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新幹線・長崎ルートの光と影① 駅は嬉野市の悲願
九州新幹線・長崎ルートの問題についてシリーズでお伝えします。
フル規格めぐり対立
博多と長崎をつなぐ長崎ルートをめぐっては、国やJR九州、長崎県の他、県内の一部の沿線自治体はフル規格での整備を望んでいます。
一方、巨額の財政負担や並行在来線の問題などの解決が見通せないため、佐賀県は強く反対しています。
世論調査で佐賀県民は・・・
去年7月のサガテレビの世論調査では、賛成・どちらかといえば賛成が41・3%。
反対、どちらかといえば反対が49・6%で、反対が多くなっています。
嬉野市にとって新幹線の駅は長年の悲願
現在新幹線は、武雄温泉駅から長崎までの区間を建設中で、嬉野市にも、「長年の悲願」だった駅も作られています。
開業まであと2年。 新幹線による街の活性化をめざす嬉野市を取材しました。
人口約2万5千人。佐賀県の西部に位置する嬉野市。お茶や温泉で有名な人気の観光地です。県内の10市の中で唯一、鉄道が通っていない嬉野市にとって、新幹線の駅ができることは長年の悲願。地元の人は、駅周辺が整備され、街が元気になることを期待しています。
【旅館大村屋・北川健太社長】
「九州域内のお客様が多かったのですが、新幹線ができることで、遠方の方がアクセスしやすくなるのを期待しています」
嬉野を訪れる観光客の7割が車を利用しています。
また、観光客の約45%は九州内からで、近畿や中国地方からはわずかです。
【嬉野市 村上大祐市長】
「新幹線が直通すれば、皆さんに認知していただけると思いますし、新たなお客さんが見込めるんじゃないかなと期待しています」
嬉野市の人口は年々減少。20年後には約2万人まで減り、高齢者が44%を占めると推定されています。
新幹線が通り観光客が増えれば、人口の増加につながると市長は期待しています。
新幹線の駅だけでいいのか?街づくりの課題
新幹線への期待の一方で、課題を指摘する声もあります。
【地元の住民】
「新幹線ができても街の魅力がなければ降りてくださらないので、人が来たくなるような温泉地、街づくりが必要かなと思っております」
訪れた人に町の魅力を存分に味わってもらおうと嬉野市も力を入れ始めています。
【嬉野市 村上大祐市長】
「地元の農産物、自然、そういったものの一体となったツアー商品の開発が必要。その1つとして始まったのがティーツーリズム。絶景の茶畑を眺めながら嬉野の美味しいお茶を飲んでいただく、点在するスポットを自転車、レンタサイクルで回っていくような、色々な形で駅と町と周辺の自然環境が一体となった提案ができるような商品づくりを一層進めていければと思っています」
フル規格めぐる対立 佐賀県との懸け橋に
フル規格での整備の課題については…。
【嬉野市 村上大祐市長】
「佐賀県全体としての立ち位置というところも複雑なところにあるというのは承知しておりますので、そういったところは我々も佐賀県を構成する1団体として色々な形で良い知恵を出していく、その辺のところも懸け橋になっていければとは考えています」
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