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2024.12.02

佐賀県が誇る新品種「サガンスギ」環境にも人にも優しい未来の木材

そもそもカーボンニュートラルというのは…?

「二酸化炭素など地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量から森林などによる吸収量を差し引いて実質的にゼロとすること」

佐賀県林業試験場が開発した新品種「サガンスギ」をご存知でしょうか?この画期的な杉は、環境保護と林業の発展を両立させる可能性を秘めています。
佐賀市にある佐賀県林業試験場で「サガンスギ」について取材してきました。

三拍子揃った優秀な杉

サガンスギ

佐賀県が1965年に品種改良を開始し、約半世紀をかけ2021年に完成した新品種のスギ
サガンスギは、従来の杉と比べて3つの大きな特徴を持っています。

1. 成長が早い

サガンスギは従来の杉と比べて成長速度が1.5倍!

5年前に植えられたサガンスギと従来の杉を比較すると、その差は一目瞭然で、サガンスギの方が圧倒的に大きく成長していました。

この早い成長には大きなメリットが。

まず、山に植えた後の雑草の背丈よりも短い間、除草作業の回数を減らすことができます。

さらに、収穫までの期間が従来の50年から30年に短縮されるため、収入サイクルが早まります。

「成長が早い」=年輪の幅が大きくなる

木が大きいほど二酸化炭素の吸収量は大きくなるため、1年間に蓄えられる二酸化炭素の量も大きくなると考えられます。

カーボンニュートラルやSDGsにもつながってくる取り組みですね。

2.強い材質

サガンスギは従来の杉と比べて強度が1.5倍あります。

実際に、サガンスギの板と従来の杉の板に人が乗る実験を行ったところ、サガンスギの方がたわみが小さいことが確認されました。
この強度の高さは、建築材料としての価値を高めることにつながります。
木材の細胞壁を構成するセルロース分子の構造の違いがサガンスギの強度に関連していることが解明されました。
3. 花粉が少ない

サガンスギの花粉量は、一般的な杉の半分以下!
これは、花粉症に悩む多くの人々にとって朗報ですね。さらに、林業試験場では花粉の量をゼロにする研究も進めているそうです。

サガンスギの活用と今後の展望

SAGAサンライズパーク内パークテラス

サガンスギの活用はすでに始まっており、佐賀県内のSAGAサンライズパークでは、テラスにサガンスギを使用したテーブルが設置されています。

現在、サガンスギの苗木は需要に対して不足しているそうです。林業試験場では、山にサガンスギを植えたい方に確実に苗木を届けられるよう、苗木の生産者さんと協力して体制を整えていく予定とのことです。
【2024年11月27日放送 かちかちLIVE 知ってる?カーボンニュートラルより】

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