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2023.01.29

今後がん患者は増えるかもしれない… 毎年がん検診を受けましょう

今回のテーマは「世界対がんデー」企画 がんの現状を聞く

2月4日は「世界対がんデー」ということで、2週にわたって「がん」について特集していきたいと思います。

今後がん患者は増えるかもしれない…

まず「がん」の現状とはどうなのでしょうか?

佐賀県医療センター好生館・がんセンター北原センター長にお話を聞いてきました。

すると、今後がん患者は増えるかもしれない…というデータが出てきました。

近年のがんの状況は?

北原センター長「1番の問題点は、コロナ禍の騒動です。がん検診を受ける方がかなり減っています」
がん検診受診者の推移(5大がん検診人数)

5大がんと言われている(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん)それらを合わせた、がん検診率をこのグラフに示しています。

特に2020年のグラフは4分の3以下にがん検診数が減っており、2021年は若干盛り返していますが、それでも1割以上の方が今までに比べ、がん検診に行かれていないというのが問題点です。

日本対がん協会報より引用第714号(2022年5月)

がんを見逃すとどうなる?

がんの発育は10~20年にかけて、検診で発見できる1~2cmのサイズに。それを過ぎたら増殖スピードが速くなります。1~2年で次の段階へ進んでしまい、いつの間にか遠くに転移してしまったり、症状も出てきたりと、がんを数年見過ごしてしまうと大きな進行につながってしまいます。

そのためには「年に1回は検診を受ける」が理想的です。

 

コロナ禍の騒動が最高潮の時は、コロナ患者さんがいるかもしれない医療機関に行くのを避けた方が多かった。そのため、一時期は3割近い減少があった。
つまり、その数だけ見逃した年があったわけで、今後がん患者が増える可能性も否定できないのが現状なんです。

がんは発見のタイミング大事! その進行度合いと治療法について

がんの発見状況で治療法は変わる?

がんの治療で一番効率がいいのは「早期発見・早期治療」

早期がんで治療すれば、90%くらいが治るといわれています。

早期の胃がんや大腸がんならば…

内視鏡手術…内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)で患部を見ながら、ワイヤやナイフなどで腫瘍を切除する手術。

重粒子線治療

局所療法の一環として、重粒子線(放射線)をがん細胞だけに照射して除去する。

外科手術になっても、比較的最近は下記のようなものがあり技術が進んでいます。

  • 腹腔鏡手術
    腹部に小さな切開(穴)をして切除する方法
  • ロボット支援下手術
    医療用ロボットで患部を摘出する手術
がんが進行して見つかった場合

切除など局所療法では太刀打ちできません。全身的な抗がん剤などの全身治療をせざるを得ないんです。

最近は普通の抗がん剤治療だけではなく、新しい免疫チェックポイント阻害薬(免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬)や、がんゲノム医療(患者の遺伝子変異を明らかにして治療する方法)というものも発達してきているので、決してあきらめることなく専門の先生に聞いてください。

がんのヘルシーヒント

がんのヘルシーヒント
  • 毎年がん検診を受けましょう

いろいろ紹介しましたが、冒頭のこの一点はハッキリ覚えておいてもらえればと思います! 

次回は「がんの重粒子線治療」にフォーカスします。その施設サガハイマットを取材しました。本当にすごい施設が佐賀にあるんです。ぜひお楽しみに!

【2023年1月25日 かちかちPress いきいきヘルシーヒントより】

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