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≪年末回顧≫国全体に関する課題や問題に多く接した一年に【佐賀県】

2024/12/23 (月) 18:21

今年も残すところあと1週間ほど。80万人と九州では人口が最も少ない佐賀県ですが、今年もオスプレイに核のゴミの最終処分場問題といった国全体に関する課題や問題に多く接した一年でした。

来年7月をめどに佐賀空港の西側に建設中の駐屯地に配備される陸上自衛隊のオスプレイ17機。建設工事も順調に進むなか今年も事故が…
今年10月、沖縄県与那国町の与那国駐屯地で陸上自衛隊のオスプレイが離陸しようしたところ、機体が大きく揺れ左翼の下部が地面と接触し損傷。
陸上自衛隊のオスプレイの事故は初めて。

【九州防衛局 江原康雄局長】
「物的要因や外的要因は本事故には関連はなくて、“人的要因”に起因するものと確認できた」
事故について陸上自衛隊は“パイロットの操作ミス”が原因との調査結果を公表しています。しかしその翌月(11月)には米軍オスプレイの緊急着陸も。

【九州防衛局 江原康雄局長】
「皆さまがご不安に思われたことは申し訳ないところであります。安全安心の飛行またできるよう、安全運航の教育を徹底することで皆さまの不安を払拭できるよう務めたい」

佐賀空港へのオスプレイ配備を国が県に申し入れてから約10年。
来年度創設を目指している有明海の漁業振興などの基金や県に新たな組織を検討するといった準備を進める一方、相次ぐ事故などで運用停止そして再開を繰り返すオスプレイ。住民の不安がぬぐえないまま着々と配備の時期が近づいています。

【山口知事】
「設置場所につきましては佐賀市八丁畷町にあります、佐賀総合庁舎の敷地内としたいと思います」

県が2029年の開学を目指している県立大学、その設置場所となったのが佐賀市の佐賀総合庁舎。

【リポート・川野優也】
「交通量の多い国道34号線沿いに大学の設置場所となった佐賀総合庁舎があります」

教育内容は情報やデータサイエンスといった理系と、経営やマネジメントといった文系の両方を学ぶことができる“理文融合型”。
また、県内の企業や団体、自治体など県全体を4年間の学びのフィールドとする考えです。
現在、県内の4年制大学は佐賀大学と西九州大学の2つのみで、全国で最も少ないといわれています。
県立大学ができることで進学の選択肢を広げ、人材の育成やさらなる雇用が生まれるのか今後が注目されます。

【玄海町 脇山伸太郎町長】
「高レベル放射性廃棄物の最終処分にかかる文献調査への応募についての3件を一括議題と致します」

高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐって動き出した玄海町。
今年5月には脇山町長が第1段階にあたる「文献調査」の受け入れを表明し、6月から町を対象にした調査が始まりました。
北海道の寿都町と神恵内村に次いで全国では3例目、原発が立地する自治体では初めてです。

【玄海町 脇山伸太郎町長】
「特定の地域だけの問題ではないと考えている。玄海町での取り組みが日本社会にとって欠かせない最終処分事業への関心が高まるのにつながり、国民的議論に喚起する一石となればとの思い」

文献調査は約2年間で第2段階の「概要調査」に進むには県の同意が必要、山口知事はこれまでに「新たな負担を受け入れる考えはない」と話していますが、町民や県民の賛否は複雑に入り混じっています。

総裁選を経て総理大臣に石破茂氏が就任。
就任直後、衆議院を解散し、選挙戦に突入しました。

前回同様、立憲民主党・原口一博さんと自民党・岩田和親さんの現職一騎打ちとなった佐賀1区。
一方、4人が立候補した佐賀2区は立憲民主党の選対本部長を務める大串博志さんと自民党の古川康さんの事実上の一騎打ちに。
小選挙区で連敗、比例復活が続く自民党議員は背水の陣で選挙に臨みますが…。
ふたを開けてみると、立憲民主の2人が早々に当選確実。
選挙前と顔ぶれは変わりませんでした。

【リポート・長島百花】
「九州新幹線・長崎ルートの新鳥栖ー武雄温泉間。整備方式やルートは今も決まっていません。開業から2年あまりが経ちますが新幹線の高架は途切れたままになっています」

博多と長崎を結ぶ九州新幹線の長崎ルート。
武雄温泉ー長崎間はフル規格で整備されていますが、博多ー武雄温泉間は在来線のため、武雄温泉駅での対面乗換が運行開始以来約2年続いています。


この整備方式などを巡り今年5月には佐賀・長崎両県とJR九州のトップが新幹線長崎ルートの新鳥栖ー武雄温泉間について初めて3者で意見を交わしました。
佐賀県はこれまで在来線の利便性低下や多額の費用負担を理由に佐賀空港周辺を通る南回りルートも検討するよう求めていますが、長崎県とJR九州は「佐賀駅を通るルートでの全線開通で」と改めて強調。

今年8月に県と国の「幅広い協議」が去年の2月以来約1年半ぶりに冒頭以外非公開で行われましたが国からルートや財政負担などに関する新たな提案はなく、今年もこの問題について大きな進展はなし。
サガテレビの世論調査では残る区間について”佐賀駅ルートをフル規格”でとの声も多くある中、整備方式をめぐる暗くて長いトンネルを抜け出す光明はまだみえません。
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