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2019.12.19

【年末回顧】豪雨に見舞われた佐賀県 発生からこれまでの歩み

2019年8月28日。佐賀県は未曾有の豪雨に見舞われ、大きな被害を受けました。災害発生時の様子と、これまでの歩みを振り返ります。

佐賀県など3県に大雨特別警報

8月末、県内を襲った記録的な豪雨。
視聴者投稿映像:
「やばいやろ…左側川ばい?」「待って、(水が)入ってきそう!」

県南部では局地的に、1時間に約110ミリから120ミリ以上の猛烈な雨が降り、佐賀市や小城市、武雄市、大町町などで、「記録的短時間大雨」が相次いで発表されました。

気象庁会見:
「佐賀県と福岡県と長崎県に大雨特別警報を発表しました」
気象庁は県内18の市や町に大雨特別警報を発表。

ヘリ救助・リポート:
「いま1歳の女の子も母親に続いて海上保安庁のヘリに吊り上げ、収容されようとしています」
武雄市で3人が亡くなり、佐賀市では女性1人が現在も意識不明となっています。 

武雄・空撮リポート:
「佐賀県武雄市の上空、広範囲にわたって水浸しになっています。住宅にも被害が及んでいる状況です」
住宅の被害は全壊が87棟、大規模半壊と半壊あわせて858棟、また、床上床下浸水は5千棟を超えました

大町町で工業用油が流出

視聴者投稿
「やばー…なにこれ。めっちゃガソリン臭いんだけど。家の周り黒っ」

今回、特に大きな被害を受けた大町町では浸水の影響で広範囲に工場の油が流出。 町内にある順天堂病院は3日間の孤立を余儀なくされました。 

そして、この油により農作物にも深刻な影響が…
農家:
「ダメですね。今年の収穫。キュウリも大豆もダメ。コメも無理。今まで経験ないことだから」

この豪雨やその後の台風による塩害などで県内の米の作況指数は「58」と全国最低記録的な不作となりました。 

今回、特に著しい被害を受けた武雄市や大町町などを流れる六角川の流域では1990年の豪雨を基準に河川整備が行われています。 しかし、今回の雨はほとんどの地点でその量を上回っていました

武雄河川事務所・的場孝文副所長:
「これから気候変動を踏まえて、これまで経験したことがないような雨が降ってくる、そういったことを考えると、自分が住んでいるところのリスクというものをきちっと把握してもらう。それによってどういった行動をとる必要があるのかと」

金立町でも大きな被害 いまだ戻れない住人も

一方、武雄市や大町町などの浸水被害とは違う被害を受けたのが、佐賀市金立町。

金立町の住民:
「土砂と流木が流れてきて家を突き破ってきた。とりあえず何していいのかというのが正直な気持ち。どこから手をつけていいのかも分からない」

金立町では山から大量の土砂などが流れ込み、いまだ立ち入り禁止となっているところもあります。 現在、4世帯12人が元の家に住むことができず、市営住宅での生活を余儀なくされています。

豪雨の課題・災害ごみ

一方、今回の豪雨で課題が浮き彫りとなったのが大量の災害ごみ。

今回、武雄市や大町町など7つの市や町で出た災害ごみは約2万3千トン。これは県全体で出る一般廃棄物の1カ月分に相当します。

武雄市では豪雨から間もなく4カ月が過ぎようとしている今でも処理しきれていないのが現状です。

被災した名店が復活

「お待たせしました~」

豪雨から約3カ月。武雄市北方町の食堂「かみや」が営業を再開。名物カツ丼も復活しました。

常連客:
「久しぶりで最高。」
「おいしい。長く待っていた分うまか」

浸水被害の酒蔵で新酒完成

蔵が浸水被害を受けた多久市の東鶴酒造は、例年より仕込みの時期が遅れたものの、11月末に新酒が出来上がりました。

東鶴酒造 野中保斉社長:
「年内にお酒作りできるかどうか分からない状態だったので、こうやって絞れて、これをこれから発売して発信していけるというのがすごいありがたいと思っています」

今年6月には、住民に適切な避難を促す5段階の「警戒レベル」が導入されました。
ハード面での治水対策と同時に「自分の命は自分で守る」という意識も求められています。

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