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2019.12.03

「もう、だめだ」豪雨乗り越え 名物カツ丼復活!

武雄市北方町にある食堂「かみや」。甘辛いタレのカツ丼が人気です。しかし、2019年8月の豪雨で浸水、大きな被害を受けました。「もう、だめだ…。」絶望から立ち上がり、お店が再開するまでの3カ月間を追いました。

食堂「かみや」

武雄市北方町の食堂「かみや」は1964年創業。甘辛いタレが特徴のカツ丼を名物に親子3代で営んできました。
しかし、2019年8月28日。豪雨により店は浸水しました。
店内は泥まみれ。冷蔵庫や調理場の器具は全て使えなくなり、被害総額は3000万円に上ったといいます。
3代目店主の小路丸貴之さんは「店の扉を開けて、厨房覗いてすぐ帰った。とりあえず忘れようと」と、豪雨被災当時を振り返りました。
親子三代ひきついだ秘伝のカツ丼のタレも被害に遭い、すべてダメに。
この日から、再開への長い歩みが始まりました。

豪雨から2週間経った9月11日。貴之さんは物がなくなった厨房の掃除に追われていました。
「片付けが済んで今からが再開に向けてのスタート。まだまだ汚水のにおいがとれない」と話す貴之さん。

一方、カウンター席で広げたのはカタログとノート。厨房機器を決めていました。
「ここの上にはこのサイズが乗っていたな…」と思い出しながら。しかし、冷蔵庫や作業台の細かい寸法までは思い出せず、少し不安を抱えながらペンを走らせました。

豪雨から2カ月後。注文していた厨房機器が店に届きました。
ようやくカツ丼を作る環境が整ったこの日、貴之さんは店の再開を1カ月後にすることを決めました。
「再開して初日がどうなるか想像もつかない。みなさんメインはカツ丼だと思うので、以前と変わらぬ味を早急に作れるように頑張りたい」と話してくれました。

そして2019年11月25日、再開の日がやってきました。

テーブルやいす、壁紙などほぼ全てが新しくなった店内には、創業者で貴之さんの祖母・きくえさんの姿も。

母・初恵さんは「楽しみが大きい。体がもったらいいけど」と再開前の心境を語ります。
貴之さんは「店が回せるかどうか。もう3カ月していないから感覚が不安」と話しました。

11時の開店に向け、着々と準備を進めます。
もちろん秘伝のタレも復活。早速貴之さんはカツ丼を試作しました。
試食する貴之さんは3カ月ぶりに作った味に納得した様子ですが、創業者・きくえさんの評価は…?
「グーです。」

創業者の評価を得て、午前11時いよいよ開店です。

開店から20分で店内は満席に。常連客を中心に、久しぶりの名物・カツ丼をほおばります。
「久しぶりの味。最高。待ちに待ってました」
「甘辛いタレが好き。いつオープンするんだろうと待っていた」
「おいしい。長く待っていた分うまか」
久しぶりの味にみんな笑顔です。

貴之さんは「本当もうおかげさまで、うれしい。常連さんを含めてみんな家族みたいな付き合いをしてくれる。」とお客さんへの感謝の気持ちを口にし「とにかく長く続ける。それだけ」と今後の目標を話しました。

豪雨を乗り越え、名物のカツ丼と客の笑顔が戻った「かみや」。止まっていた時間が再び動き出しました。


お食事処 かみや

住所:武雄市北方町志久96-6
営業時間:11時~15時、17時~20時
電話番号:0954-36-2915
URL:https://www.facebook.com/kamiya1978/

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