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2023.06.07

女性アスリートの健康問題とは?佐賀県内初開設「女性アスリート外来」

「女性アスリート外来」とは?
無月経や生理不順といった女性アスリート特有の健康問題に対応する専門外来です。
対象は部活動やクラブチームで活動する中学生から社会人までの女性。

こういったデリケートな悩みに応える窓口が、2023年1月に佐賀市の佐賀中部病院に開設されました。
では、無月経(生理が来ない状態)が若い女性の体にどのような悪影響を及ぼすのかというと?

無月経 心身への悪影響
  • 骨密度の低下(骨折)
  • 心臓・血管の疾病
  • うつ
  • 肌の乱れ
  • 将来の不妊 など

全身に悪影響を与えます

前回に引き続き、佐賀中部病院婦人科の坂西先生に女性アスリート外来には、どのような相談が寄せられているか、お話を聞きました。

どんな競技の来院が多い?

坂西先生「いま来院されている人は陸上競技の長距離の方が多いです」

一般的に相談が多い競技

  • 審美系競技
    器械体操・新体操・ダンスなど
  • 体重別階級のある競技
    柔道・レスリング・重量挙げなど

 体重を絞らないといけない競技だったり、体重ごとのランクある競技も影響があります。

しかし、実際にまだ来院されたことはないそうです。(※取材当時)

相談の傾向は?

坂西先生「無月経の方の相談が一番多いです。生理不順・調子が悪いという人もいました」
坂西先生「実際、栄養士と一緒に見ていますが食べてらっしゃっても実際の運動量に対して食べていなかったり、とってらっしゃる食事の献立を見ると足りていないとか、スタイルを維持するために食事を制限して、特に糖質を制限している。ただ『理想の食事には足りていない』という話はしています」

坂西先生よると、運動をしすぎるとエネルギー不足となり、女性ホルモンの分泌に回すまでの余力がなくなって、生理が来なくなってしまうということにつながるんです。

2023年1月から実働中の女性アスリート外来ですが、個人情報の観点から実際の案件までは紹介できませんが、今回は現実にありそうな相談を2つ、坂西先生に聞いてみました。

女性アスリートの相談 Case1

エネルギーを摂ると太ってしまい企業に支障が出るのですが…

「太ると体のキレが悪くなる」とか「スタイルが崩れると審査に影響する」と悩むアスリートの場合、どうやって改善に導くのか…。

坂西先生「エネルギー不足の人にはまず食事量を増やそうという話をしますが、どうしても心配して『太り過ぎるのでは』『競技に悪い影響はないのか』と心配されます。医師と相談しながら不安感なく進めるようにしています」
坂西先生「データも一緒に見ながら、身長から換算した標準体重の85%(160cmの女性の場合は標準体重が54kg✖85%=45.9kg)はあった方がいいので、いきなり85%にするのには抵抗があるので、ちょっとずつ増えていくことで体調が良くなったか、女性ホルモンの値も低いので上がってきていないか、などを確認しています」
女性アスリートの相談 Case2

大事な試合の日と生理のタイミングが重なるのですが…

こういった相談、ありそうですよね…。では、どのような対処をされるのか聞きました。

坂西先生「1回だけ月経をずらす方法もあります。ただスポーツをしている人は試合が続くので長い目で調節するとしたら定期的にピルを飲むという方法があります。ピルの種類はいっぱいあるので相談して、どのピルを使用するか決めています。もちろん副作用に注意しながら医師の指導のもと適切に使用していきます」


女性アスリートのヘルシーヒント
  • 過度な運動で無月経・骨折も

  • 適性のエネルギーを摂取すべき

  • 月経を調節することも視野に ※医師の指導のもと

女性アスリートのウェブ相談窓口が開設されています。
ウェブサイトから相談すると医師や理学療法士、栄養士らが回答してくれます。
「佐賀 女性アスリート相談」で検索されてみてはいかがでしょうか。

【2023年6月5日 かちかちPress いきいきヘルシーヒントより】

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