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"ラムサール”ブランド和牛で美味しく干潟保全 耕作放棄地の活用にも一役【佐賀県鹿島市】

2020/10/05 (月) 19:08

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キャッチコピーは「美味しいは美しいになる」。ラムサール条約に登録されている干潟がある佐賀県鹿島市では、地元の商品を「ラムサール」ブランドとして認証し、その売り上げの一部で、干潟などの環境保全を進めようというプロジェクトを進めています。このプロジェクトの新たな目玉として期待されている和牛について取材しました。

鹿島市の肥前鹿島干潟。2015年に国際的に重要な湿地とされる「ラムサール条約湿地」に登録されました。干潟を保全するためには、流れ着くごみの回収などに費用がかかります。そこで、区長会など市内20団体で作る鹿島市ラムサール条約推進協議会はあるプロジェクトを進めています。「肥前鹿島干潟基金増額プロジェクト」です。

【鹿島市ラムサール条約推進室・江島美央さん】
「(鹿島の)自然を使った産品などをまず販売して、その販売した売り上げ額の一部を基金に回して、その基金によって有明海の保全を行う」

地元の産品を「ラムサールブランド認証品」として販売し、売り上げの一部は肥前鹿島干潟基金へ。基金を増やして、環境保全に役立てたい考えです。

「ラムサールブランド認証品」は米や果物など10種類。その中でも今期待されているのが…「牛」です。

栽培されなくなったミカン畑で10年ほど前から牛を育てている増田好人さん。現在は2.5クタールで出産を経験した雌牛、「経産牛」5頭を飼っています。

【増田好人さん】「20年前までは立派なミカン畑やった。1つは高齢化と1つは農産物ミカンの価格が安いという形でずっと辞められて。牛肉を安く生産されるやろうか、子牛をここ(荒廃園)で生産できんやろうかと」

鹿島市の耕作放棄地は、2019年時点でおよそ527ヘクタール、この4年で14%増えました。そういった場所を有効活用することもこのプロジェクトの狙いの1つです。現在は2歳から3歳ほどの経産牛を飼育している増田さん。今後は子牛の繁殖にも期待します。

【増田好人さん】「(牛を)大きくして販売する。循環型放牧場で育てた牛を赤肉としてブランド牛として出荷できんかと」

増田さんが育てた牛の精肉が鹿島市内の料亭に運ばれました。この日は、メニュー化・商品化への売り込みです。【料亭の女将と市職員のやり取り】「こちらがサーロイン、ヒレですね。こちらがバラです」「バラでこんなに赤いんですか?」「特徴と致しましては、サシ(赤身の間にある脂肪)が少なくて、赤身が多いお肉になっていまして。この前試食をさせていただいたのですけど少し硬いお肉だったので、何か調理をひと手間加えていただいて、美味しい料理を作っていただけたらなと」

肉質は赤身が多いのが特徴。料亭側はメニュー化を前向きに考えているようです。【割烹清川・女将・成松悦子さん】「バラがあったんですけど、大変赤くて赤身が多いお肉なんですね。それをどのように調理していこうかという、腕の振るいどころでもあると思う。ローストビーフとか、煮込んだシチューとか、あとは佃煮のような味を強くしたようなしぐれ煮とか。そういう物を考えているところ」

現在市内では4店舗がメニューを開発中です。肉を取り扱う店舗とラムサールブランドの商品を増やすことが当面の目標です。

こちらの居酒屋では、早くも試作品ができました。「すね肉の味噌煮込み」です。

【居酒屋千景・川嶋宣朗さん】「長く煮たら柔らかくなるので、その柔らかいところを味わってもらえればなと」そのお味は。【波佐間アナ】「じっくりと煮込んであるので柔らかいです。適度な弾力性がありますね。」

【鹿島市ラムサール条約推進室・江島美央さん】「鹿島を思う気持ちが伝わってきて、ありがたいと思いました。環境と経済を上手く回す仕組みで地元を活性化し、今コロナとかありますけど、町が元気になっていけばいいなと思います」

地元の人が、地元の産品で、地元の環境を守る。地域の宝、「干潟」が世界に認められたのをきっかけに新たな地域振興プロジェクトが動き始めています。
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