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“創業の地”で再出発 2度の水害乗り越えた「ケーキ店」 オープンまでの5年間【佐賀県武雄市】
2023/10/17 (火) 18:40
毎週火曜日は災害企画です。今回は2019年の佐賀豪雨、そして2021年の大雨と3年間で2度の浸水被害に見舞われたケーキ店が武雄市にあります。水害と共に生きていくために決断した新たな店の形とは?被災から新たにオープンするまでの5年間を追いました。
【相森さん】
「皆さん大変お待たせしました。無事にオープンします!ありがとうございます。いらっしゃいませ」
この日、店主の目には涙が浮かんでいました。
【相森真一さん】
「うれしいですね、あのー…ほっとしたというか。これから長いですけど、はい」
パティシエ・相森真一さん43歳。2度の水害を乗り越え、かつてと同じ“創業の地”で新たに店をオープンさせました。
【女性】
「夜勤明けでそのまま来た。待ちに待ってたので買えてよかったです」
「佐賀県内でも3つの指に入るくらい好き」
大きく傾いた冷蔵庫。くしゃくしゃになったレシピ。たった1日で店の姿は一変しました。
【相森真一さん】
「こんな傾いて倒れているなんて想像してなかった。それを見た時は「何カ月間ぐらいか(営業が)できないな」と思った」
2019年8月28日、武雄市や大町町などを襲った記録的な大雨、いわゆる佐賀豪雨です。武雄市朝日町にある「菓子職人の小屋デタント」は1メートル以上浸水しました。
【相森真一さん】
「ケーキ屋さんとしてはクリスマスケーキを作らないわけにはいかないので、そこには間に合わせたかった」
急ピッチで準備を進め、豪雨から約4カ月後“被災した店”で再び営業を再開。この時はまだ「30年に1度の豪雨が降っただけ」そう、確信していました。
しかし…
2年後の8月14日。茶色く濁った水が再び店を覆っていました。
【相森真一さん】
「2年前に見た光景と一緒だったし、「あぁ…」という、想像はできていたんですけど見るのはつらかった」
店は再び、1メートル以上浸水。買いそろえたばかりの冷蔵庫やオーブンなどの電化製品は全て使えなくなりました。
【相森真一さん】
Q・被害総額は「金額で言うと3000、4000とかそれくらいになるんじゃないか」
Q・2年前に買いそろえたもの…「そうっすね、それが本当にもったいなくて、まだ見た感じは新品みたいにしてるし、全部きれいだったのでそれが残念」
3年間で2度の浸水被害。これ以上被害を出さないため、相森さんは大きな決断をします。
【相森真一さん】
「その砂利の所まで駐車場になるのでそこの砂利あたりからずるっとここら辺に」
被災した店からわずか50メートル先の駐車場。ここに相森さんは店を“新築”することにしました。
【相森真一さん】
「今までその店でやってきたとかそこの歴史があるじゃないですか。それを“簡単に捨てられない。自分も(店を始めて)まだ十何年ですけど、やっぱりここ(朝日町から)移転できるかって考えると難しいなって」
一方、同じ敷地で営業する以上水害対策は不可欠。かさ上げするとお客さんが不便になるのでは?1階を駐車場にしては?スロープを作ってみては?建築士や地元の工務店との打ち合わせは実に1年間かかりました。
【相森真一さん】
「雰囲気が変わって行きづらくなったよねって言われないような、何なら田植えしたまま買いに来てもらえるようなお店であり続けたい」
迎えた、新店舗のオープン。ショーウィンドーには2021年の豪雨以来、2年ぶりにカットケーキが並びます。
【従業員】
「寝れませんでした。楽しみすぎて」
「2回目(水害)が来た時はお店できないんじゃないかと思うくらい…再開できてよかった」
【相森真一さん】
「色々な人の支えで…ここまで来れました。すみません…まあとにかく!元気を出して4日間、イベントを乗り越えましょう。よろしくお願いします」
「無事にオープンします!ありがとうございます。いらっしゃいませ」
土盛りで高さ2メートルかさ上げした新たな店の形。階段から続々と客が入っていきます。
2度の被災から2年余り。菓子職人の“丘”デタントとして新たな一歩を踏み出しました。
相森さんが懸念していたお客さんの反応は…?
【佐賀市から】
「高くて、今度もし水害があったとしても続けていけると思う、すごくいい」
【武雄市から】
「2回も被災するって早々ない。それを乗り越えてこんなに立派にされたのは尊敬するし、おいしいケーキをまた食べられることが一番うれしくてありがたい」
建設費の約2割は県や市の補助を受けましたが、そのほかは自己負担という大規模な水害対策。相森さんはこの店が武雄の復興のシンボルになればと思いを込めます。
【相森真一さん】
「水害と共にこの土地で生きていくためにはこうするしかないという、それがこの形。ちゃんと営業を続けていけるようお客様が階段というハンデを気にならないくらいのお店にできるよう成長していきたい」
【相森さん】
「皆さん大変お待たせしました。無事にオープンします!ありがとうございます。いらっしゃいませ」
この日、店主の目には涙が浮かんでいました。
【相森真一さん】
「うれしいですね、あのー…ほっとしたというか。これから長いですけど、はい」
パティシエ・相森真一さん43歳。2度の水害を乗り越え、かつてと同じ“創業の地”で新たに店をオープンさせました。
【女性】
「夜勤明けでそのまま来た。待ちに待ってたので買えてよかったです」
「佐賀県内でも3つの指に入るくらい好き」
大きく傾いた冷蔵庫。くしゃくしゃになったレシピ。たった1日で店の姿は一変しました。
【相森真一さん】
「こんな傾いて倒れているなんて想像してなかった。それを見た時は「何カ月間ぐらいか(営業が)できないな」と思った」
2019年8月28日、武雄市や大町町などを襲った記録的な大雨、いわゆる佐賀豪雨です。武雄市朝日町にある「菓子職人の小屋デタント」は1メートル以上浸水しました。
【相森真一さん】
「ケーキ屋さんとしてはクリスマスケーキを作らないわけにはいかないので、そこには間に合わせたかった」
急ピッチで準備を進め、豪雨から約4カ月後“被災した店”で再び営業を再開。この時はまだ「30年に1度の豪雨が降っただけ」そう、確信していました。
しかし…
2年後の8月14日。茶色く濁った水が再び店を覆っていました。
【相森真一さん】
「2年前に見た光景と一緒だったし、「あぁ…」という、想像はできていたんですけど見るのはつらかった」
店は再び、1メートル以上浸水。買いそろえたばかりの冷蔵庫やオーブンなどの電化製品は全て使えなくなりました。
【相森真一さん】
Q・被害総額は「金額で言うと3000、4000とかそれくらいになるんじゃないか」
Q・2年前に買いそろえたもの…「そうっすね、それが本当にもったいなくて、まだ見た感じは新品みたいにしてるし、全部きれいだったのでそれが残念」
3年間で2度の浸水被害。これ以上被害を出さないため、相森さんは大きな決断をします。
【相森真一さん】
「その砂利の所まで駐車場になるのでそこの砂利あたりからずるっとここら辺に」
被災した店からわずか50メートル先の駐車場。ここに相森さんは店を“新築”することにしました。
【相森真一さん】
「今までその店でやってきたとかそこの歴史があるじゃないですか。それを“簡単に捨てられない。自分も(店を始めて)まだ十何年ですけど、やっぱりここ(朝日町から)移転できるかって考えると難しいなって」
一方、同じ敷地で営業する以上水害対策は不可欠。かさ上げするとお客さんが不便になるのでは?1階を駐車場にしては?スロープを作ってみては?建築士や地元の工務店との打ち合わせは実に1年間かかりました。
【相森真一さん】
「雰囲気が変わって行きづらくなったよねって言われないような、何なら田植えしたまま買いに来てもらえるようなお店であり続けたい」
迎えた、新店舗のオープン。ショーウィンドーには2021年の豪雨以来、2年ぶりにカットケーキが並びます。
【従業員】
「寝れませんでした。楽しみすぎて」
「2回目(水害)が来た時はお店できないんじゃないかと思うくらい…再開できてよかった」
【相森真一さん】
「色々な人の支えで…ここまで来れました。すみません…まあとにかく!元気を出して4日間、イベントを乗り越えましょう。よろしくお願いします」
「無事にオープンします!ありがとうございます。いらっしゃいませ」
土盛りで高さ2メートルかさ上げした新たな店の形。階段から続々と客が入っていきます。
2度の被災から2年余り。菓子職人の“丘”デタントとして新たな一歩を踏み出しました。
相森さんが懸念していたお客さんの反応は…?
【佐賀市から】
「高くて、今度もし水害があったとしても続けていけると思う、すごくいい」
【武雄市から】
「2回も被災するって早々ない。それを乗り越えてこんなに立派にされたのは尊敬するし、おいしいケーキをまた食べられることが一番うれしくてありがたい」
建設費の約2割は県や市の補助を受けましたが、そのほかは自己負担という大規模な水害対策。相森さんはこの店が武雄の復興のシンボルになればと思いを込めます。
【相森真一さん】
「水害と共にこの土地で生きていくためにはこうするしかないという、それがこの形。ちゃんと営業を続けていけるようお客様が階段というハンデを気にならないくらいのお店にできるよう成長していきたい」
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