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佐賀から世界へ!進化を続けるクリーンエネルギー技術
佐賀県には、世界に誇れるクリーンエネルギー技術があることをご存知でしょうか。佐賀大学海洋エネルギー研究所で開発されている「海洋温度差発電」は、海水の温度差を利用して電力を生み出す革新的な技術です。この技術は、今なお進化を続け、さまざまな分野への応用が期待されています。
海洋エネルギーとは
「波」や「潮の満ち引き」などの海のエネルギーを使って生み出すエネルギーのことです。
この海洋エネルギーについての研究が行われているのが、伊万里市にある「佐賀大学海洋エネルギー研究所」です。ここでは海洋エネルギーを使って、海洋温度差発電を行っています。
小さな温度差で大きなエネルギーを生み出す
海洋温度差発電の仕組みは、一見複雑に見えますが、基本的な原理はシンプルです。温かい海水と冷たい海水の温度差を利用して、特殊な液体を蒸発・凝縮させることで発電を行います。
研究所の施設内には、この仕組みを実験するための大規模な装置が設置されています。リポーターが訪れた研究室では、ピンク色の温かい海水と水色の冷たい海水が入った水槽2つがあります。
管の中にある特殊な液体(アンモニアなど)を温かい海水で温めて沸騰させ、蒸発させます。この蒸発した蒸気を使ってタービンを回し、エネルギーを生み出します。蒸気を冷たい海水で冷却して液体に戻し、再び蒸発させて発電に使います。
この原理でわずか20度ほどの温度差でもエネルギーを生み出すことができるのです。約40年の研究の成果で、小さな温度差でもエネルギーを生み出す技術を開発しました。長年の努力が実を結び、効率的なエネルギー生産が可能に。
実用化はされている?
こちらの技術はまだ研究段階です。ただ発電ができるシステムとして確立済です。あとは実用化へ設備の整備が待たれる状態です。
しかし海洋温度差発電はクリーンエネルギーなので、持続可能なエネルギーともいえます。
温泉の熱も有効活用
海洋温度差発電の技術は、海だけでなく温泉にも応用されています。佐賀県の温泉地嬉野市では、この技術を活用した発電の実証実験が行われています。
ここでは海洋温度差発電の技術を使い、温泉の熱を使って発電しています。温泉は海水より温度が高いので電気を作り出しやすいそうです。
この技術は地域の資源を最大限に活用する可能性を秘めています。温泉の熱を利用した発電技術はもとからありますが、導入拡大のためには新しい技術が必要です。この温泉発電技術を佐賀県から全国へ展開していきたいと思っています。
未来のエネルギーへの期待
佐賀大学 海洋エネルギー研究所が取り組んでいる海洋温度差発電は、クリーンで持続可能なエネルギー源として大きな期待を集めています。化石燃料に頼らない新しいエネルギー技術の開発は、地球温暖化対策の観点からも重要です。
佐賀大学の研究チームは、この技術をさらに発展させ、より効率的で実用的なシステムの構築を目指しています。海洋大国・温泉大国である日本の強みを活かしたこの技術が、未来のエネルギー問題の解決に大きく貢献することが期待されます。
佐賀から発信されるこの革新的な技術は、私たちの暮らしをより持続可能なものにする可能性を秘めています。今後の発展に、ぜひ注目していきたいですね。