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木材高騰続く 心配は「木材離れ」 家具メーカーは“付加価値”で勝負【佐賀市諸富町】
2022/09/01 (木) 19:20
2021年から続く世界的な木材の高騰、いわゆる「ウッドショック」。円安も重なり輸入木材の価格がさらに上昇する見通しです。
佐賀の伝統的地場産品、諸富家具は、付加価値の高い商品を開発するなどして利益の確保を図りたい考えですが、それを支える木材業者からは、「木材離れ」を心配する声も挙がっています。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「木材が貴重品というか、高価な部類の資材に入ってきたことは間違いない」
佐賀市諸富町にある佐藤木材。家具や家の内装用の木材を県内や福岡県大川市を中心に卸しています。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「ウチの場合が、北米とアジア、中国、ベトナム、それとヨーロッパ、北欧と取り扱いがあるが、そこが大体取り扱いの9割」
国産の木材は、スギやヒノキといった比較的柔らかい針葉樹が多いのに対し、家具やフローリングに使われる木材のほとんどは、国内産が少ないブナやクスといった硬い木の広葉樹です。
日本は、こうした木材の多くを輸入に頼っています。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「大体1.4倍から高いものだと、1.8、1.9倍くらいまで。業界の先輩に聞いても、「こんなことは経験したことがない」という意見が大半」
木材の高騰、いわゆる“ウッドショック”です。
ウッドショックは、新型コロナの流行が大きな要因ととされています。テレワークの普及や巣ごもりの影響で、アメリカや中国で住宅需要が高まったことなどから、世界的な木材不足となりました。
輸入木材の価格は2015年を基準とした場合、2021年から急激に上がり、半年ほどで1.6倍を超えました。
さらに、原油価格の高騰で、輸送費が上がり、供給の遅れも発生。これからは“円安”の影響が出てくると言います。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「どうしても海外と取り引きする場合は、少なくとも3カ月、4カ月、下手すると半年先の商売を決めていくので。円安のレートで決めたものがこれから入ってくるので、それが市場に出ていく。」
2022年初め、1ドルあたり110円前半だったのが、3月ごろから円安が進み、今は1ドルあたり130円後半に。
これからは、円安の時に仕入れた木材が届くため、2割ほど値上がりする見込みです。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「値上げの分を、そのまま転嫁されないように努力はしているんですけど、ただ現状、こういった為替の状況になっているので、安くなることはないだろうなと。さらに上がるか、企業努力でできるだけ、幅を抑えるという感覚」
木材の高騰は、伝統産業・諸富家具にとっても痛手です。佐賀市などの資料によると、諸富家具産地は、1990年代前半に約250億円の売上があったものの、今は約3分の1となっています。生き残りをかけた厳しい競争が続く中でのウッドショックや円安。家具メーカーは利益の確保に苦慮しています。
【諸富家具振興組合 樺島雄大理事長】
「ウッドショック以来、今度は円安に切り替わって、未だに毎月、木材に限らず何らかの家具資材はやっぱり値上がりというのが続いている。原価率の上昇がもろに利益に直結している」
諸富地区の家具メーカーや木材業者などでつくる諸富家具振興組合の理事長を務める樺島雄大さん。家具メーカーの中では、安い材料への見直しや1、2割ほど値上げするといった動きがあったそうですが、改めて商品の価値で勝負する動きもあるといいます。
【田中良宜記者リポート】
「家具の材料となる木材の高騰が続く中、メーカーは値段を上げる以外に、付加価値を付けることで対応しています」
【諸富家具振興組合 樺島雄大理事長】
「価格にばかり転嫁するんじゃなくて、メーカーとしての努力というのも必要だと思う。いろんなデザインであったり、販売、流通の方法を変えることによって、そこに“付加価値”が出て、それなりの価格で、販売ができるという形がある」
樺島さんが経営する家具メーカーは、海外のデザイナーを起用した商品を作るなど、高くても買ってもらえるようなブランディングに取り組んでいます。
このほか、円安だからこそ、海外への販路を広げる方針です。
【諸富家具振興組合 樺島雄大理事長】
「海外への輸出は、この業界は少ない。小さな家具産地ではあるけど、佐賀県では伝統的な地場産品として指定を受けているので、海外に向けた販路拡大は取り組んでいきたい」
一方、メーカーとは違い、“付加価値”をつけることが難しいのが木材業者です。
利益を確保するためには、価格を上げるほかありませんが、高騰が続けば木材を使ってもらえなくなるのではないかと懸念しています。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「我々からすると、木材離れすることが1番痛手。使っていただけるような環境を整えていく、そして、しっかりエンドユーザーの方たちに木材の良さを知ってもらって、使う価値を知ってもらう事が大事」
佐賀の伝統的地場産品、諸富家具は、付加価値の高い商品を開発するなどして利益の確保を図りたい考えですが、それを支える木材業者からは、「木材離れ」を心配する声も挙がっています。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「木材が貴重品というか、高価な部類の資材に入ってきたことは間違いない」
佐賀市諸富町にある佐藤木材。家具や家の内装用の木材を県内や福岡県大川市を中心に卸しています。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「ウチの場合が、北米とアジア、中国、ベトナム、それとヨーロッパ、北欧と取り扱いがあるが、そこが大体取り扱いの9割」
国産の木材は、スギやヒノキといった比較的柔らかい針葉樹が多いのに対し、家具やフローリングに使われる木材のほとんどは、国内産が少ないブナやクスといった硬い木の広葉樹です。
日本は、こうした木材の多くを輸入に頼っています。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「大体1.4倍から高いものだと、1.8、1.9倍くらいまで。業界の先輩に聞いても、「こんなことは経験したことがない」という意見が大半」
木材の高騰、いわゆる“ウッドショック”です。
ウッドショックは、新型コロナの流行が大きな要因ととされています。テレワークの普及や巣ごもりの影響で、アメリカや中国で住宅需要が高まったことなどから、世界的な木材不足となりました。
輸入木材の価格は2015年を基準とした場合、2021年から急激に上がり、半年ほどで1.6倍を超えました。
さらに、原油価格の高騰で、輸送費が上がり、供給の遅れも発生。これからは“円安”の影響が出てくると言います。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「どうしても海外と取り引きする場合は、少なくとも3カ月、4カ月、下手すると半年先の商売を決めていくので。円安のレートで決めたものがこれから入ってくるので、それが市場に出ていく。」
2022年初め、1ドルあたり110円前半だったのが、3月ごろから円安が進み、今は1ドルあたり130円後半に。
これからは、円安の時に仕入れた木材が届くため、2割ほど値上がりする見込みです。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「値上げの分を、そのまま転嫁されないように努力はしているんですけど、ただ現状、こういった為替の状況になっているので、安くなることはないだろうなと。さらに上がるか、企業努力でできるだけ、幅を抑えるという感覚」
木材の高騰は、伝統産業・諸富家具にとっても痛手です。佐賀市などの資料によると、諸富家具産地は、1990年代前半に約250億円の売上があったものの、今は約3分の1となっています。生き残りをかけた厳しい競争が続く中でのウッドショックや円安。家具メーカーは利益の確保に苦慮しています。
【諸富家具振興組合 樺島雄大理事長】
「ウッドショック以来、今度は円安に切り替わって、未だに毎月、木材に限らず何らかの家具資材はやっぱり値上がりというのが続いている。原価率の上昇がもろに利益に直結している」
諸富地区の家具メーカーや木材業者などでつくる諸富家具振興組合の理事長を務める樺島雄大さん。家具メーカーの中では、安い材料への見直しや1、2割ほど値上げするといった動きがあったそうですが、改めて商品の価値で勝負する動きもあるといいます。
【田中良宜記者リポート】
「家具の材料となる木材の高騰が続く中、メーカーは値段を上げる以外に、付加価値を付けることで対応しています」
【諸富家具振興組合 樺島雄大理事長】
「価格にばかり転嫁するんじゃなくて、メーカーとしての努力というのも必要だと思う。いろんなデザインであったり、販売、流通の方法を変えることによって、そこに“付加価値”が出て、それなりの価格で、販売ができるという形がある」
樺島さんが経営する家具メーカーは、海外のデザイナーを起用した商品を作るなど、高くても買ってもらえるようなブランディングに取り組んでいます。
このほか、円安だからこそ、海外への販路を広げる方針です。
【諸富家具振興組合 樺島雄大理事長】
「海外への輸出は、この業界は少ない。小さな家具産地ではあるけど、佐賀県では伝統的な地場産品として指定を受けているので、海外に向けた販路拡大は取り組んでいきたい」
一方、メーカーとは違い、“付加価値”をつけることが難しいのが木材業者です。
利益を確保するためには、価格を上げるほかありませんが、高騰が続けば木材を使ってもらえなくなるのではないかと懸念しています。
【佐藤木材 佐藤元昭社長】
「我々からすると、木材離れすることが1番痛手。使っていただけるような環境を整えていく、そして、しっかりエンドユーザーの方たちに木材の良さを知ってもらって、使う価値を知ってもらう事が大事」
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