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「秒刻みで考えていた」悩む判断…土砂崩れは“避難指示直後” 自治体の判断の難しさが課題【佐賀県】

2023/07/24 (月) 18:40

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大雨から24日で2週間です。3人が犠牲となった唐津市浜玉町の土砂崩れは、市が避難指示を出してから約10分後に発生。いつどのように避難を呼びかけるべきか、自治体の判断の難しさが課題となっています。

これは、視聴者が撮影した土砂崩れの瞬間を捉えた映像です。

【唐津市危機管理防災課 坂口順之課長】
「我々の次の行動は一番どれが正しいのか?というのを“秒刻み”で考えている状況だった」

撮影時刻は午前6時12分。早朝の出来事でした。大量の土砂が、木をなぎ倒しながら画面の左側に見える住宅に流れ込んでいます。
別の場所から土砂崩れを見た住民は…。

【土砂崩れを見た人(88)】
「すごかった。これだけ雨が降っていて土煙がばーっと上に舞い上がりながら(土砂が)下に流れて…すごかった」
【土砂崩れを見た人(80)】
「びっくりして言葉が出ない。私たちは山に囲まれているから(大雨の時)いつも山を見る。怖いから(2階の)ベランダに避難するようにしている」

こちらは、土砂崩れの発生から約4時間後の上空からの映像です。消防や警察が、行方不明者を屋根の上から捜索しているのが分かります。この土砂崩れで、男女3人が死亡しました。
土砂崩れが起きた今坂地区では、午前5時までの1時間に88ミリ、午前6時までの1時間に81ミリと、2時間続けて猛烈な雨が降りました。

【ウェザーニューズ 甲斐隆宏気象予報士】
「地盤などが比較的雨に強くない状況が考えられる。短時間で降ったこともあり一気に土砂災害につながった」

雨雲の動きを見ても、10日の午前4時ごろから現場周辺に「紫」で示す雨雲がかかり続けています。まだ外が暗い、未明からの雨。唐津市には午前0時40分、警戒レベル4に相当する土砂災害警戒情報が発表されましたが、当時、市の災害情報連絡室は、同じレベル4の避難指示をいつ出すのか、難しい選択を迫られていました。

【唐津市危機管理防災課 坂口順之課長】
「暗い時間での移動は危険ではないか?と。土砂災害の危険性が高まっていたが、もちろん同時間帯に河川の氾濫も考えられていた。その中で避難指示を出すことは、避難する人の身の安全を確保できるものではないと判断した」

市が避難指示を出したのは辺りが少し明るくなった午前6時。結果的には、その約10分後に土砂崩れが発生しました。
いつ、どの地域に避難を呼びかけるのか。自治体の判断の難しさが浮き彫りとなりました。

【唐津市危機管理防災課 坂口順之課長】
「判断の難しさと課題はこれで完成というものは無い。より精度を上げた判断はずっと求めるもの」

【ウェザーニューズ 甲斐隆宏気象予報士】
「まずは平常時に家の周りや学校の周りに危険がないかを常日頃から確認しておくことが大事。大雨の時も自治体から出る情報を待つのではなく、自ら先に行動するように心がけておく。場合によっては垂直避難、自宅の2階など安全な場所で過ごすことを積極的に行ってほしい」

自治体の避難指示は、仕組み上では「〇〇地区だけ」など範囲をかなり絞って発令もできる。ただ、結果的に何度も避難指示を発令してしまうと最も大事な「アナウンス効果」の低減につながるリスクがある。自治体は地域の特徴などに沿った判断が求められる。一方、私たちも住んでいる場所に応じた避難行動が必要不可欠。
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