2007年5月
番組審議会だより(2007年5月)
期日
平成19年5月10日
出席委員
新井委員長 今泉委員 佐藤委員 武富委員 富吉委員 藤井委員 宮崎委員 水上委員
欠席委員
大原副委員長 横尾委員
審議番組
- 番組名称 ドキュメント発見伝『左手一本~情熱の版画家~』
- 放送日時 2007年2月25日(日)24:15~25:10放送
議事概要
サガテレビでは、このほど第434回番組審議会を開き上記番組の審議を行いました。
<番組概要>
脊振山系の麓にある佐賀県・佐賀市三瀬村。 四季折々の自然が楽しめる環境の中にアトリエをかまえる版画家・佐保正氣さん、51歳。24歳の頃に腎臓を患い、週3回の人工透析を受けながら数多くの作品を生み出してきました。作品は、 力強い直線と柔らかい色づきが印象的です。数年前にはさらに、病気が原因で右半身が麻痺状態に。 母親の手を借りながら左手一本で版画を作り続けましたが、その頼みの母親も4年前亡くなってしまい ます。 「でも、やっぱり版画は続けたい…」 一人での制作を開始した佐保さん。これを機に自分だけのオリジナリティあふれる作品を作ろうと、作風を変え始めました。そして徐々にですがその作品も評価され始めています。 不自由な体に鞭打ちながら、独自の創作活動を続ける佐保正氣さんの版画への熱い想いに迫ります。
委員の意見概要
委員からは次のような意見が出されました。
- タイトルから、ハンディキャップを全面に出した人の番組をイメージしていたが、全くそうではなかった。制作者の人間描写の真面目さ、佐保さんの気取りのない人間性の強さが出ていて、共感できる内容 だった。
- 佐保さんの飾りのない語りと、工房で制作中の目つきの鋭さは、同一人物とは思えないほどだった、映像の凄さを感じた。
- 佐保さんが、自らを版画で表現した“三瀬の犬”のシーンからラストにつながる構成は素晴らしかった。
- 障害を、淡々と表現したのは良かった。
- 場面の移り変わりが少なかったのに、見ている方は飽きなかった、文句のつけようのない番組だった。
- 起承転結をしっかり捉えた構成で、最後のシンプルな言葉がよかった。(もっともっと 画が・・・ すこしづつ すこしづつでも進歩したい)
- 作品の枚数が多すぎた、素顔の佐保さんをもっと見たかった。
- 淡々と静かに流れ、退屈せず筋の通った番組、久々のヒット作。深夜に放送するのは勿体ない、昼間の時間帯で放送して欲しかった。
- 物づくりをする人の喜怒哀楽まで掘り下げた取材をされており、凄いと思った。
- 映像でしか表現できない作家の表情、仕事場の空気がそのまま伝わり、 映像の醍醐味が発揮された作品だった。
- BGMについて、作家の状態と作品だけで伝わるのに、あえて音楽で変化をつける必要のない場面がいくつかあった。 (右手の作品から左手の作品に移る時など)
- 佐保さんが病気の為、右手から左手に持ち替えたことを番組の前段に出した方がよかった。(どうして左手一本か最初、疑問だった)
- 素材の良さ・作り方の良さ・努力・が重なり合うと、完成度の高い作品ができるものだと分かった。 素材に出会ってから4年間をかけ、ジャーナリストとしてキチンと仕事をされたと感心している。
- 佐保さんは天賦の才能を持った人、作品を通じてメッセージを伝える生き方に共感を覚える。番組に 出てきた支援者のきもちが良く理解できる。よくこういう凄い人を探されたと感心した。
- ハンディキャップをもった人を表現する時、強者・弱者で考えてしまうが、これを突き崩すほどの内容 だった。それを考えるとタイトルのネーミングが惜しい、芸術性をタイトルにもってくればよかった。
という意見が出ました。
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