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【年末回顧】相次ぐ交通事故に虐待…「佐賀県内の事件・事故」
9月から交通死亡事故が連続して発生し、県内には交通死亡事故多発警報が出されました。また、児童虐待が疑われる事件が目立つ年でもありました。2019年に佐賀県内で起きた事件・事故を振り返ります。
吉野ケ里・承諾殺人事件
2019年1月、吉野ケ里町松隈の山中から見つかった女性の遺体。 その首にはひものようなもので絞められたあとがあり、警察は殺人と死体遺棄の容疑で捜査本部を設置しました。
その翌日、警察は行方不明となっていた、女性の70代の夫を広島市内で発見し逮捕。
その後の調べで夫が語ったのは… 「一緒に死のうとした」
続く裁判で、夫には約200万円の借金があり犯行前に2回、妻との自殺に失敗していたことなど殺害の動機や経緯が明らかになりました。
佐賀地裁の判断は「被告は被害者の気持ちを深く考えず、心中を迫った」としながらも、「死の承諾は被害者の真意だった」として、懲役3年執行猶予4年の判決。
法廷で夫は「おろそかな判断で妻を死なせてしまった。深くお詫びしたい」と謝罪を口にしました。
相次ぐ交通事故 交通死亡事故多発警報も発令
減少傾向にありながらもいまだワーストレベルにある佐賀県の交通事故。 今年は9月ごろから死亡事故が相次ぎました。
8月までは死亡事故16件、死者16人と、ここ30年で最少だった去年と比べてもその数はさらに少なかったにも関わらず、9月に佐賀市やみやき町などで5件発生、あわせて5人が亡くなるなど急増。 県内全域を対象とした交通死亡事故多発警報が発令されました。
佐賀県警察本部中原和雄 交通部長:
「わずか1か月余りの間に9件・9人もの尊い命が交通事故によって失われたことはとても残念であり憂慮すべき状況にあると受け止めている」
先月末までで県内で起きた死亡事故は31件。そのうち17件と半数以上を占めるのが“夜間”の事故です。
県警察本部交通企画課 福田公彦課長補佐:
「全国的に(夜間の)横断中の歩行者の死亡事故は右から左への横断が非常に多い。(夜間は)右側の部分が見えにくくなるので歩行者の発見が遅れたり気づきにくくなる」
このほか夜間に歩行者の発見が遅れる理由としては「対向車が通っていることで ライトを上向きにできないこと」や「ドライバーの視認性が低下」することなどもあげられます。
相次ぐ夜間の死亡事故。警察はドライバーに夜間速度を落とした運転を、歩行者に対しては反射材や明るい服を身に着けるなど呼び掛けています。
佐賀県警察本部中原和雄 交通部長:
「ドライバーの方も歩行者の方も交通事故を起こさない・あわないという意識を強く持ってもらい安全な運転と行動を実践していただきたい」
叩きつける、ヘアアイロンで火傷…相次ぐ虐待
2019年は児童虐待と疑われる事案が目立った年でもありました。
10月には、鳥栖市で当時、生後1カ月の長男を床に叩きつけたとして、28歳の父親が傷害で逮捕・起訴されました。
また、11月には、みやき町で小学2年生の8歳の長女の右頬と左手の甲にヘアアイロンをあて火傷をさせた29歳の母親が逮捕され罰金30万円の略式命令を受けました。
その他にも、伊万里市や神埼市などで児童虐待とみられる事件が相次ぎました。
県内での児童虐待の相談件数は年々増加傾向にあります。 昨年度の速報値では県内の相談件数は351件。 これは10年前と比べて3倍以上の数字です。 なぜこのように急激な増加傾向にあるのでしょうか?
県こども家庭課 真崎達也係長:
「ここ数年は警察からの面前DVの通告が多くなっています。これは警察が把握した夫婦げんかのようなDVをその場にいた児童が心理的虐待を受けたとして警察が通告するものです」
増加の背景には、虐待の種類が大きく関係しています。 2009年度からの10年間で比べると身体的虐待やネグレクトに比べて、心理的虐待の相談件数が約4倍と大きく伸びています。
県こども家庭課 真崎達也係長:
「相談内容においては子供や保護者が抱える背景が多様化、複雑化しています。市町や学校、幼稚園、保育園、病院、警察など関係する機関の連携が課題となっています」
子と親の関係それを取り巻く環境が旧来の日本型から変化しつつありますが、すべての子どもが健やかに育つ環境づくりが求められているのは今も変わりありません。
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