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2021.01.29

佐賀県初の「防災ヘリ」 大規模災害に備え3月始動

佐賀県初の防災ヘリ「かちどき」

大規模災害に備え、佐賀県が初めて防災ヘリコプターを導入。

佐賀空港の東側を拠点として3月末から運用を開始します。

先日、機体が公開され、佐賀県の空の守り神として任務を果たすべく、1月から訓練が始まりました。

1月21日。佐賀空港付近を飛行していたのは、佐賀県が導入した防災ヘリ。

愛称は、県鳥のカチガラスにちなんで『かちどき』

機体番号は、「いちごさん」にちなんでJA153Lと付けられました。

多発する大規模災害に対応

県内には、ドクターヘリは佐賀大学医学部附属病院に1機ありますが、引き上げ救助や消火活動、情報収集業務も行える防災ヘリは初めてです。

【佐賀県防災航空センター宮地誠所長】

ここ近年の大災害というのが毎年発生する状況においては、やはり迅速に情報収集する、救助活動するという意味では、ヘリコプターに勝るものは無いということでの必要性からだったと認識しています」

川崎重工などが開発した機体は、最高速度が時速266キロ。航続時間は3時間50分で航続距離は740キロメートル。搭乗定員は11人です。14億円余りの購入費のうち約7割は国から補助を受けました。

県内大半を15分、離島も20分以内でカバー

出動から到着まで、玄海原発も含む県内の大半が15分程度、唐津の離島も20分以内でカバーできる見込みです。

後ろ側は観音開きになり、救急患者も収容しやすくなっている他、防災ヘリとして様々な機能を備えています。

映像伝送装置も搭載

右のステップ前についているのが「ヘリテレ」、ヘリコプターテレビ伝送装置。カメラで撮影して県庁まで音声・映像を伝送することができます。

ヘリから撮影した映像は、県庁や市役所、町役場に生中継で届けることができ、孤立者などを引き上げる救助活動、空中からの消火活動もできます。

防災ヘリの必要性は、国内で災害が多発するにつれて県内でも活発に議論されるようになりました。

そして2017年2月に、県と20市町で防災ヘリを導入することに合意。

その後、おととし(2019年)8月の佐賀豪雨では、熊本県に防災ヘリの応援を要請することになり、そこから県内の被害状況を把握することができました。

県防災航空隊が発足、訓練開始

防災ヘリで活動する県防災航空隊は、去年(2020年)4月に発足。それ以降、他県の防災航空隊など10カ所に出向いて訓練を重ねてきました。

そして1月12日から、実際に『かちどき』を使っての訓練を始めました。

エンジン音や強風で声が通らないため、コミュニケーションは手信号などで行います。

防災航空隊は、県内の各消防本部から選抜された9人と、航空運送会社「SGC佐賀航空」の操縦士や整備士ら5人です。

【県防災航空隊・脇山尚隊長】

「活動班の隊員9人は各消防本部から派遣された隊員、運航班については委託されたところからの派遣ということで、コミュニケーションをよく取りながらチームワークを大事にやっていきたいと思います」

大地震、他県からの応援も想定した備え

拠点となるのは、佐賀空港の東側に整備された県防災航空センター。

格納庫のシャッターは、大地震でも変形しないよう柔軟性のある特殊素材で作られ、整備された駐機場は、約3ヘクタール、ヘリ22機を収容できます。他県などから多数の応援ヘリも必要となる〝大規模災害〟を想定した備えです。

【県防災航空センター宮地誠所長】

「ヘリを運用調整を図らなければいけない、そういうスキルがいまひとつ佐賀県では少なかったと。そういう必要性もあってヘリの導入に踏み切ったということです」

【県防災航空隊・脇山尚隊長】

「県民の皆様に寄り添う気持ちを忘れず、隊員一丸となってコミュニケーションを図りながら取り組んでいきたいと思います」

隊のエンブレムには、7つの星で表された唐津の離島も含めて、県土全体をカチガラスのように見守っていくという意味が込められました。

3月28日から運用スタート

九州内の近県では、年間50件から100件ほどの出動があるという防災ヘリ。

防災航空隊と『かちどき』は、今後、山岳救助訓練、唐津の離島への投入訓練、病院のヘリポートへの離着陸訓練などを行い、3月28日から、県民の命を守る任務をスタートします。

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