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平川 邦明のブログ記事

2022.11.04

バルーンから見た佐賀

佐賀県の秋の風物詩・バルーンフェスタ。今年は3年ぶりの有観客で、例年通りの開催となりました。

バルーンのフライトはもちろん、グルメや土産物店の出店などもあり、コロナ禍前の日常が戻ってきたように感じました。

「待ちに待っていた!」多くの方が、そう嬉しそうに話していました。

イベント期間中、取材でバルーンに搭乗しました。佐賀の秋空は格別です。

雲ひとつない綺麗な空、球皮が触れているのでは?と思うほどの近さで一斉離陸していくバルーン、隣の人の声が聞こえないほど、轟音をたてるバーナー。そして、その様子を笑顔でカメラに収めたり、パイロットに手を振ったりする人たち。これぞ、佐賀の秋です。

バルーンは、風と同じ速度で進みます。そのため、バルーンに乗っていると風を感じません。無風です。

「あぁ、いま佐賀の風になっている…」、陸上で言うとちょっとキザに聞こえるかもしれませんが、空だから言えます。

約20分のフライトを終えて、稲刈りが終わった田んぼに着陸しました。田んぼに着陸できるのも、地元の人たちの協力あってこそです。

ちなみにバルーンフェスタ、実はスポーツ大会なんです。※私は取材用のバルーンに乗りました。

優雅にゆったり飛んでいるバルーンですが、空では熱い戦いが行われています。

 

競技内容を、すごく簡単に言うとこうです。

『バルーンに乗って、ターゲットの中央に重し投げたら高得点!』

バルーンフェスタ期間中、佐賀市の嘉瀬川河川敷や農道などに設定されたターゲットと呼ばれる×印(目的地)にできるだけ近づき、マーカーという重しを×印のできるだけ真ん中に投げた人が高得点をもらえます。これを期間中繰り返して、最終日に一番得点が高かった人が優勝です。

×印の中央にマーカーを投げるには、×印に近づく必要があります。真上や斜め上の上空から投げるパイロットもいますが、地面とバスケットが触れるかどうかのスレスレまで下降してマーカーをポトンと落とす人もいます。

バルーンを間近で見られるのもそうですが、パイロットの巧みな操縦技術に興奮します。

 

さらにさらに、『バルーンはバナーを焚いて上昇、焚かずに下降という上下の移動』しかできません。

前後左右への移動は風任せ。

風は、時間やスポットによって方向が変わります。しかも、風はミルフィーユのように層になっています。

すごーく簡単に例えると・・・

【風のミルフィーユ状態】

風(5層目)右向き

風(4層目)左向き

風(3層目)前向き

風(2層目)後向き

風(1層目)右向き

 

という状態のとき、「左に行きたい!」となれば、『バーナーを焚いて上昇し、1層目~3層目を突き抜けて4層目に到着。そこから左へ移動』ということになります。もちろん、風は自由気ままですので、方向はごろごろぐるぐる変わっていきます。

「そんなの、どうしようもないじゃないか!」と思いそうですが、そこは、パイロットやチームクルー(陸上班)の腕の見せところ。チームプレーで目的地を目指します。

誰が佐賀の空を制するのかというスポーツの側面もあれば、グルメや土産店が並ぶお祭りという面もあるバルーンフェスタ。

今年来れなかったという皆さん、ぜひ来年は佐賀バルーンフェスタにお越しください!
 

平川 邦明
平川 邦明
自分の言葉で少しでも社会が明るくなればと考えながら日々の取材やアナウンスに臨んでいます。
そして「観ていて良かった」と思われる番組を目指しスタッフ一丸となって奮闘中。
平日夕方、かちかちLIVE でお会いしましょう!
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