佐賀のニュース
「深刻な状態、死活問題」 有明海に広がる養殖ノリ"色落ち”被害で漁業者は…【佐賀県】
2023/01/17 (火) 18:50
不作となっている今シーズンの有明海の養殖ノリ。その影響は卸業者にも打撃を与えています。
一方県の緊急対策も予定される中で漁業者は諦めずに生産を続けています。
【ノリ漁業者 石尾義幸さん】
「深刻な状態、死活問題になっている」
【ノリ漁業者 徳永義昭さん】
「最悪。43年間ノリをして、一番の最悪」
佐賀県が19年連続で日本一を誇る有明海の養殖ノリ。シーズン後半県産ノリの「主力」とも言える、冷凍網ノリの摘み取りが先週から始まりましたが厳しい状況が続いています。
【ノリ漁業者 徳永義昭さん】
「秋芽も最低と思いよった。去年と比べて半分くらいの水揚げだが、冷凍は最低の最低、最悪」
【ノリ漁業者 石尾義幸さん】
「沖も上も(栄養塩が)低下している。プランクトンが発生して、終息しきらない海の状態」
シーズン前半の秋芽網ノリは販売枚数、販売額ともに昨シーズンの半分にとどまる結果に。冷凍網ノリに期待がかかっていましたが。
【田中良宜記者】
「あちらのノリも色落ちが相当ひどい様子が見受けられます。辺り一面のノリが黄色く見えます」
広い範囲で確認されたノリの色落ち。1つの漁場だけではなく有明海全体に広がっています。
【芦刈のノリ漁業者 土井勝朝さん】
「これはダメ。これは多分製品にならない。具合が悪くなる、この色」
一体何が原因で被害が拡大しているのでしょうか。
ノリの漁期が始まった10月以降雨はほとんど降っておらず、降水量は平年の3~4割程度にとどまっています。このためノリの生育に必要な栄養塩が川から十分に供給されない状況に。
さらに、その栄養塩を食べるプランクトンが増殖したことで、ノリ養殖に必要な量を大きく下回っています。
県有明水産振興センターは今シーズン、比較的栄養が多いとされる河口付近でも色落ちが見られること、通常はいない時期にもプランクトンが発生したことなど、過去に例がない状況と話します。
【県有明海漁協南川副支所 馬場賢一課長代理】
「今、有明海、佐賀・福岡・熊本全域でそういった状況が起こっているので、ノリ市場に有明海産のノリを供給できないという部分が海の方では起こっている」
【小淺商事 白羽洋社長】
「うちの会社でも誰も経験していない。ここまで悪いというのは」
そう話すのは、名古屋市に本社を構えるノリの専門商社小淺商事の白羽洋社長。全国のノリの買い付け金額、枚数ともに3割以上を占める業界最大手の商社です。白羽社長も20年近く佐賀の入札会に足を運び、佐賀のノリは「柔らかくておいしい」と評価しています。しかし生産高の半分以上を占める有明海産が不作になったことで、例年通りにとれている東日本や、瀬戸内海のノリが昨シーズンより3割から4割ほど価格が跳ね上がったといいます。
【小淺商事 白羽洋社長】
「日に日に値段が上がって、もうわれわれの売っている値段をとうに越えている。ただ供給責任ということで今みんな買っているが、本当に苦しい。この先、われわれ商社側の方でも転廃業するところが出てくる可能性もある。それくらい深刻、本当に」
県は、色落ち被害を軽減させる緊急対策を県内の漁場全域で行うと発表。
プランクトンを捕食するカキを水中に吊るし、栄養塩をノリに吸収させるもので、今週末にもカキ20トンを県有明海漁協に配布し、漁業者が漁場へ設置する方針です。
【山口知事】
「県としても今後ともノリ色落ち被害軽減のために、そして量の確保のために考えられる対策を実施して漁業者の皆さんを応援していきたい」
中には漁場に網を張らなかったり、すでに網を撤去したりした漁業者もいるといいますが、多くは生産を諦めずに作業を続けていて、県有明海漁協は消費者への理解を求めています。
【県有明海漁協南川副支所 馬場賢一課長代理】
「こういう現状を消費者に知っていただければ、色はないが、食感や佐賀海苔の味があり、おいしいノリはあるので、ノリを食べていただき、協力いただければ」
こちらは冷凍網ノリの摘み取りが始まる1月10日ごろに県が調査したノリの色落ち状況を地図で示したものです。
有明海全域に色落ち被害が広がっていて、中には重度の色落ち被害が出ている地域もあります。
一方で、ここ数日の雨で河口のあたりは回復傾向が見られたということです。県有明海漁協の西久保敏組合長は16日、次のように話していました。
【県有明海漁協西久保敏組合長】
「雨に期待をものすごくかけていたから、一部色が回復しかけた場所もある。まだ漁期は終わっていない。責任産地として一所懸命頑張ってとれる分はとっていかないといけない。ごく一部でも助かって生産につながれば。そっちの方がいい」
漁業者は回復に期待をかけて生産を続けているということです。
一方県の緊急対策も予定される中で漁業者は諦めずに生産を続けています。
【ノリ漁業者 石尾義幸さん】
「深刻な状態、死活問題になっている」
【ノリ漁業者 徳永義昭さん】
「最悪。43年間ノリをして、一番の最悪」
佐賀県が19年連続で日本一を誇る有明海の養殖ノリ。シーズン後半県産ノリの「主力」とも言える、冷凍網ノリの摘み取りが先週から始まりましたが厳しい状況が続いています。
【ノリ漁業者 徳永義昭さん】
「秋芽も最低と思いよった。去年と比べて半分くらいの水揚げだが、冷凍は最低の最低、最悪」
【ノリ漁業者 石尾義幸さん】
「沖も上も(栄養塩が)低下している。プランクトンが発生して、終息しきらない海の状態」
シーズン前半の秋芽網ノリは販売枚数、販売額ともに昨シーズンの半分にとどまる結果に。冷凍網ノリに期待がかかっていましたが。
【田中良宜記者】
「あちらのノリも色落ちが相当ひどい様子が見受けられます。辺り一面のノリが黄色く見えます」
広い範囲で確認されたノリの色落ち。1つの漁場だけではなく有明海全体に広がっています。
【芦刈のノリ漁業者 土井勝朝さん】
「これはダメ。これは多分製品にならない。具合が悪くなる、この色」
一体何が原因で被害が拡大しているのでしょうか。
ノリの漁期が始まった10月以降雨はほとんど降っておらず、降水量は平年の3~4割程度にとどまっています。このためノリの生育に必要な栄養塩が川から十分に供給されない状況に。
さらに、その栄養塩を食べるプランクトンが増殖したことで、ノリ養殖に必要な量を大きく下回っています。
県有明水産振興センターは今シーズン、比較的栄養が多いとされる河口付近でも色落ちが見られること、通常はいない時期にもプランクトンが発生したことなど、過去に例がない状況と話します。
【県有明海漁協南川副支所 馬場賢一課長代理】
「今、有明海、佐賀・福岡・熊本全域でそういった状況が起こっているので、ノリ市場に有明海産のノリを供給できないという部分が海の方では起こっている」
【小淺商事 白羽洋社長】
「うちの会社でも誰も経験していない。ここまで悪いというのは」
そう話すのは、名古屋市に本社を構えるノリの専門商社小淺商事の白羽洋社長。全国のノリの買い付け金額、枚数ともに3割以上を占める業界最大手の商社です。白羽社長も20年近く佐賀の入札会に足を運び、佐賀のノリは「柔らかくておいしい」と評価しています。しかし生産高の半分以上を占める有明海産が不作になったことで、例年通りにとれている東日本や、瀬戸内海のノリが昨シーズンより3割から4割ほど価格が跳ね上がったといいます。
【小淺商事 白羽洋社長】
「日に日に値段が上がって、もうわれわれの売っている値段をとうに越えている。ただ供給責任ということで今みんな買っているが、本当に苦しい。この先、われわれ商社側の方でも転廃業するところが出てくる可能性もある。それくらい深刻、本当に」
県は、色落ち被害を軽減させる緊急対策を県内の漁場全域で行うと発表。
プランクトンを捕食するカキを水中に吊るし、栄養塩をノリに吸収させるもので、今週末にもカキ20トンを県有明海漁協に配布し、漁業者が漁場へ設置する方針です。
【山口知事】
「県としても今後ともノリ色落ち被害軽減のために、そして量の確保のために考えられる対策を実施して漁業者の皆さんを応援していきたい」
中には漁場に網を張らなかったり、すでに網を撤去したりした漁業者もいるといいますが、多くは生産を諦めずに作業を続けていて、県有明海漁協は消費者への理解を求めています。
【県有明海漁協南川副支所 馬場賢一課長代理】
「こういう現状を消費者に知っていただければ、色はないが、食感や佐賀海苔の味があり、おいしいノリはあるので、ノリを食べていただき、協力いただければ」
こちらは冷凍網ノリの摘み取りが始まる1月10日ごろに県が調査したノリの色落ち状況を地図で示したものです。
有明海全域に色落ち被害が広がっていて、中には重度の色落ち被害が出ている地域もあります。
一方で、ここ数日の雨で河口のあたりは回復傾向が見られたということです。県有明海漁協の西久保敏組合長は16日、次のように話していました。
【県有明海漁協西久保敏組合長】
「雨に期待をものすごくかけていたから、一部色が回復しかけた場所もある。まだ漁期は終わっていない。責任産地として一所懸命頑張ってとれる分はとっていかないといけない。ごく一部でも助かって生産につながれば。そっちの方がいい」
漁業者は回復に期待をかけて生産を続けているということです。
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