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2023.03.04

アトピー性皮膚炎のかゆみの原因は?ステロイドの噂の真相は?

前回に引き続き
テーマは「"アトピー性皮膚炎"を教えてもらおう②」

前回の記事はコチラ
佐賀大学の先生が"アトピー性皮膚炎"を解説​

前回は杉田先生にお話を伺いながら、メカニズムと治療法をご紹介しました。
そこで一番伝えたかったのは『「治らない」と思わないで』ということです。現在は治療が進歩しています。薬だけでも10年前を比べると進歩しています。

皮膚科の治療で多くのウェイトを占めているのは塗り薬です。その中でも進歩をとげているのは外用薬の代表格としてあげられる「ステロイド」です。

ステロイド剤

体内のホルモンを人工的に合成した薬です。
炎症やアレルギーを抑える働きがあります。

『ステロイド』は外用薬の代表格でよく処方される薬だと思います。その反面ネットなどで調べるといろいろな事が出てきます。

  • 肌が黒ずむ?
  • 免疫が下がる?
  • ずっと依存?

実際のところはどうなのか皮膚科医の先生にお話を伺いました。

ステロイドを使うと肌が黒ずむ?

今回も杉田先生にお話を伺いました。
肌の炎症が治ってくると、黒ずむ(色素沈着)ことがあります。これはステロイドの作用ではありません
ステロイドの多用は良くない?

実際、ステロイドに副作用が全くないのかというと、ゼロではありません。
しかし過度に恐れる必要はありません。きちんと適切に治療すれば安全に使える薬剤です。

ステロイドを恐れて炎症が収まらない。治療がうまくいかないというのは残念だと思います。やはり適切に皮膚科のもとで治療を行ってもらうことが大事じゃないかと思います。

いろいろな病状などがあるので一概には言えませんが、ステロイドの吸収率は(薬剤の)種類や体の場所によって違います。
ステロイドには強さもあるので、強さを調整したりしています。患者さんのフェーズや場所に合わせて、使い分けを先生方に指導を受けてから使用することが大切になります。

佐賀大学医学部の発見はどのような発見だったのか?

佐賀大学医学部がアトピー性皮膚炎のかゆみの原因を解明し、薬を発見。

今回の発見は佐賀大学医学部の出原賢治教授らが発見しました。

アトピー性皮膚炎のかゆみの原因の一つが"ペリオスチン"タンパクだということがわかりました。
ざっくり言うと「かゆみの原因はこれじゃないかな」ということがわかったような段階です。

アトピー性皮膚炎の炎症に悪さをする物質がわかって、その物質を抑えたり、調整したりすることができれば効果が期待できる薬が誕生する可能性があります。

現在、悪さをするタンパク質に向けた薬も開発中で特許出願中です。

マウスを使った実験ではかゆみ改善の効果も見られています。

基礎研究 : 実験などから原因や治療を調べる研究
臨床研究 : 実際の人を対象とした治療などへの研究

薬の研究は現在、基礎研究の段階で、ここから臨床実験を重ねて新薬を生み出すという流れです。


アトピー性皮膚炎のヘルシーヒント
  • 「治らない」と思わないで
  • ステロイドは医師の下なら◎
  • 佐賀大学に期待!でも実用化はまだ先
【2023年3月1日 かちかちPress いきいきヘルシーヒントより】

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