2006年2月
番組審議会だより(2006年2月)
期日
平成18年2月9日
出席委員
-
審議番組
- 番組名称 「陶美を求めて ~十四代今泉今右衛門~」
- 放送日時 平成18年1月28日(土)午後4時55分~5時25分放送
議事概要
サガテレビでは、このほど第421回の番組審議会を開き、上記番組について審議しました。
<番組概要>
佐賀県を代表する産業「陶芸」。有田焼・唐津焼・伊万里焼・白石焼など県内には多くの窯元があり、ここで焼かれる作品は高い美術評価を受けています。 平成三年にシリーズとしてスタートした「陶美を求めて」は今回で46作目。 佐賀県内で活動する陶芸家にスポットをあて、作風や経歴、その陶芸家の求める「美」を紹介しています。今回は十四代今泉今右衛門さんを追いました。 代表的な有田焼の作風「色鍋島」を受け継ぐ今泉家の次男に生まれ、三年前、 十四代を襲名。色鍋島の伝統を守りながら、日々新しい作風を模索しています。 今右衛門さんが現在取り組んでいるのが「墨はじき」。墨で焼き物の表面に模様を塗り、一度釜で焼き、墨を飛ばし、白く模様を浮かび上がらせる独特の技法で「雪の結晶」をモチーフにした作品。 番組では、雪を取り入れたきっかけ、表現方法としての「墨はじき技法」とは どんなものか、今右衛門さんがめざす“美”に迫ります。
委員の意見概要
委員からは次のような発言がありました。
- 全体的には、面白く飽きさせない作りだった。
- 伝統の中で子供の頃から生きてこられた人という重いイメージを持っていたが、そうではなかったという経歴、跡継ぎの時の兄弟の思いなど、番組から伝わる人間性が面白かった
- 今右衛門さんのインタビューが多かった、言葉では出せない苦悩など内面を映像で表現してほしかった。
- この番組からは、あえて雪にこだわった部分が伝わらなかった。
- 作品の大きさが分からなかった。雪のシーンから入るのは良かった、雪に吸い込まれるというコメントがあったが、その時の映像は上から下でなく、下から上に追うのが良い。
- 冒頭、丸皿の中心から広がるシーンは撮り方が良かった。
- インタビューは作家と制作者の意思の疎通がとれていた、人間ドキュメント番組として見た。
- 十三代と十四代の作品の比較も見たかった。
- 非の打ち所のない作品だった。
- 十四代の謙虚な人柄や穏やかさはとてもよく伝わったが、一方、作家としての裏側にある燃えるような激しさも見たいという欲が出てきた
- インタビューに無駄な言葉が無く良いコメントが多かった。印象的なコメントは、“見る人の心を豊かにしたい”“伝統は相続できる”。
- カメラワークが良く、筆で雪を描くところは見ていて緊張感が伝わってきた、息を止めて筆の中に入っていくような凄さを感じた
- あまりにもキレイに描かれていた。雪の結晶に至るまでの苦闘があったはず、作品として物足りなかった
- 今の陶芸界の不振、素晴らしい作品を作っても売れないという状況や苦悩も番組で少し出すべきだった。記録性として残すだけでいいのか疑問を感じた。
などの意見がでました。
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