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タクシー・バス・トラック運転士不足 法改正でより深刻化の懸念も決定的打開策ない現状【佐賀県】
2023/09/07 (木) 18:40
県内の様々なことを調査するサガリサーチα。今回はバスやトラックなどの運転士不足について。この問題は労働時間を制限する来年4月の法改正でさらに深刻化するとみられています。いわゆる“2024年問題”です。佐賀市営バスを運行する佐賀市交通局の人手不足対策を取材しました。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「雇用(する)側からすればかなり厳しい状況になりまして、今以上に運転士の方は不足していくと考えております」
公共交通機関として地域に欠かせない存在のバス。その運転士の不足が全国的な課題となっています。そして、来年4月の法改正では、運転士の時間外労働の上限が制限されることになっていて、さらなる人手不足の深刻化が懸念されています。
九州運輸局によりますと、バス運転士の賃金は男性で月約28万5千円と全産業の平均37万円と比べると低い傾向。
一方で平均年齢は高くなっていて、運転に必要な免許を保有している県内の約1万人のうち、50代以上の割合が9割を超えています。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「ローテーションで朝早い勤務や夜遅い勤務を回しているような状況になっておりますので、働く側からしてみれば不規則な勤務になっているのも、なり手不足の一因かと思っております」
佐賀市営バスを運行する佐賀市交通局も運転士の不足に頭を悩ませます。通年で募集しているものの、応募者は少なく、慢性的に不足している状況だといいます。
なり手不足に加えて、佐賀市営バスの運転士の平均年齢は53歳。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「今後のことを考えると高齢化が進んでいくような状況になりますので、若い人たちにバスの運転士になっていただくっていうところを目指しております」
若返りを図ろうと支援制度も取り入れています。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「大型二種免許を取得する自動車学校での費用相当分をですね(佐賀市)交通局の方で負担するような制度となっております」
普通運転免許をもっている人がバスの運転に必要な大型二種免許を取るのにかかる費用は約50万円。大型二種免許のない人でも運転士になれるよう、その費用を交通局が負担しているということです。同じような支援は祐徳バスや昭和バスでも行われています。
この支援制度を使って大型二種免許を取得した石川静樹さん30歳。千葉県出身の石川さんは東京の人材派遣会社で5年ほど働いていましたが、2年前に佐賀市交通局に転職しました。
【佐賀市交通局 石川静樹さん】
「妻の実家が佐賀県佐賀市にありまして、妻の佐賀に戻りたいという気持ちを尊重してですね自分も(東京の)仕事を辞めて佐賀に来て、小さいときからバスの運転手になりたいという気持ちが心の中にあってですね」
家庭の事情と昔からの憧れで運転士になった石川さん。職場の環境は良いと話します。
【佐賀市交通局 石川静樹さん】
「先輩方も気さくに話しかけてくださったりとかですね、本当に仕事の時は真剣にお客さまの命を預かっているので目的地までしっかりとお届けして、オンとオフを切り替えて楽しく仕事させていただいてます」
支援制度のほかにも、佐賀市営バスは、今年5月から車両の前面などに取り付けられた「行先表示器」に、「運転士募集」と表示して走らせています。客を乗せていない回送中のバスが対象で、前面や側面などで運転手の募集を呼びかけています。
また、民間も含めた県内のバス事業者で行う求職者への合同説明会にも積極的に参加しているということです。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「公共交通機関として今の路線を維持することは大切なことだと考えておりますが、それ自体がちょっと見直さなければならないような状況にもなりかねないっていうところで人材の確保、運転士の確保は非常に重要なことだと思っております」
都市経済学や交通について詳しい佐賀大学の亀山嘉大教授は人手不足を解消する難しさをこう話します。
【佐賀大学 経済学部亀山嘉大 教授】
「高齢化が進んでいる中で若手が入ってこない、入ってこないっていうのはひとつやはり賃金が低いっていうことと、あとやはり仕事に対する魅力みたいなのがやはり若手に訴求されてないのかなっていう気もします。賃金上げても人は集まらない可能性もありますし、あとはそれに加えてこの先ずっと人は減っていきますよっていうこと」
今後、人口が減っていく中で公共交通機関を維持するためには、新たな仕組みを考えることも必要だといいます。
【佐賀大学 経済学部亀山嘉大 教授】
「人をつかわないような仕組みを作っていくしかないのかなと、ひとつは簡単に言ってしまうと自動運転、(栃木県)宇都宮市じゃないですけど(芳賀・宇都宮)LRT(次世代型路面電車)のような軌道系に変えていく必要もあるのかなと軌道系に変えると自動運転もやりやすくなりますし」
県と佐賀市は今年10月20日からの1週間、JR佐賀駅の北口と「SAGAサンライズパーク」の間約1.6キロの区間で、自動運転バスの実証実験を予定しています。
今後、全国的な運転士不足が懸念されている中、自動運転バスは実用化が進めば公共交通機関の維持につながると期待されていますが、決定的な打開策がないのが現状です。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「雇用(する)側からすればかなり厳しい状況になりまして、今以上に運転士の方は不足していくと考えております」
公共交通機関として地域に欠かせない存在のバス。その運転士の不足が全国的な課題となっています。そして、来年4月の法改正では、運転士の時間外労働の上限が制限されることになっていて、さらなる人手不足の深刻化が懸念されています。
九州運輸局によりますと、バス運転士の賃金は男性で月約28万5千円と全産業の平均37万円と比べると低い傾向。
一方で平均年齢は高くなっていて、運転に必要な免許を保有している県内の約1万人のうち、50代以上の割合が9割を超えています。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「ローテーションで朝早い勤務や夜遅い勤務を回しているような状況になっておりますので、働く側からしてみれば不規則な勤務になっているのも、なり手不足の一因かと思っております」
佐賀市営バスを運行する佐賀市交通局も運転士の不足に頭を悩ませます。通年で募集しているものの、応募者は少なく、慢性的に不足している状況だといいます。
なり手不足に加えて、佐賀市営バスの運転士の平均年齢は53歳。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「今後のことを考えると高齢化が進んでいくような状況になりますので、若い人たちにバスの運転士になっていただくっていうところを目指しております」
若返りを図ろうと支援制度も取り入れています。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「大型二種免許を取得する自動車学校での費用相当分をですね(佐賀市)交通局の方で負担するような制度となっております」
普通運転免許をもっている人がバスの運転に必要な大型二種免許を取るのにかかる費用は約50万円。大型二種免許のない人でも運転士になれるよう、その費用を交通局が負担しているということです。同じような支援は祐徳バスや昭和バスでも行われています。
この支援制度を使って大型二種免許を取得した石川静樹さん30歳。千葉県出身の石川さんは東京の人材派遣会社で5年ほど働いていましたが、2年前に佐賀市交通局に転職しました。
【佐賀市交通局 石川静樹さん】
「妻の実家が佐賀県佐賀市にありまして、妻の佐賀に戻りたいという気持ちを尊重してですね自分も(東京の)仕事を辞めて佐賀に来て、小さいときからバスの運転手になりたいという気持ちが心の中にあってですね」
家庭の事情と昔からの憧れで運転士になった石川さん。職場の環境は良いと話します。
【佐賀市交通局 石川静樹さん】
「先輩方も気さくに話しかけてくださったりとかですね、本当に仕事の時は真剣にお客さまの命を預かっているので目的地までしっかりとお届けして、オンとオフを切り替えて楽しく仕事させていただいてます」
支援制度のほかにも、佐賀市営バスは、今年5月から車両の前面などに取り付けられた「行先表示器」に、「運転士募集」と表示して走らせています。客を乗せていない回送中のバスが対象で、前面や側面などで運転手の募集を呼びかけています。
また、民間も含めた県内のバス事業者で行う求職者への合同説明会にも積極的に参加しているということです。
【佐賀市交通局業務課 相島尚徳副課長】
「公共交通機関として今の路線を維持することは大切なことだと考えておりますが、それ自体がちょっと見直さなければならないような状況にもなりかねないっていうところで人材の確保、運転士の確保は非常に重要なことだと思っております」
都市経済学や交通について詳しい佐賀大学の亀山嘉大教授は人手不足を解消する難しさをこう話します。
【佐賀大学 経済学部亀山嘉大 教授】
「高齢化が進んでいる中で若手が入ってこない、入ってこないっていうのはひとつやはり賃金が低いっていうことと、あとやはり仕事に対する魅力みたいなのがやはり若手に訴求されてないのかなっていう気もします。賃金上げても人は集まらない可能性もありますし、あとはそれに加えてこの先ずっと人は減っていきますよっていうこと」
今後、人口が減っていく中で公共交通機関を維持するためには、新たな仕組みを考えることも必要だといいます。
【佐賀大学 経済学部亀山嘉大 教授】
「人をつかわないような仕組みを作っていくしかないのかなと、ひとつは簡単に言ってしまうと自動運転、(栃木県)宇都宮市じゃないですけど(芳賀・宇都宮)LRT(次世代型路面電車)のような軌道系に変えていく必要もあるのかなと軌道系に変えると自動運転もやりやすくなりますし」
県と佐賀市は今年10月20日からの1週間、JR佐賀駅の北口と「SAGAサンライズパーク」の間約1.6キロの区間で、自動運転バスの実証実験を予定しています。
今後、全国的な運転士不足が懸念されている中、自動運転バスは実用化が進めば公共交通機関の維持につながると期待されていますが、決定的な打開策がないのが現状です。
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