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新幹線・長崎ルートの光と影④ 与党キーマンに単独インタビュー
その気になれば佐賀県の負担ほぼゼロに⁉
フル規格をめぐり問題となっている佐賀県の負担増。
与党は、フル規格整備となった場合の負担軽減策を本格的に検討していく方針です。
サガテレビは、その与党のキーマンに単独インタビュー。
「その気になれば佐賀県の負担をほぼゼロにもできる」との発言も。
その真意とは。
与党キーマンに単独インタビュー
自民党の山本幸三衆議院議員。
鹿児島本線などの在来線と山陽新幹線が乗り入れる小倉を地盤とする政治家で、経済財政政策に長けるベテラン議員。与党整備新幹線プロジェクトチーム・長崎ルート検討委員会の委員長を務めています。
Q、新幹線政策とはそもそもどういうものでしょうか?
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「国の交通体系の中の重要な要素を占める、極めて基本的なインフラだと思います。したがってこれは、全国的にルートを張り巡らして、全国民が享受できる、そういうものでなければ意味が無いと思っています」
フル規格めぐり国交省と佐賀県の議論は平行線
与党検討委員会は去年(2019年)8月、新鳥栖-武雄温泉間について、「フル規格整備が適当」とする方針を決めていました。
フル規格に反対する佐賀県は、今年6月から国交省との協議を始めましたが、議論は平行線が続いています。
山口知事vs山本衆議院議員
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「きわめて停滞していて、残念なことだと思います。私は去年1月に知事のところに一人で行って、そして知事に直接、『フリーゲージが出来なくなったので申し訳ない』と『ミニかフルで考えてもらうしかないので、ひとつよろしく』ということを直接伝えて、知事は『そういう話ですか』と」
「山口知事は、フル前提には議論できないと、今ごろ言っていると、言うんですが、これは政治家としては大変残念な姿じゃないかと思いますね」
「大変無責任だし主体性が無いと言わざるを得ないと思っています」
「佐賀県の負担軽減を考えようじゃないか」
与党検討委員会は11月20日、新鳥栖-武雄温泉間をフル規格で整備する場合の佐賀県の建設費の負担について、軽減する方策を検討し試算していくことを明らかにしました。
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「フリーゲージがダメになったということを含めれば、やっぱりそれは国にもある程度の責任があるのだから、どれだけ佐賀県の負担を軽減できるかを考えようじゃないかと」
具体的な軽減策は?
国交省は、フル規格整備の場合の建設費を総額6200億円とし、そのうち佐賀県の負担を660億円程度とする試算を示しています。
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「JR九州の貸付料というのがあるが、今30年で見ているわけです。これを50年なり60年に延ばせば、その分だけ貸付料が入ってきます。これはJR九州にある程度その負担を覚悟してもらなきゃいけないので、JR九州の納得が要りますけど、これが一つ」
「地方交付税の考え方で、その地方の財政状況について、50%から70%まで出来るという幅があるんですね。できれば70%ギリギリまでできないか、工夫が出来るかどうかと。これは総務省と相当やり合わなければいけないが、その辺の可能性を探ってみようというのがあります」
建設費の総額から差し引かれるJRからの貸付料、または国からの地方交付税を拡大するという、2つの方策。国交省の試算の計算式に単純に当てはめると、佐賀県の負担額は、450億円や350億円程度という数字も出てきます。
与党キーマンの山本衆議院議員は・・・
Q、佐賀県の負担額はどれくらいの数字までか、念頭にありますか?
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「そんなものは無いよ。それは佐賀県の情熱次第だろ」
「本気になれば負担ほぼゼロでもできますよ」
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「これは私一人の私案なんですが、本当にお金を出したくないんだったらタダでもできますよ」
「地方分のところを、民間資金を使ってやれば、ほぼゼロに近いこともできます。実はその民間の資金を『出してもいい』というところも私は見つけてある。投資してもいいと」
「しかしそのためには佐賀県が本気になって、特別目的会社を作ってそこにお金を出してもらうとかそういうことも仕組まなきゃいけないので、県が本気にならないとできないんだけど、その気になればできますよ」
山本氏は、来年通常国会が始まる頃から省庁とやりとりしながら与党内で本格的に軽減策を議論していくと話しました。
佐賀県の山口知事は「巨額な上振れ」を懸念
【佐賀県 山口知事・12月2日県議会】
「新幹線の事業費は先行きが見通せず、どうなるのかも予見できないものでして、新鳥栖-武雄温泉間も、少なくとも1千億単位で巨額な上振れをする蓋然性が高い」
北陸新幹線では、先月、トンネルの地盤でひび割れが見つかるなどして、金沢-敦賀間の建設費が約2600億円増えました。試算の元となる建設費自体の上振れも懸念されます。
山本衆議院議員「無茶に膨れ上がることはない」
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「たしかにこれまで時間を置けば置くほど想定外の費用がかかって増えたのもありますが、新鳥栖-武雄の間はそんなにめちゃくちゃな山岳地帯を通るわけじゃないし、平坦なところであるので、それほど僕は無茶に膨れ上がるような話ではないと思いますけどね」
並行在来線の懸念について
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「佐賀県の懸念は妥当と思うし、従来の並行在来線の議論とはちょっと違うと思うんですね。JRもフルでやりたいんだったら並行在来線で最大限の考慮をしなきゃできないよと。早くどれだけできるんだというのを詰めろと言っていますけどね」
Q佐賀県民にどのように伝えたいか?
【自民党・山本幸三衆議院議員】
「これまでのいろんな経緯から見て佐賀県内で反対意見もあったというのはよく分かりますし、そういう反論もあるんだろうなと思います。ただ、長い目で見て、佐賀県の振興なり地方創生をどう考えるか。どうしたってやっぱり全国につながるフルの新幹線ルートが無いと、将来性はあり得ないんじゃないかと思うので。そこはよく考えてもらいたいなと。そのためには我々はその負担をどれだけ軽減できるかについては真剣に考えたいと思うので」
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