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「積年の恨みが殺意に変わった」鳥栖市両親殺人事件 動機などを振り返り【佐賀県】
2023/12/18 (月) 18:40
きょうから2023年の佐賀をテーマごとに振り返るシリーズ。初回は県内の事件。今年3月、鳥栖市で両親を殺害した当時19歳の長男。思わぬ動機が計画的な殺人事件を起こすきっかけとなりました。
【近所の男性】
「いや、びっくりです。はい、ただびっくり」
今年3月、鳥栖市の閑静な住宅街で発生した両親殺人事件。50代の父親と40代の母親の胸などを複数回刺し殺害し、九州大学に通っていた当時19歳の長男が逮捕され世間に衝撃を与えました。
【リポート・長島百花】
「鳥栖市で19歳の少年が両親を殺害した事件の初公判がこれから開かれます。特定少年の裁判員裁判が開かれるのは佐賀では初めてです」
事件から約半年後、今年9月1日に裁判開始。成人年齢の引き下げ以降、県内初の特定少年の裁判ということもあり注目を集めましたが、最も注目を集めたのが両親を殺害した理由でした。
【原竹アナウンサー】
「幼いころから受けていた暴力や人格否定など父の仕打ちへの報復だった」
積年の恨みが殺意に変わった。
検察側は「中学生の頃から父親に殺意を抱き、大学で成績を上げず叱責を受ける機会をつくり、実家に来るよう言われたとき殺害を決意した」などと経緯やその計画性を指摘。事件当日も成績について叱責された後、用意していた殺傷能力の高いナイフなど複数の刃物で犯行に及んでいました。
「成績が悪いと1時間以上正座させられ暴力を振るわれたりした」「いつか殺してやるという気持ちを支えにつらい虐待に耐え続けた」記者の法廷内の取材メモには「高校生で殺意」「10年以内に殺すと決めた」などと計画的な復讐心に燃えた19歳の感情がほとばしります。裁判所は遺族の申し立てを受け被告の名前を非公表にした上で、傍聴席から顔が見えないように衝立をたてました。このため、被告の表情をうかがうことは出来ませんでしたが、声を聞いて取材した記者は一様に同じ感想を持っていました。
【長島記者】
担当した弁護士も「終始淡々として論理的に物を話し、感情的になることはなかった」と振り返ります。唯一、廷内で感情を見せたのは妹に関する質問でした。一方、裁判で大きな争点となったのが止めに入った母親まで複数回刃物で刺し殺害したこと。「犬の散歩のときにちょっと会ってあいさつするくらい」「お母さんと息子さんなんか仲良さそうな感じだったんですけどね」
被告は「僕の味方でいてくれたのに恩を仇で返す結果になって申し訳ない」と後悔の念を口にしたものの、弁護側は「排除しようと刺したがどこに刺さったかは見ておらず殺意はなかった」と主張。殺意を否定したものの味方であった母親の死についての真相は、完全には明らかになっていません。
【原竹アナウンサー】
「父を殺害してしまったことは僕には他の道は見つけられなかったのですが、やはり後悔しています。母についても殺意がなかったとはいえ、死に至らしめ痛みや苦痛を与えたことは申し訳なさで息が詰まるようです」
裁判の最後に自らの言葉で、亡き両親に謝罪した被告の少年はここでも淡々としていました。
判決では母親への殺意について「短時間のうちに4カ所もの致命的重傷を負わせている」と認定した上で、「父への犯行は強い殺意に基づく執拗なもので計画性も認められる」などとして懲役28年の求刑に対し、懲役24年の判決を言い渡しました。裁判の中で「残りの人生は消化試合」と述べた被告の少年。判決後、「両親を手にかけた罪の重さに改めて向き合い深く考える期間にしてほしい」と諭した岡崎裁判長の言葉は、どう響いたのでしょうか。
判決を受けて弁護側は量刑を不服として控訴していて注目の控訴審は福岡高裁で1月17日から行われます。
【近所の男性】
「いや、びっくりです。はい、ただびっくり」
今年3月、鳥栖市の閑静な住宅街で発生した両親殺人事件。50代の父親と40代の母親の胸などを複数回刺し殺害し、九州大学に通っていた当時19歳の長男が逮捕され世間に衝撃を与えました。
【リポート・長島百花】
「鳥栖市で19歳の少年が両親を殺害した事件の初公判がこれから開かれます。特定少年の裁判員裁判が開かれるのは佐賀では初めてです」
事件から約半年後、今年9月1日に裁判開始。成人年齢の引き下げ以降、県内初の特定少年の裁判ということもあり注目を集めましたが、最も注目を集めたのが両親を殺害した理由でした。
【原竹アナウンサー】
「幼いころから受けていた暴力や人格否定など父の仕打ちへの報復だった」
積年の恨みが殺意に変わった。
検察側は「中学生の頃から父親に殺意を抱き、大学で成績を上げず叱責を受ける機会をつくり、実家に来るよう言われたとき殺害を決意した」などと経緯やその計画性を指摘。事件当日も成績について叱責された後、用意していた殺傷能力の高いナイフなど複数の刃物で犯行に及んでいました。
「成績が悪いと1時間以上正座させられ暴力を振るわれたりした」「いつか殺してやるという気持ちを支えにつらい虐待に耐え続けた」記者の法廷内の取材メモには「高校生で殺意」「10年以内に殺すと決めた」などと計画的な復讐心に燃えた19歳の感情がほとばしります。裁判所は遺族の申し立てを受け被告の名前を非公表にした上で、傍聴席から顔が見えないように衝立をたてました。このため、被告の表情をうかがうことは出来ませんでしたが、声を聞いて取材した記者は一様に同じ感想を持っていました。
【長島記者】
担当した弁護士も「終始淡々として論理的に物を話し、感情的になることはなかった」と振り返ります。唯一、廷内で感情を見せたのは妹に関する質問でした。一方、裁判で大きな争点となったのが止めに入った母親まで複数回刃物で刺し殺害したこと。「犬の散歩のときにちょっと会ってあいさつするくらい」「お母さんと息子さんなんか仲良さそうな感じだったんですけどね」
被告は「僕の味方でいてくれたのに恩を仇で返す結果になって申し訳ない」と後悔の念を口にしたものの、弁護側は「排除しようと刺したがどこに刺さったかは見ておらず殺意はなかった」と主張。殺意を否定したものの味方であった母親の死についての真相は、完全には明らかになっていません。
【原竹アナウンサー】
「父を殺害してしまったことは僕には他の道は見つけられなかったのですが、やはり後悔しています。母についても殺意がなかったとはいえ、死に至らしめ痛みや苦痛を与えたことは申し訳なさで息が詰まるようです」
裁判の最後に自らの言葉で、亡き両親に謝罪した被告の少年はここでも淡々としていました。
判決では母親への殺意について「短時間のうちに4カ所もの致命的重傷を負わせている」と認定した上で、「父への犯行は強い殺意に基づく執拗なもので計画性も認められる」などとして懲役28年の求刑に対し、懲役24年の判決を言い渡しました。裁判の中で「残りの人生は消化試合」と述べた被告の少年。判決後、「両親を手にかけた罪の重さに改めて向き合い深く考える期間にしてほしい」と諭した岡崎裁判長の言葉は、どう響いたのでしょうか。
判決を受けて弁護側は量刑を不服として控訴していて注目の控訴審は福岡高裁で1月17日から行われます。
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