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九州新幹線問題 JR九州青柳社長に聞く

2020/03/09 (月) 18:00

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九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化を求める国や長崎県、JR九州に対し、佐賀県は財政面などから強く反対しています。この問題について、JR九州の青柳社長がサガテレビの単独インタビューに応じました。なぜフル規格を望むのか、並行在来線をどうするのか、JR側の考えとは。

リポート:「九州新幹線のターミナル駅、博多駅です。長崎ルートの問題についてどう考えるのか、営業主体となるJR九州のトップに話を聞きます」
JR九州の青柳俊彦社長。新鳥栖-武雄温泉間を含む長崎ルートの全線フル規格での整備を主張しています。

JR九州 青柳俊彦社長:「もともと新幹線構想というのは日本の新幹線を高速鉄道ネットワークで結んでいこうというのがそもそもの目的であるので、やはりフル規格で整備するというのが基本だと思う」

2022年度の暫定開業から、武雄温泉駅で対面乗り換えが必要なリレー方式になりますが、青柳社長は、利用客にとって乗り換えが必要になる不便とともに、事業者としても、経営上の難点が生じると言います。

JR九州 青柳俊彦社長:「鹿児島ルートの260キロ、東海道新幹線の500キロとほぼ同じような仕組みを60キロという短い距離にも用意しないといけない。そういう意味で、初期投資から運行していくための維持費が非常に高くつくわけです、キロ当たりで。JR九州グループそのものの経営の根幹にかかわる問題になるかもしれない」

一方、フル規格については、鹿児島ルートを引き合いに出して効果を強調します。
JR九州 青柳俊彦社長:「800人近い人が毎日熊本から博多に通われている」「(鹿児島ルート全体で)3500人くらいが新幹線定期で通勤通学に使われている」

フル規格新幹線なら佐賀県内から博多方面への有効な通勤手段になると話します。佐賀ー博多間と同程度の距離と考えられる博多-筑後船小屋駅間の新幹線定期券はひと月あたり5万7千円ほどです。
「佐賀の場合は、今たくさんの通勤通学の人、ご利用いただいています。もうこれ以上便利じゃなくていいと知事さんはおっしゃるんですが新幹線が出来上がると、急ぐ時には新幹線に乗ろうと。その時の余りの快適さに、ついつい新幹線に乗るというのがあります」

しかし、並行在来線がどうなるのかが県民にとって大きな問題になります。
Q:「長崎本線の特急、快速、普通列車の本数、料金と言ったところはどうなるのか?そういった具体的なところが結局分からないことには、佐賀県民としてはフル規格でいいのかどうかといったところが判断できないのではないか?」
JR九州 青柳俊彦社長:「全部明確にならないと判断できないということではなく、新幹線を佐賀県としてまたは九州として必要なものとしてみんなで作ろうという思いを持つかどうかだと思う。それを作った時に他のやつをどう最適化していくかというのが我々が考えるべきことだと思っているので。すべて見えないと判断できないというのは私はそれは間違いだと思いますけどね」
Q:「フル規格に向けてという話で言うと、佐賀県、佐賀県庁が了解、うんと同意しないと進まないと思うが、その同意の前段階でそういう在来線のプランを示すのかどうかというのは」
JR九州 青柳俊彦社長:「いや、その予定はありません」
全国の整備新幹線では、並行在来線はJRから経営分離されるのが原則であるため、並行在来線の運行の詳細についてJR九州から提示するのは難しい立場にあるとしています。

JR九州 青柳俊彦社長:「整備新幹線の基本は分離ですが、JR九州は地元との開業までの対話の中でどうやって行くかというのを議論してきたので。まああの、どうするというのはまだ決めていません」

フル規格に強く反対する佐賀県の山口知事は、先月末、スーパー特急やフリーゲージトレインなどこれまでに県が同意している方式で先行整備した後にフル規格について議論するのは可能だという考えを示しました。
JR九州 青柳俊彦社長:「でももう数千億、1兆円近い金を西九州ルートに投入して、これを今の整備をやって効果を見ていくというと、これは20年30年経つわけです」「私は今こそどの方式にするか。ぜひ早期の方針決定がなされることをお願いしたいと思う」
暫定開業に向けてフル規格方式で工事が進む武雄温泉駅から長崎駅の区間。長崎駅では新幹線開業にあわせ、新駅ビルが建設されています。

インタビューの最後に、佐賀県内の駅とその周辺の開発について聞きました。
JR九州 青柳俊彦社長:「なかなかこちらから投資をしたくなるような環境にないのではないかと思っている」「これが例えば新幹線の駅ができるとか、それに合わせて駅広の整備や再開発をやろうというような動き、または夢がそこに描かれるようになれば我々としても駅ビルを作っていこうというようなことをやっていけるのではないか」「私も実は佐賀ルーツの男ですので。両親とも佐賀出身だし、鳥栖で生まれたし私は佐賀大好き人間なんです」「ぜひ佐賀がこういう街になろうという思いを描くことでいろんな投資が入ってくるのではと思う。その中の一部も我々が担ってやれればと思う」
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