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記録的な不作に苦しんだノリ漁業者 日本一奪還めざし来季に期待【佐賀県】
2023/04/06 (木) 18:40
19年連続日本一を誇っていた佐賀県産の養殖ノリは3月31日に生産を終えました。天候などに左右され、記録的な不作に苦しんだ今シーズンですが漁業者は来シーズンに期待をかけます。
【鮨さもん 志岐幸治さん】
「佐賀海苔は色・つや・厚みどれをとっても最高。今まで当たり前のことだった、良いノリが手に入ることが。こういうことがあると想定していなかった」
佐賀市川副町の戸ヶ里漁港。4月に入り、役目を終えたノリ網の支柱が撤去されていました。
【漁業者】
「(今シーズンは)大変だった。頑張った。皆さん頑張った」
「漁場によっては色落ちした。(大変なのは)みんな一緒」
2022年10月に解禁された今シーズンの養殖ノリ。販売枚数・販売額ともに20年連続の日本一を目指し走り出しました。しかし…
【ノリ漁業者 徳永義昭さん】
「最悪。43年間ノリ(養殖)をして一番の最悪」
【田中良宜記者】
「あちらのノリも色落ちが相当ひどい様子が見受けられます。あたり一面のノリが黄色く見えます」
雨が少なかったことやプランクトンの増殖などにより有明海全域で栄養塩が不足し、ノリの質が低下する色落ちが広い範囲で確認されました。すでにシーズン前半の秋芽網ノリは、販売枚数、販売額ともに昨シーズンの半分程度になっていて漁業者から不安の声があがりました。
【ノリ漁業者 田中志昌さん】
「(張り込んで)たった3日くらいしか経っていないのに一瞬で黄色くなって、どうにもされない」
なかでも西南部の大浦支所は今シーズン一度も入札会へ出品することができませんでした。5人の漁業者のなかには廃業を決めた人もいるといいます。
深刻な状況を受け県は色落ち被害を軽減させる緊急対策に乗り出すことに。注目したのは二枚貝のカキ。県内の漁場全域でプランクトンを捕食するカキを水中につるし、少ない栄養塩をノリに吸収させる方法です。
県の追跡調査でカキがある程度成長したことから、県は、一定程度の効果があったのではないかとしています。漁業者からは集中的にカキをつるしたところはノリの色付きがよかったという声もありました。
一方で、今後も影響が続くと見られているのがその価格です。シーズン後半色落ち被害は徐々に回復したものの、品薄を背景に2月の入札会では平均単価は平年の2倍ほどに跳ね上がりました。
【サン海苔 松尾修社長】
「昨年の同時期から比べたら3~4割は在庫量が減っている、少ない状況。空いている状態が寂しい」
佐賀市にあるノリの専門商社「サン海苔」商品のほとんどが県産のノリを使用しています。
【サン海苔 松尾修社長】
「こんなに(スペース)空いているときはない。特に3月4月の時期にこういう状況なのはない、ありえない。(入札会は)みなさん奪い合う状態で買ったので、その分値段が高騰して、本当に大変だった。ギリギリの線で値上げも考えているので、値上げすることによってノリの消費が落ち込まないかが心配」
国内のノリ主要メーカーは6月1日に出荷する分から一斉に小売価格の改定を決め、10%から40%ほどの値上げを予定しています。
【サン海苔 松尾修社長】
「生産者にとってもらわないと、私たちも商いができないので、ぜひ来年は豊作でおいしいノリをまたとっていただきたい」
ノリの生産地は宮城県や千葉県などの「東日本ブロック」兵庫県や岡山県など瀬戸内海に面する「瀬戸内ブロック」そして、有明海に面する佐賀県や福岡県といった「九州ブロック」の3つに分けられます。
今シーズン九州以外の産地は枚数・質ともに平年並みで、佐賀県は兵庫県に届かず20年連続日本一は叶いませんでした。
これまでの販売枚数は目標の半分ほどの約9億800万枚、販売額は約167億8600万円で、「大凶作」といわれた2000年(平成12年)と同様(約9億9000万枚)深刻な状態となりました。
2015年の開店当初から佐賀海苔を使い続けているという佐賀市の飲食店では。
【鮨さもん 志岐幸治さん】
「確かに不安だった。ノリ命だから、必ずいるから。(1月に)ノリ屋から電話がかかってきて?良いノリが入った″と言われ、ちょっと安心した」
色や香り、つやはもちろん硬すぎず柔らかすぎない佐賀海苔が一番あうといいます。
【鮨さもん 志岐幸治さん】
「地元の人は必ず佐賀海苔を食べる。欠かせないもの。今まで19年連続日本一だったし、来年に期待したい」
打つ手がない天候や赤潮などに左右され、記録的な不作に苦しんだ今シーズン。ただその分漁業者は来シーズンに期待をかけます。
【漁業者】
「(今シーズンは)大変だった。しょうがない、自然相手なので。来年は頑張って挽回したい」
「漁場によっては色落ちした。漁場が戻れば(日本一を)また奪還できるんじゃ。(来年は)今まで以上に頑張るしかない」
県有明海漁協は来シーズンに向け二枚貝を増殖させたり海底を耕うんしたりして、漁場の改善につなげていきたいとしています。
【鮨さもん 志岐幸治さん】
「佐賀海苔は色・つや・厚みどれをとっても最高。今まで当たり前のことだった、良いノリが手に入ることが。こういうことがあると想定していなかった」
佐賀市川副町の戸ヶ里漁港。4月に入り、役目を終えたノリ網の支柱が撤去されていました。
【漁業者】
「(今シーズンは)大変だった。頑張った。皆さん頑張った」
「漁場によっては色落ちした。(大変なのは)みんな一緒」
2022年10月に解禁された今シーズンの養殖ノリ。販売枚数・販売額ともに20年連続の日本一を目指し走り出しました。しかし…
【ノリ漁業者 徳永義昭さん】
「最悪。43年間ノリ(養殖)をして一番の最悪」
【田中良宜記者】
「あちらのノリも色落ちが相当ひどい様子が見受けられます。あたり一面のノリが黄色く見えます」
雨が少なかったことやプランクトンの増殖などにより有明海全域で栄養塩が不足し、ノリの質が低下する色落ちが広い範囲で確認されました。すでにシーズン前半の秋芽網ノリは、販売枚数、販売額ともに昨シーズンの半分程度になっていて漁業者から不安の声があがりました。
【ノリ漁業者 田中志昌さん】
「(張り込んで)たった3日くらいしか経っていないのに一瞬で黄色くなって、どうにもされない」
なかでも西南部の大浦支所は今シーズン一度も入札会へ出品することができませんでした。5人の漁業者のなかには廃業を決めた人もいるといいます。
深刻な状況を受け県は色落ち被害を軽減させる緊急対策に乗り出すことに。注目したのは二枚貝のカキ。県内の漁場全域でプランクトンを捕食するカキを水中につるし、少ない栄養塩をノリに吸収させる方法です。
県の追跡調査でカキがある程度成長したことから、県は、一定程度の効果があったのではないかとしています。漁業者からは集中的にカキをつるしたところはノリの色付きがよかったという声もありました。
一方で、今後も影響が続くと見られているのがその価格です。シーズン後半色落ち被害は徐々に回復したものの、品薄を背景に2月の入札会では平均単価は平年の2倍ほどに跳ね上がりました。
【サン海苔 松尾修社長】
「昨年の同時期から比べたら3~4割は在庫量が減っている、少ない状況。空いている状態が寂しい」
佐賀市にあるノリの専門商社「サン海苔」商品のほとんどが県産のノリを使用しています。
【サン海苔 松尾修社長】
「こんなに(スペース)空いているときはない。特に3月4月の時期にこういう状況なのはない、ありえない。(入札会は)みなさん奪い合う状態で買ったので、その分値段が高騰して、本当に大変だった。ギリギリの線で値上げも考えているので、値上げすることによってノリの消費が落ち込まないかが心配」
国内のノリ主要メーカーは6月1日に出荷する分から一斉に小売価格の改定を決め、10%から40%ほどの値上げを予定しています。
【サン海苔 松尾修社長】
「生産者にとってもらわないと、私たちも商いができないので、ぜひ来年は豊作でおいしいノリをまたとっていただきたい」
ノリの生産地は宮城県や千葉県などの「東日本ブロック」兵庫県や岡山県など瀬戸内海に面する「瀬戸内ブロック」そして、有明海に面する佐賀県や福岡県といった「九州ブロック」の3つに分けられます。
今シーズン九州以外の産地は枚数・質ともに平年並みで、佐賀県は兵庫県に届かず20年連続日本一は叶いませんでした。
これまでの販売枚数は目標の半分ほどの約9億800万枚、販売額は約167億8600万円で、「大凶作」といわれた2000年(平成12年)と同様(約9億9000万枚)深刻な状態となりました。
2015年の開店当初から佐賀海苔を使い続けているという佐賀市の飲食店では。
【鮨さもん 志岐幸治さん】
「確かに不安だった。ノリ命だから、必ずいるから。(1月に)ノリ屋から電話がかかってきて?良いノリが入った″と言われ、ちょっと安心した」
色や香り、つやはもちろん硬すぎず柔らかすぎない佐賀海苔が一番あうといいます。
【鮨さもん 志岐幸治さん】
「地元の人は必ず佐賀海苔を食べる。欠かせないもの。今まで19年連続日本一だったし、来年に期待したい」
打つ手がない天候や赤潮などに左右され、記録的な不作に苦しんだ今シーズン。ただその分漁業者は来シーズンに期待をかけます。
【漁業者】
「(今シーズンは)大変だった。しょうがない、自然相手なので。来年は頑張って挽回したい」
「漁場によっては色落ちした。漁場が戻れば(日本一を)また奪還できるんじゃ。(来年は)今まで以上に頑張るしかない」
県有明海漁協は来シーズンに向け二枚貝を増殖させたり海底を耕うんしたりして、漁場の改善につなげていきたいとしています。
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