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災害現場で活動する「災害救助犬」唐津の土砂崩れ現場でも捜索 活動担うのは”民間人”【佐賀県】
2023/11/14 (火) 18:40
災害企画です。大規模な災害が発生した際に消防や自衛隊とともに懸命に捜索にあたっている”災害救助犬”。今年7月、唐津市浜玉町を襲った土砂崩れでも行方不明者の捜索に携わりました。県内でこの活動を担う人たちを取材しました。
大雨や地震などの災害発生時に、行方不明者を捜索する“災害救助犬”。レスキュー協会を通じて自治体からの要請を受けるなどし、救助犬が現場に出動します。この活動を主に担っているのは消防など公的機関でなく民間の人たちです。
救助犬の育成や運用に取り組む神埼市の井本浩之さん。妻の美智子さんとゴールデンレトリバーのルキア、ラブラドールレトリバーのボーナ、シェパードのサーシャの3頭を育て共に暮らしています。
井本さんは大学教授、美智子さんは小学校の教諭として平日は仕事をし、週に1回ほど犬たちと訓練に励みます。
【井本浩之さん】
「今ここで止まった、これは理由がある人間を待っている、そこから先は危険だから行ってはいけないと人間を待っている」
井本さんは今年5月災害救助犬の育成や運用などに取り組む任意団体「サーチ&レスキュードッグ九州」を結成。現在9頭が活動しています。
今年7月に唐津市浜玉町で起きた土砂崩れの現場にも仲間と共にいち早く出動し、行方不明者の捜索にあたりました。
井本さんが訓練を始めたのは25年前。「一緒にキャンプに行けるような犬を育てよう」と思ったことがきっかけです。飼いやすい犬を目指すうちに「何か人の役に立てれば」と考え、災害救助犬の育成に取り組むようになりました。
最も厳しい審査とされる国際救助犬連盟の資格試験も受け合格したのは、九州では井本さんの犬3頭のみです。訓練の時間。3頭はしっぽを振って大喜び。たくさん褒められる楽しい時間と認識しています。
その方法も救助犬ならではで、警察犬が犯人など“特定のにおい”をたどるのに対し、災害救助犬は“特定のにおい”がない中で不特定多数の行方不明者を探します。
【井本浩之さん】
「犬たちはとどまっているにおいと漂っているにおい、この2つのにおいの違いがわかる、とどまっているにおいに反応するように訓練を重ねているので、例えばがれきの中にうずくまっている人がいればそのにおいを感知して知らせてくれるというのが救助犬の特徴」
この日団体のメンバーは、大町町にある日本レスキュー協会の佐賀県支部「モアワン」に集まりました。訓練には犬を操作するハンドラーだけでなく隠れる人、アドバイスをする人など複数の参加者が必要なため、佐賀や福岡を中心に集まりメンバーで協力して行います。まずは基礎から。人を見つけたら吠える練習です。
少しずつ板を下ろして姿を見えなくすることで、最終的にはにおいだけで閉所に閉じ込められた人を見つけられるようにします。
次は広域捜索。山や草原で行方不明になった人を探す訓練でとどまっているにおいを嗅ぎ分け隠れている人を探します。
また、がれきの中に埋まったり閉じ込められたりした人を探す訓練も。時にはがれきのある訓練施設を求めて関西まで出向くこともあります。被災現場は大きな音や白煙など普段聞いたり見たりすることがない特異な状況。それでも過敏に反応せず集中力を保つことが求められます。さらに、においから情報を得て自分で考えて捜索する力も必要だといいます。
【井本浩之さん】
「やんちゃで家庭で飼うのが難しいといわれる犬のほうが、実は秘めたる力を持っていて、正しい訓練をすれば救助犬や警察犬になれる可能性が非常に高いと思う」
タフさや学びが必要なのは犬だけではありません。
【井本浩之さん】
「現場に出たときに何が必要かというと、ハンドラーが犬の反応を見分けて犬がいま何を考えているのかそういう犬の反応をしっかり読み取ることができるという勉強をしなければならない」
犬とコミュニケーションをとれるようになることはもちろん、二次災害にならないよう安全に関する知識や道具の備え、体力づくりなど犬を操作するハンドラーも習得しなければならないことはたくさんあります。
一方で、活動には課題も。日本で救助犬を持つ公的機関は自衛隊のみで、通常の仕事と両立している民間のハンドラーは、資金面、安全面など運用に限界を感じています。井本さんは今後、公的機関を含め多くの人にこれまで培ってきたことを伝えていきたいと話します。
【井本浩之さん】
「継続するためには仲間をつくって仲間が育てていくのと同時に20数年していて、一定のノウハウはあるので、それを公的な機関の人たちにも伝えていく。私たちが動けるのもそんなに長くないので、やはり誰かに伝えていくのが希望」
大雨や地震などの災害発生時に、行方不明者を捜索する“災害救助犬”。レスキュー協会を通じて自治体からの要請を受けるなどし、救助犬が現場に出動します。この活動を主に担っているのは消防など公的機関でなく民間の人たちです。
救助犬の育成や運用に取り組む神埼市の井本浩之さん。妻の美智子さんとゴールデンレトリバーのルキア、ラブラドールレトリバーのボーナ、シェパードのサーシャの3頭を育て共に暮らしています。
井本さんは大学教授、美智子さんは小学校の教諭として平日は仕事をし、週に1回ほど犬たちと訓練に励みます。
【井本浩之さん】
「今ここで止まった、これは理由がある人間を待っている、そこから先は危険だから行ってはいけないと人間を待っている」
井本さんは今年5月災害救助犬の育成や運用などに取り組む任意団体「サーチ&レスキュードッグ九州」を結成。現在9頭が活動しています。
今年7月に唐津市浜玉町で起きた土砂崩れの現場にも仲間と共にいち早く出動し、行方不明者の捜索にあたりました。
井本さんが訓練を始めたのは25年前。「一緒にキャンプに行けるような犬を育てよう」と思ったことがきっかけです。飼いやすい犬を目指すうちに「何か人の役に立てれば」と考え、災害救助犬の育成に取り組むようになりました。
最も厳しい審査とされる国際救助犬連盟の資格試験も受け合格したのは、九州では井本さんの犬3頭のみです。訓練の時間。3頭はしっぽを振って大喜び。たくさん褒められる楽しい時間と認識しています。
その方法も救助犬ならではで、警察犬が犯人など“特定のにおい”をたどるのに対し、災害救助犬は“特定のにおい”がない中で不特定多数の行方不明者を探します。
【井本浩之さん】
「犬たちはとどまっているにおいと漂っているにおい、この2つのにおいの違いがわかる、とどまっているにおいに反応するように訓練を重ねているので、例えばがれきの中にうずくまっている人がいればそのにおいを感知して知らせてくれるというのが救助犬の特徴」
この日団体のメンバーは、大町町にある日本レスキュー協会の佐賀県支部「モアワン」に集まりました。訓練には犬を操作するハンドラーだけでなく隠れる人、アドバイスをする人など複数の参加者が必要なため、佐賀や福岡を中心に集まりメンバーで協力して行います。まずは基礎から。人を見つけたら吠える練習です。
少しずつ板を下ろして姿を見えなくすることで、最終的にはにおいだけで閉所に閉じ込められた人を見つけられるようにします。
次は広域捜索。山や草原で行方不明になった人を探す訓練でとどまっているにおいを嗅ぎ分け隠れている人を探します。
また、がれきの中に埋まったり閉じ込められたりした人を探す訓練も。時にはがれきのある訓練施設を求めて関西まで出向くこともあります。被災現場は大きな音や白煙など普段聞いたり見たりすることがない特異な状況。それでも過敏に反応せず集中力を保つことが求められます。さらに、においから情報を得て自分で考えて捜索する力も必要だといいます。
【井本浩之さん】
「やんちゃで家庭で飼うのが難しいといわれる犬のほうが、実は秘めたる力を持っていて、正しい訓練をすれば救助犬や警察犬になれる可能性が非常に高いと思う」
タフさや学びが必要なのは犬だけではありません。
【井本浩之さん】
「現場に出たときに何が必要かというと、ハンドラーが犬の反応を見分けて犬がいま何を考えているのかそういう犬の反応をしっかり読み取ることができるという勉強をしなければならない」
犬とコミュニケーションをとれるようになることはもちろん、二次災害にならないよう安全に関する知識や道具の備え、体力づくりなど犬を操作するハンドラーも習得しなければならないことはたくさんあります。
一方で、活動には課題も。日本で救助犬を持つ公的機関は自衛隊のみで、通常の仕事と両立している民間のハンドラーは、資金面、安全面など運用に限界を感じています。井本さんは今後、公的機関を含め多くの人にこれまで培ってきたことを伝えていきたいと話します。
【井本浩之さん】
「継続するためには仲間をつくって仲間が育てていくのと同時に20数年していて、一定のノウハウはあるので、それを公的な機関の人たちにも伝えていく。私たちが動けるのもそんなに長くないので、やはり誰かに伝えていくのが希望」
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