕込みから2カ月あまり。ついに迎えた初しぼりの日。
陳韋仁さん:「もろみを加圧するといろんな味が出てくるがこのように自然の重力でしぼることによって香りも味もすごくきれいな状態で出てくる」
陳さん:「いい感じですね。香りも出て酸も少なくて柔らかい感じ」
大野さん:「リンゴ酸の爽やかな酸味でバランスがいい。すぐ飲んでおいしいお酒かな」
陳さん:「おかげさまです」
陳さんが手がける日本酒、「台中六十五」は「台湾米で作る日本酒」としてクラウドファンディングで資金を集めて作っています。市販はしていませんが、4月から資金提供をしてくれた人への返礼品として届けられます。
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