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脱炭素で日本初! エネルギー”100%自給自足”店舗と製麺所が作る"ゼロカーボン麺"【佐賀県】

2024/09/23 (月) 18:53

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今月唐津市にオープンした無印良品唐津店、そして神埼そうめんを製造する神埼市の井上製麺。一見関係がなさそうな両者ですが、今年、どちらも脱炭素の分野で日本初の事例となりました。環境負荷低減への取り組みを取材しました。

唐津市町田にある無印良品唐津店。今月6日に新しくオープンし、木造2000平方メートル以上の店舗として「ZEB(ゼブ)」の最高ランクを日本で初めて取得した店舗です。

【良品計画・堂前宣夫社長】「年間で見たときに晴れている日の比率とかも全部計算すると差し引きゼロ。ソーラーパネル分でエネルギーを買う必要がない。そういったものになっています」

「ZEB(ゼブ)」とは、「NetZeroEnergy(ネットゼロエネルギービル)Building」の略で、建物の省エネ性能を4段階で評価した国土交通省が主導で行っている認証制度で、全国では67軒選ばれています。

無印良品唐津店は4段階あるZEB制度の中で、最高ランクを達成。建物で使うエネルギーを屋上に設置した太陽光パネルと蓄電池で100パーセント補う、エネルギーを自給自足する建物です。この省エネ性能を実現するために導入されているのが、BEMS(ベムス)という管理システム。

【原竹アナウンサー】「店内には5か所CO2センサーが設置されていて、人が多いところなど効率的に空調管理を行っています。」

【住宅開発などを行う MUJIHOUSE・田鎖郁男専務取締役】「これは住宅の技術を応用しているんですが、それ(消費エネルギー)を全てコントロールして。今日も東京で今何ワット発電して何ワット消費しているかっていうことを全てモニタリングしている」

そして、省エネで環境負荷を低減することだけではありません。店内の家具に佐賀県産の木材も多く使うことで木材の安定した需要を周辺地域にもたらし、林業の発展を促すことも目的としています。

【良品計画・堂前宣夫社長】「自然環境を守る、林業までつながる、空間設計、建築というところの両面からさらには外から買うエネルギーをゼロで運営できるそのような形で。かなり力を入れた取り組み担っている」

【原竹アナウンサー】「こちら、環境に優しい建物というだけでなく、地域の防災拠点としても活用されます」

店の外に設置されているベンチは、非常時にかまどとして活用。また、下水管と接続できる簡易トイレもあり、非常時に迅速にトイレが確保できるということです。

【良品計画・堂前宣夫社長】「我々が一歩目を踏み出すことによって社会の人たちほかの方々も同じような取り組みに賛同していただけると産業として育っていくのかなと思います。我々だけでできることは少ないですけれども産業としてつながれる第一歩の刺激になればなと思って取り組んでいます」


【井上製麺・井上義博代表取締役】「我々地元の企業が長年続いてきた要因というのは自然環境がいいところにおいて我々で言えば小麦がとれたとか。そういうものが今後気性が変われば取れなくなってくる心配があるので、じゃあどうしようかと。できるところから少しずつやっていきましょうということで」

山や農業の神を祀った神埼市の仁比山神社。その隣で神埼そうめんを製造する井上製麺で今年7月、日本初のゼロカーボン麺が販売されました。

【井上製麺・井上義博代表取締役】「わが社の中で2年前で大体104トンほどCO2を出していました。そのCO2をゼロにしましょうというのがゼロカーボン」

「神の白糸神めん」シリーズ。日本初のCO2ゼロ麺達成へ井上製麺で取り組んだのは大きく2つ。製造時と森林保護でのCO2の吸収です。

【井上製麺・井上義博代表取締役】「電気をLEDに変えるとか車ですとハイブリッドに変えるとか、なるべくCO2を出さないようにする」

また、麺の原料でもCO2を削減します。これまでの麺では品質が安定しているオーストラリア産の小麦を使っていたため輸送時に多くのCO2を排出していました。

【井上義博代表取締役】「なるべく県内産を使うとか九州産を使うとか地元の小麦、昔でいう地産地消をやっていくということで相対的にCO2排出を減らしていくということを考えている」

そして、製造過程などでどうしても排出されるCO2については、売り上げの一部を仁比山神社や県などの森林の管理費などとして寄付することでその森林が今後吸収するCO2の量と差し引きゼロに。削減と吸収でゼロカーボンを達成した一方、懸念点も。

【井上義博代表取締役】「国内産小麦を使うということはですね。非常に品質のブレというものがありまして変わるんですね毎年の質が。それをしっかりブレンドして一番いいブレンドで出していくということを地道にやっていくということ」

150年以上にわたり神埼の地でそうめん作りの伝統を引継ぎ、新たな挑戦を続ける井上製麺。客と自然への思いとは。

【井上義博代表取締役】「買っていただくお客様もそういうものに強力していただいている形になりますので、ぜひそういうことを進めていただいて一緒に仲間になって自然環境を守ったり地域を守ったり環境を守ったりということを考えていただけるとありがたいと思います」
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