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2023.04.12

新生児スクリーニング検査の「原発性免疫不全症」と「脊髄性筋萎縮症」とは

今回のテーマも前回に引き続き「広がる 新たな命への検査」「新生児スクリーニング検査に新たな動き」

新生児スクリーニング検査とは、生後すぐの赤ちゃんの足から採った血液で、先天的な発育の異常がいないかをチェックする検査です。すべての新生児が無償で受けられる検査で、これにより医師でも発見しづらい21種類の疾患をチェックすることができます。

なんと、佐賀県ではこれにプラスして2つの疾患の検査が加わるんです。

原発性免疫不全症と脊髄性筋萎縮症

全国で2県目!佐賀県で無料検査が開始されます!

聞き慣れない病気かと思いますが、前回に引き続き、小児科の先生にこの疾患の検査の重要性を聞いてきました。

前回はコチラ
新生児スクリーニング検査とは?佐賀県民はさらにオトクなんです!

佐賀大学医学部小児科 垣内俊彦さん

新生児スクリーニング検査に佐賀県では新たな動き?

新たに佐賀県では2つの病気を(既存の)21種類の検査に追加することになりました。その2つの病気というのは「原発性免疫不全症」と「脊髄性筋萎縮症」というこの2つの病気を追加しました。

それぞれどんな病気?

原発性免疫不全症とは

生まれつき免疫力が弱く、病原体(細菌やウイルス)への抵抗力が低い。医師でも見つけづらく検査以外の発見は難しい。

菌に対して対抗力が弱いお子さんたちがいらっしゃいます。
身の回りには菌がたくさん存在します。
皮膚やお腹の中にも菌はいます。
免疫不全症の子どもは生まれながら免疫が弱いので何でもないような菌に抵抗力がなく、病気を発症して運が悪ければ命にかかわってしまう。

それだけ大変な病気です。

予防接種に影響が…

免疫不全症の子どもたちは体内へ入ったワクチンが悪さをして病気を引き起こし、重篤化する恐れがあります。

注意が必要な予防接種

菌やウイルスの毒性を薄めたタイプのワクチン

【代表例】ロタウイルスワクチン(接種は生後約3カ月以内)

原発性免疫不全症の治療法は?

治療は骨髄移植となります。

感染病にかかる前に骨髄移植する方が患者の移植後の経過も断然良くなります。

早期発見・早期治療が鍵!

脊髄性筋萎縮症とは

脊髄の異変で筋細胞が萎縮し、筋肉が弱くなる病気。生後すぐでは見つけづらく検査以外の発見は難しい。

重い症状で治療が遅れてしまった場合は2歳までに亡くなる・寝たきりで人工呼吸器が必要な生活になり、助けを借りなければ命が長引かないというような怖い病気です。

脊髄性筋萎縮症の治療法

専門医の診断後、投薬などで治療する早く治療をしてあげることで、亡くなることや寝たきりになるのをかなり防ぐことができます。

新たな命を救うのは、生後すぐの検査

なので、早く検査をして見つけてあげて必要であればすぐ治療してあげる。それによりその子の将来が全く変わってきます。

それを含めて脊髄性筋萎縮症という病気が2つ目に選ばれました。

おさらい

原発性免疫不全症

  • 1万人に1人の難病
  • 病原体に抵抗力が低い
  • ワクチンで重篤化も

 脊髄性筋萎縮症

  • 1万人に1人の難病
  • 脊髄細胞の異変で筋力弱く
  • 重症者は人工呼吸器が必要

この2つの疾病の共通点は、治療法が確立されている!

原発性免疫不全症と脊髄性筋萎縮症のヘルシーヒント
  • 同意書に記入して検査してもらいましょう

新たに加わる2種の同意書に記入するだけ。
ただし検査は2023年の夏ごろから施行される予定です。

【2023年4月10日 かちかちPress いきいきヘルシーヒントより】

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