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2019.10.29

線香職人 馬場猛さん

線香を作る職人・馬場猛さんをご紹介します。
八女市上陽町にある馬場水車場(ばばすいしゃば)。
八女市の山間部に位置している山や河川に恵まれた場所です。
ここで線香を作っているのが馬場猛さんです。
馬場さんの作る線香は着色も香料もなし。地元にある杉の葉を使っています。

馬場さんは約50年前から線香や香取線香、お香の原料となる杉粉を作ってきました。
盛んだった頃には、40軒以上もの水車場が稼働していましたが、現在残るのは馬場さんの水車場1軒だけに。昭和50年頃から、海外の安い杉粉に押され、次々と廃業していきました。
真心をこめて作った杉粉の中に、メーカーの手によって科学的なものが混ざっていく。その過程を見ていた馬場さんは科学的な混ぜ物は入れず、八女の自然の物だけで線香を作ることを決意。それから1年半試行錯誤を繰り返し、約10年前から本格的に線香作りを始めました。

「僕たちの線香作りは自然任せ。失敗する時もあるし、成功していい品物ができたなという時もある。けど、自然を知りつくさないとだめ。まだまだ、未熟者。今でもお線香作りは勉強している。」と馬場さんは話します。

線香の原料は杉の葉と、自宅の近くに自生するタブの木です。

葉と幹の皮を粉かく砕いたものに杉粉と水を混ぜ合わせ、2時間程練っていきます。この粉の割合こそが最も難しく重要になります。

上陽町には20~30種類ほどの杉があります。馬場さんは杉の粉の性質によって、タブの葉の入れる量を少しずつ変え、最終的には、見た目と触った時の感触でもう少し粉を入れるか判断するそうです。

天気や気温、湿度にも左右される線香作り。長年培ってきた経験と技で、1つ1つ丁寧に作り上げていきます。


馬場さんは今後について「僕たちのお線香は、故人と生きている人の間を取り持つ品物。体の許す限り、自然の中の八女の樹木を粉にして線香を作って、故人もあげる人にも喜ばれるような品物を作りたい。」と話してくれました。


馬場水車場
電話番号:0943-54-3586

※線香は1束500円、3束で1200円。電話注文も可能。
大丸福岡天神店、アンテナショップ八女本舗、うなぎの寝床でも購入可能。

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