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NUMOが玄海町に現地事務所設置へ 「核のごみ」文献調査で”対話活動の拠点”に【佐賀県】

2025/03/28 (金) 18:40

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高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、去年6月から文献調査が進められている玄海町。この問題への関心が高まることが期待されていましたが、今のところ玄海町に続く自治体は現れていません。一方、調査主体であるNUMOは町に事務所を構えることになり内装工事が進められています。

【脇山伸太郎町長】
「これまでの町議会などの意見や議論、国からの要請を熟考した結果、文献調査を受け入れる決断にいたりました」

玄海町の脇山町長は去年5月、高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、文献調査を受け入れる考えを表明しました。

【脇山伸太郎町長】
「特定の地域だけの問題でないと考えている。玄海町での取り組みが、日本社会にとって欠かせない最終処分事業への関心が高まるのにつながり、国民的議論を喚起する一石となればとの思い」

国内では北海道の寿都町、神恵内村に続き3例目で、原発が立地する自治体としては初めてのケースでした。

【全原協の会長福井県敦賀市・米澤光治市長】
「玄海町が国からの文献調査の申し入れを受諾されました。玄海町および玄海町議会で高レベル放射性廃棄物にかかる課題に向き合い、真摯に議論をされたことに対して心より敬意を表する」

全国の原発や関連施設のある自治体で構成される「全国原子力発電所所在市町村協議会」の米澤会長は去年5月に開かれた総会でこのように述べ、玄海町の決定に敬意を表しました。
しかし、玄海町が手を挙げて以降、これに続く自治体は今のところ現れていません。
「文献調査」は地域のデータや論文をもとに活断層や鉱物資源など、地下環境について机上の調査を行うもので2年ほどかかると見込まれています。
調査主体の原子力発電環境整備機構=NUMOは玄海町に現地事務所を開設することになり、工事が進められています。

【桑鶴記者】
「こちらがNUMOの現地事務所が予定されている建物です。現在のところまだ看板等は設置されておらず開所はもう少し先のようです」

NUMOによりますと、内装工事は3月末までの予定ですが、開所にはまだ時間がかかるとして開所時期は未定だということです。
また、NUMOでは町民と関係団体などが意見交換を行う場を4月上旬に予定していましたが、現在のところ開催については「調整中」としています。
サガテレビが去年10月に実施した世論調査では「文献調査」受け入れに「賛成」と答えた人は33.4%で、「反対」と答えた人の54.4%を大きく下回っています。
NUMOは現地事務所を「対話活動の拠点」として事業についての概要や進捗など広く説明する場として利用していく考えです。

核のごみの最終処分地をめぐっては来年5月、原発や関連施設のある自治体でつくる協議会で最終処分地などの課題を扱う分科会設置について話し合う見通しです。
文献調査受け入れ表明からもうすぐ1年が経過します。避けて通れない課題の議論がいっそう深まることを期待します。
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