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日本酒『鍋島』の酒蔵「富久千代酒造」次期社長の”酒づくり”と”町づくり”への思い【佐賀県】
2024/03/12 (火) 18:20

創業から100周年。日本酒「鍋島」で有名な鹿島市の酒蔵「富久千代酒造」は、大きな節目を迎えています。酒づくりからカフェのプロデュースまで日々奔走しているのが次期社長の飯盛日奈子さんです。日本酒の市場では出荷量が減少傾向にある中、日奈子さんを突き動かしているのは「酒づくり」と「町づくり」への思いでした。
一枚板のカウンターに、高級感溢れるレストラン。
どちらも県内の酒蔵がプロデュースしたものです。
【富久千代酒造取締役 飯盛日奈子さん】
「日本酒がどういうお酒であるとか、どういった飲み方が楽しめるとか、いろいろと広めていけたら良いなと。地域貢献をこれからしていかないと、地域に支えてもらった会社なので」
1923年創業の老舗の酒蔵、鹿島市の「富久千代酒造」。
蔵でつくる「鍋島」は国内だけでなく海外でも親しまれています。
蔵が100周年を迎えた中で「新たな酒蔵のあり方」に向けて進もうとしているのが、取締役の飯盛日奈子さん(25)です。
次期社長として期待される日奈子さんは、現在、3代目社長の父直喜さん(61)の側で経験を積んでいます。
【富久千代酒造3代目社長父 直喜さん】
「娘は頑張ってると思いますよ。一生懸命やってると思います。時にはお互いの意見がぶつかります。それぞれの考え方はそれぞれ合っていると思うので、いろんなチャレンジをしてほしいですよね」
日奈子さんは2人姉妹の長女。
本人も周囲も蔵の次世代を担う存在ということを幼い時から認識していました。
【日奈子さん】
「幼少期から酒づくりなど体験していたので、蔵を継ぐのが当たり前なんだろうなという感じ」
高校卒業後は東京の大学で経営学を学びました。
【日奈子さん】
「蔵に入ったら酒づくりの勉強はできるんですけど、経営の勉強となったら中々。市場調査の仕方とか勉強になりました」
そして卒業後に飛び込んだ日本酒の世界。
しかし、市場全体としては厳しい状況が続いています。
【直喜さん】
「去年出荷量が15%くらい落ちているところもあったりするんです」
2021年度の日本酒の消費量は40万8000キロリットル。
1975年度以降は減少傾向が続いていて、現在はピーク時の4分の1ほどです。
「日本酒離れがこれ以上進まないためにはどうしたらいいのか?」
日奈子さんが始めたのが酒蔵の「新たなアプローチ」です。
【リポート・波佐間崇晃】
「こちらは富久千代酒造直営のカフェです。プロデュースしているのは日奈子さん。中ではコーヒーだけではなく、日本酒も楽しめるということです」
蔵から歩いて5分ほどの場所に位置するのが、去年4月にオープンした「CAFE BREW」です。
日奈子さんは「伝統」の酒づくりを学びながらも「新たなアプローチ」で消費者獲得に力を入れます。
【福岡県から】
「おいしいですし、雰囲気もすごく良いし、もう最高の場所。カフェ(ランチ)で来た時に鍋島のお酒を飲んでいる」
【東京都から】
「素敵ですよね。このカウンターも一枚板ですごい」
落ち着いた空間の中で、コーヒーや紅茶、イタリアン料理。
そして日本酒(鍋島)を堪能できます。
【愛知県から】
「お食事に合う日本酒のバリエーションが豊富。普段日本酒を飲まない人にとって日本酒のハードルを下げていただける」
料理を手掛けるは、東京のイタリア料理店で修行を積んだ江口貴啓さんです。
【CAFE BREWシェフ江口貴啓さん】
「いろいろな料理に合わせやすい。いろいろな鍋島の味があるので、佐賀の食材を中心として鍋島を使った料理を作っています。鹿島と鍋島の魅力を発信できればいいなと思っている」
日奈子さんのこだわりは器にも。
約30セットの唐津焼や有田焼はどれも選りすぐりのものです。
【日奈子さん】
「『この器すごくきれいだね。どこの?』と言われて、こちらから紹介して、実際に窯元さんに行っていただいたりとか。そうすることで町の魅力もどんどん広まっていくと思う」
“来店をきっかけに、周辺にも足を伸ばしてもらう”日奈子さんが描く酒蔵のあり方です。
さらに、宿泊施設を備えた郊外のレストラン「オーベルジュ」も大きな役割を果たしています。
【日奈子さん】
「この施設は元々あった約230年前の建物で、倒壊寸前のボロボロだった。お家(空き家)をリニューアルして、このオーベルジュという宿泊施設に」
「御宿富久千代」は、廃墟となっていた建物が活用されています。
外装の修復費など一部鹿島市の補助も受けながら、母理絵さんが中心となって約7年かけて整備。
現在は日奈子さんがプロデュース面を担当しています。
日々奔走する中、日奈子さんが大切にしているのが、父直喜さんの教えです。
【日奈子さん】
「父がよく言っていることなんですけど、『自分に錦を飾るより故郷に錦を飾れ』格言なんですけど。地域に支えてもらった会社ですし、どういうふうに地域貢献ができるかを考えた時に、やっぱり町づくりが一番の地域貢献じゃないかなと」
「酒づくり」と「町づくり」。
この2つのテーマを掲げる日奈子さんが今準備に勤しんでいるのが、鹿島酒蔵ツーリズムです。
3月23日と24日の2日間で、市の人口の3倍以上となる約10万人の来場を見込んでいます。
【日奈子さん】
「当日はツーリズム限定のお酒を出したりとか、いらっしゃった皆様を歓迎する。地域の酒蔵で一緒に作り上げていく一大イベントみたいな感じ」
日本酒の魅力と町の魅力を発信するため、日奈子さんの挑戦が続きます。
【日奈子さん】
「日本の文化として日本酒を誇ってほしいし、日本酒を楽しんでいただきたい。もっともっと地域を活発に、いろんな人がいらっしゃるように、地域の発展へのタッチポイントになっていけたらと思っている」
一枚板のカウンターに、高級感溢れるレストラン。
どちらも県内の酒蔵がプロデュースしたものです。
【富久千代酒造取締役 飯盛日奈子さん】
「日本酒がどういうお酒であるとか、どういった飲み方が楽しめるとか、いろいろと広めていけたら良いなと。地域貢献をこれからしていかないと、地域に支えてもらった会社なので」
1923年創業の老舗の酒蔵、鹿島市の「富久千代酒造」。
蔵でつくる「鍋島」は国内だけでなく海外でも親しまれています。
蔵が100周年を迎えた中で「新たな酒蔵のあり方」に向けて進もうとしているのが、取締役の飯盛日奈子さん(25)です。
次期社長として期待される日奈子さんは、現在、3代目社長の父直喜さん(61)の側で経験を積んでいます。
【富久千代酒造3代目社長父 直喜さん】
「娘は頑張ってると思いますよ。一生懸命やってると思います。時にはお互いの意見がぶつかります。それぞれの考え方はそれぞれ合っていると思うので、いろんなチャレンジをしてほしいですよね」
日奈子さんは2人姉妹の長女。
本人も周囲も蔵の次世代を担う存在ということを幼い時から認識していました。
【日奈子さん】
「幼少期から酒づくりなど体験していたので、蔵を継ぐのが当たり前なんだろうなという感じ」
高校卒業後は東京の大学で経営学を学びました。
【日奈子さん】
「蔵に入ったら酒づくりの勉強はできるんですけど、経営の勉強となったら中々。市場調査の仕方とか勉強になりました」
そして卒業後に飛び込んだ日本酒の世界。
しかし、市場全体としては厳しい状況が続いています。
【直喜さん】
「去年出荷量が15%くらい落ちているところもあったりするんです」
2021年度の日本酒の消費量は40万8000キロリットル。
1975年度以降は減少傾向が続いていて、現在はピーク時の4分の1ほどです。
「日本酒離れがこれ以上進まないためにはどうしたらいいのか?」
日奈子さんが始めたのが酒蔵の「新たなアプローチ」です。
【リポート・波佐間崇晃】
「こちらは富久千代酒造直営のカフェです。プロデュースしているのは日奈子さん。中ではコーヒーだけではなく、日本酒も楽しめるということです」
蔵から歩いて5分ほどの場所に位置するのが、去年4月にオープンした「CAFE BREW」です。
日奈子さんは「伝統」の酒づくりを学びながらも「新たなアプローチ」で消費者獲得に力を入れます。
【福岡県から】
「おいしいですし、雰囲気もすごく良いし、もう最高の場所。カフェ(ランチ)で来た時に鍋島のお酒を飲んでいる」
【東京都から】
「素敵ですよね。このカウンターも一枚板ですごい」
落ち着いた空間の中で、コーヒーや紅茶、イタリアン料理。
そして日本酒(鍋島)を堪能できます。
【愛知県から】
「お食事に合う日本酒のバリエーションが豊富。普段日本酒を飲まない人にとって日本酒のハードルを下げていただける」
料理を手掛けるは、東京のイタリア料理店で修行を積んだ江口貴啓さんです。
【CAFE BREWシェフ江口貴啓さん】
「いろいろな料理に合わせやすい。いろいろな鍋島の味があるので、佐賀の食材を中心として鍋島を使った料理を作っています。鹿島と鍋島の魅力を発信できればいいなと思っている」
日奈子さんのこだわりは器にも。
約30セットの唐津焼や有田焼はどれも選りすぐりのものです。
【日奈子さん】
「『この器すごくきれいだね。どこの?』と言われて、こちらから紹介して、実際に窯元さんに行っていただいたりとか。そうすることで町の魅力もどんどん広まっていくと思う」
“来店をきっかけに、周辺にも足を伸ばしてもらう”日奈子さんが描く酒蔵のあり方です。
さらに、宿泊施設を備えた郊外のレストラン「オーベルジュ」も大きな役割を果たしています。
【日奈子さん】
「この施設は元々あった約230年前の建物で、倒壊寸前のボロボロだった。お家(空き家)をリニューアルして、このオーベルジュという宿泊施設に」
「御宿富久千代」は、廃墟となっていた建物が活用されています。
外装の修復費など一部鹿島市の補助も受けながら、母理絵さんが中心となって約7年かけて整備。
現在は日奈子さんがプロデュース面を担当しています。
日々奔走する中、日奈子さんが大切にしているのが、父直喜さんの教えです。
【日奈子さん】
「父がよく言っていることなんですけど、『自分に錦を飾るより故郷に錦を飾れ』格言なんですけど。地域に支えてもらった会社ですし、どういうふうに地域貢献ができるかを考えた時に、やっぱり町づくりが一番の地域貢献じゃないかなと」
「酒づくり」と「町づくり」。
この2つのテーマを掲げる日奈子さんが今準備に勤しんでいるのが、鹿島酒蔵ツーリズムです。
3月23日と24日の2日間で、市の人口の3倍以上となる約10万人の来場を見込んでいます。
【日奈子さん】
「当日はツーリズム限定のお酒を出したりとか、いらっしゃった皆様を歓迎する。地域の酒蔵で一緒に作り上げていく一大イベントみたいな感じ」
日本酒の魅力と町の魅力を発信するため、日奈子さんの挑戦が続きます。
【日奈子さん】
「日本の文化として日本酒を誇ってほしいし、日本酒を楽しんでいただきたい。もっともっと地域を活発に、いろんな人がいらっしゃるように、地域の発展へのタッチポイントになっていけたらと思っている」
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