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「表現する喜びを届けたい」有田焼に不可欠 青の絵の具・呉須を作る老舗 カメラマンリポート【佐賀県】

2023/10/03 (火) 18:40

サムネイル
サガテレビのカメラマンが県内の風景や人物などを撮影したカメラマンリポート。今回は有田焼に欠かせない、青の絵の具・呉須を作る老舗を紹介します。「呉須を通じて表現する喜びを届けたい」と話す当主の思いを映像と音楽でお楽しみください。

深海商店1961年創立。呉須・色絵具・釉薬を製造・販売。
呉須磁器によく用いられる青い絵の具

【深海宗佑さん】
「呉須というのは有田焼の象徴。日本磁器の発祥、つまり有田焼の発祥なんですけれども、そのときから呉須は使われています。ですので400年以上、呉須というのは有田焼に使われ続けています」

先祖の百婆仙は有田焼の創始者の1人とされている。

【深海宗佑さん】
「私の先祖は豊臣秀吉が朝鮮出兵したタイミングに連れて来られた陶工です」

【深海宗佑さん】
「私で13代目となります」

調合 コバルトを主成分に数種類の鉱物を調合する。

【カメラマン】
何か細かい作業やってますね。

【深海宗佑さん】
「これ、1グラムでも量が違うと色が全然変わるんですよね。ですので細心の注意を払って計量しています」

焼成混ぜ合わせた原料を焼成用の容器に入れ、ガス室で3日間焼成する。
湿式粉砕大小の石と焼成した原料を湿式粉砕し混合する。
乾燥 2日間自然乾燥させる。
石臼擦り 原料の粒子を細かくする。これを1週間にわたって数回繰り返す。
呉須は完成まで1カ月かかる。
深海商店は300種類の呉須を取り扱っている。

【深海宗佑さん】
「呉須というものを作ることを仕事にしているのは、日本に数社しかありませんのでそういった家に生まれたのは非常に幸いだったなと思っています。有田の街がどんどん寂れていっているというのは非常に苦しいものです」

売上げの低迷や後継者不足が深刻な問題。
取引先先月26日。
株式会社伯父山代表取締役社長岩永真祐さん。

【岩永真祐さん】
「深海さんに関しては、特に釉薬の種類とか色が豊富なんでうちではお客さんのイメージにあった色合いとか、風合いとかあったらまずは深海さんに相談するようにしています」

深海さんてどんな人?

【岩永真祐さん】
「まじめで実直で思ったことをすぐ行動に移されるってなかなか有田でも珍しい人材が帰って来たなと業界みんな思っていると思うが僕も見倣いたいところ」

オープンファクトリー今年5月深海商店。

【深海宗佑さん】
「弊社ではオープンファクトリーというものもやっています」

有田の窯業界を盛り上げるため様々なイベント立ち上げる。

【深海宗佑さん】
「一般向けに公開しているのは陶器市のときだけですけれども、窯業関連の方には日常からオープンファクトリーを受け入れております」

有田ダイニング今年9月ニューヨーク。

【深海宗佑さん】
「有田ダイニングの概要をひとことで申しますと、伝統産業のダイナミクスを感じてもらうものでございます。窯業界、この30年間でどんどん衰退しており、もう産地に呉須屋さんがない、釉薬屋さんがないというところもありますので、他の作家さんたちだったりとか、職人さんたちにも描く喜びだったりとか自分が表現したいものを表現できる喜びを届けるために、広報活動だったりとか認知をしていただくようなことをやりたいなと思っている」

撮影:溝口勝秀
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