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家具メーカーが"おがくず"活用 職人が「カブトムシ」1000匹飼育 【佐賀市】

2022/06/16 (木) 18:58

子供たちに人気の昆虫が家具工場にいます。その数1200匹以上。家具を作る過程で出る廃棄物を活用することで、子供たちに笑顔を届けています。

【川浪記者】
「こちらの家具メーカーではあるユニーク取り組みが行われています。業界では廃棄物とされるこのおがくずを使った取り組みです」

佐賀市諸富町にある家具メーカー・レグナテック。
早速、樺島雄大社長に珍しい取り組みが行われている場所へ案内してもらいました。

【レグナテック 樺島雄大社長】
「こちらの方にカブトムシの飼育場がある。彼らが毎日お世話をしてくれている飼育係です」

工場の裏にいたのはなんとカブトムシの幼虫!!!
家具メーカーであるレグナテックでは、カブトムシを飼育しているんです。

「色がやっぱり黄色になってきた」
「さなぎ化している。もうそっとしておかないと」

カブトムシの世話をしているのは、飼育長の野口浩平さんと副飼育長の西山浩三さん。彼らは始業前の朝7時すぎからこの場所に集まります。

Q何をしている?
【レグナテック 野口浩平さん】
「今(幼虫を)見て、病気になっているかを確認している。体の表面に黒い点が出ている個体があったら病気になっている。取り除いてあげないと他の虫にも感染してしまうので」

二人はもちろんカブトムシの専門家…ではなく家具職人。

【レグナテック 野口浩平さん】
「毎日気になって、朝出勤したらすぐ幼虫の様子を見にきたりとか。愛おしくなるというのか、本業は家具作りだが、それ以上にハマっている」

始まりは2年前でした。

【レグナテック 野口浩平さん】
「おととし、工場の外のおがくず置き場にこんな感じでたくさんカブトムシの幼虫がいた」

【レグナテック 樺島雄大社長】
「せっかくだったら、われわれが大事に育てていこうと思って」

もともとカブトムシが好きな樺島社長が社内の有志を集め結成したのが「カブトムシくらぶ」小動物やカラスといった外敵から幼虫を守るため今年は専用の小屋を作り飼育環境を整えました。現在、1200匹あまりを飼育しているといいます。

おがくずは木材を加工していく段階で出る木のくずで、家具業界にとっては必要のないものです。
レグナテックでは一部を地元の牧場などに無償で提供しているといいますが、1週間から2週間で2トントラック1台分のおがくずが出てしまうといいます。

【レグナテック 樺島雄大社長】
「おがくずまでも大事にしたいという思いで、廃棄物という感覚ではなく、立派なカブトムシを育てるための土壌になる」

工場から出るのはカブトムシが好むクヌギの木に近いナラの木やクルミの木のおがくず。幼虫がおがくずを食べふんをするため、早くて2日から3日でおがくずを入れ替えなければいけません。さらにカブトムシは9月ごろから孵化するため年間を通して世話が必要になります。

去年は成虫になったカブトムシを保育園などに譲ったほか譲渡会を開き、多くの子供たちを笑顔にしたといいます。

【レグナテック 樺島雄大社長】
「今年はかなり幼虫がいるので目標は1000匹成虫にしたい。そうすることで1000人の子供たちを笑顔にできたり喜ばせることができるかな」

また、小屋が完成したタイミングでカブトムシが大好きなクヌギの木が植えられました。クヌギの周辺に敷かれたおがくずの中にもたくさんの幼虫がいるといいます。

【レグナテック 樺島雄大社長】
「いつでもカブトムシたちがやって来られる環境作りはしていきたい。やがてこのクヌギが大きくなれば自然にカブトムシがたくさん来て育ってくれることを夢見ながら頑張っていく」

さらに樺島社長にはこんな思いも…

【レグナテック 樺島雄大社長】
「諸富は家具の産地でもあるので、私たちの工場だけでなく他の工場からもカブトムシの飼育をやってくれる工場が増えて、この町自体がカブトムシの森のような家具産地にできることで、たくさんの子供たちや人々が訪れてくれることを楽しみにしている」

レグナテックのカブトムシは、これから7月上旬にかけて成虫になり、今年も子供たちに笑顔を届けます。

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