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2022.06.12

海を渡った古伊万里展 ~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~

「佐賀県立 九州陶磁文化館」 有田町

海を渡った古伊万里展 ~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~

ロースドルフ城や九州陶磁文化館などの192点展示
平和への願いや古伊万里の世界的ブランド力を伝える


バラバラになっている破片?
実はこの破片は、オーストリアにあるウィーン郊外の古城 ロースドルフ城で保管されていた古伊万里を中心とする焼きものです。
第二次世界大戦の後に占領した軍単によって割られたものです。
なぜ破片を保管?

ピアッティ家の方々が丁寧に拾い集めて戦争の悲惨さ・平和の尊さを伝えるための"証人"として保存


世界中が真似した古伊万里
色絵竹梅菊鳳凰文角皿

左が「古伊万里」
右が中国の「景徳鎮」
見分けがつかないくらいそっくりに真似されています!

色絵梅菊花文菊形皿

左が「古伊万里」
右がイギリスの「ウースター」
こちらもどっちが古伊万里かわからないほど真似されています!

みんなが"古伊万里"を欲しがっていたということですね。
佐賀で作られていた"古伊万里"はグローバルだったということです!

色絵松竹梅鶴文八角大皿(修復)

見事な文様で素晴らしい焼き物です!
実はこの焼き物...バラバラになったものを修復したものです!

近づいて見ても全然わかりません!
日本の代表的な修復家 ”繭山浩司さん”という方が修復して綺麗な状態になりました。

ここに並ぶ修復作品はあえて欠けた部分を残したものばかりです。
 

それは壊された陶磁器を「戦争遺産」と考えるピアッティ家の思いを強く尊重したからです。
"破壊と再生"は平和への願いを伝えています。
佐賀の古伊万里のかけらを見ることで、海外の戦争の悲惨さを伝えられるのもすごいし、世界に指示されていた古伊万里のすごさを改めて感じました。
戦争を乗り越えて300年ぶりに有田の地に里帰りした古伊万里。有田で作られた古伊万里のブランド力、ピアッティ家の方々の平和への願いを感じ取っていただけたらと思います。
海を渡った古伊万里展 【九州陶磁文化館】

料金: 一般 600円 大学生 300円
開館: 午前9時~午後5時
休館: 月曜 (7月18日は開館)

2022年 7月18日まで

関連イベントも開催 (九州陶磁文化館 検索)

6月18日(土) 展覧会監修・荒川正明教授 記念講演会
6月19日(日) 修復家・繭山浩司さん&荒川教授 特別対談

【2022年6月9日放送 かちかちPress サガらぼより】
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