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水害きっかけに新商品!規格外の農産物で商品開発するショウガ農家【佐賀県】

2022/10/18 (火) 18:50

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毎週火曜日は災害企画をお伝えしています。2021年8月の大雨による県内の農畜産物の被害額は33億3000万円にのぼります。

大雨の影響で半分が規格外となった佐賀市のショウガ農家。その規格外を逆手に取り冠水被害を乗り越えようと奮闘しています。
10月12日。佐賀市内で生産から加工、販売までを行ういわゆる6次産業で生まれた優れた商品を市が認定する制度「いいモノさがし」の認定式が開かれました。

【西原幸一さん】
「うれしいの一言。やっとここまで来たなと、ある意味達成感がありますね」

佐賀市のショウガ農家西原幸一さんと、由美子さん夫妻。2人が農業の6次化に挑戦したきっかけは大雨による冠水被害でした。
大雨特別警報が発表された2021年8月の豪雨。佐賀平野に広がる約10アールの畑は4日間にわたって水に浸かりました。

【西原幸一さん】
「水はここまで来ていました」「少し葉っぱが見える程度そのくらいまで水に浸かってね、だいたい3日以上水に浸かったままだと“全滅する”その時は茫然としていた」

水が引いた後、浸かったショウガはほとんど枯れてしまい収量は全体の3分の1まで激減。
あれから1年余り経ち、再び収穫の時期を迎えている西原さん。2022年は順調かと思いきや、畑には“大雨の爪痕”が残っていました。

成長が止まってしまったショウガの葉。実際に抜いてみると…

【西原幸一さん】
「こんな感じで…小さすぎてこれだと店に出したら200円くらいにしかならない、ぐらいすったいね(がっかりする)」

冠水の影響で土壌に含まれる養分が流れ、収穫したショウガのうち半分は規格外で出荷できないといいます。そこで西原さんが考えた新たな一手は農業の6次化です。

【西原幸一さん】
「付加価値をつけたらいいんじゃないかという発想の転換。そしたら通常と同じように収益が上がるだろうということで“加工”に力を入れたと」

クラウドファンディングで製作資金約50万円を調達し、2022年本格的に販売を始めた「蒸し生姜シロップ」。
ショウガの香りとピリッとした感じがアクセントとなり、お湯割りやホットミルクなどでこの冬持ってこいの味に。使われているのは2021年と2022年収穫した規格外のショウガです。

【西原幸一さん】
「ショウガ(の出荷)だけだと来年の種ショウガ代とかちょっとした資材で終わっちゃって収益は無いんじゃないかなと、でもショウガができるとこういった商品ができるので二刀流でやるしかない」

本格的な販売はこれからで、売り上げの予想も未知数ですが、妻の由美子さんも少しづつ活路を見出すことができ胸をなでおろしています。

【西原由美子さん】
「やっとショウガの商品ができたなと…商店とかお店にも出せるなと」

商品の質やパッケージのデザインなどが高く評価され、市の6次産業化特産品の認定にこぎつけた西原さん。市によるPRや販路拡大にも期待を寄せています。

【西原由美子さん】
「これから皆さんに買ってもらわないといけない。こういう場をお借りして皆さんに知ってもらって飲んでもらいたい」

【西原幸一さん】
「残ったものでどういったものが作っていけるかとチャレンジする意欲が改めて生まれてくる。非常にありがたい。水害と共に生きていくために」

西原さんの挑戦は始まったばかりです。

この商品は税抜き1500円、佐賀市のさが風土館季楽やCOMBOXなどで販売されています。被害にあった農家さんへの支援にもつながればいいなと思います。
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