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コメ高騰「この人誰だ?っていう人が『お米買いますけど』と軽トラックで来た」関係者の“本音”【佐賀県】
2025/02/27 (木) 18:18
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コメの価格の高騰について。国は2月、対策として備蓄米の放出を発表しましたが、県内の市場にどう影響するかは不透明です。県内の農家やコメを扱う関係者からは、さまざまな本音が聞かれました。
【川野リポート】
「佐賀市のスーパーのコメ売り場です。さがびより5キロが約4000円。去年より1000円ほど高くなっているということです。また、全体的に数が少なくなっていて欠品・品切れの棚もあり、次回の入荷は未定となっています」
【コープさが生協新栄店 江口浩二店長】
「極端に言うと倍近くぐらい値段が上がっている。発注をしても思うように(いかず)入荷が少ない…」
価格の高騰が続くコメ。家計を圧迫する日々が続きます。
【コメを購入した客】
「高いけど…きょう食べるお米が無いので買わないとしょうがない」
「東京の娘に送ろうかと思って買った。向こうはもっと高いみたいなので」
すでに品切れの銘柄も。県内でも、多くの店が購入の制限をして対応しています。
【コープさが生協新栄店 江口浩二店長】
「このままの状況が続くともう欠品というか“お店にお米が無い”という状態も出てくる。入荷量が増えることを望んでいる」
そのコメを作る生産者は…。
【小城市のコメ農家 北川公文さん】
「そりゃ農家にとっては値上がりは非常にいいことなんでしょうけど、ちょっと異常だなと感じている」
年間約45トンのコメを生産する北川さん。
そのほとんどをふるさと納税の返礼品として出荷していますが、今年の注文の量は去年の約3倍に増加。いま冷蔵庫にあるコメはほぼ全てが“予約分”です。
燃料代や肥料代など、生産コストが年々高騰するコメ作り。
コメの価格の上昇に複雑な思いを話します。
【小城市のコメ農家 北川公文さん】
「“もうけ”だけの話でいけばコメがどこまででも上がってくれれば一番いい。そしたら買ってくれる人がいなくなるんじゃないか。“コメ離れ”が一番心配」
そもそも、なぜコメの値段が上がっているのか?
背景の1つとして、普段はコメの取引をしない業者の参入が指摘されています。値上がりを見込んだ、転売目的での購入です。
こちらの農家には、1月、見知らぬ男性が突然訪れました。
【県内のコメ農家】
「ぶーんと車で来た。ぱっと見“廃品回収屋”のような。この人誰だ?っていう人が『お米買いますけど』と軽トラックで来た。佐賀県ナンバーじゃなかった。福岡県の筑豊ナンバーだった。私はほとんどJAに出しているのでもうお米持ってないよ、とお断りした」
また、普段は野菜の取引を行う長崎県の“青果業者”からも、こんな誘いが…。
【県内のコメ農家】
「お米の方を流して買わせてもらえないかと。野菜よりもお米の方が流通させて利益が取れると。提示してきたのは結構いい値だった」
最終的にコメは売りませんでしたが、この業者から提示されたのは、60キロで2万円を超える価格。JAよりも数千円高い値段でした。
【県内のコメ農家】
「農家としても少しでも高い方が自分たちの収入として得られる。JAには失礼かもしれないが、外の業者に流した方が自分たちの収入にはなるのでは?という感じにはなる」
このような業者の訪問は、まちの“コメ屋”からも聞かれました。
【大塚米穀店 大塚乾祐社長】
「業者なのか転売する人なのか分からないが、あるもの全部買い占めようという方が何人か今まで来た」
みやき町にあるコメの販売店。店頭でのコメの販売量は去年より6割増えました。去年完成したばかりのコメの保管庫は…。
【大塚米穀店 大塚乾祐社長】
「見ての通り…すかすかです。当初の予定だと保管庫のギリギリまでお米が入って、こういうスペースがあることは無かったんですけど…」
現在の在庫は、約100トン。
元々想定していた4分の1しか残っていません。年間を通して施設や飲食店にコメを卸しているため、在庫の少なさに不安を抱えています。
【大塚米穀店 大塚乾祐社長】
「売り上げが上がるのはありがたいことだが、どうやってこの先の在庫を確保しようかという問題がある。途中でコメを切らしてしまうのが一番お客さんに迷惑をかける一番お客さんに迷惑をかけるので複雑な心境です」
一方、この状況を“チャンス”と捉える飲食店も。
【FUKUCAFE 瀧内貴也店長】
「おむすびがお代わり自由。これでもかというぐらい食べて頂いて構わないので、ぜひ来店したときはいっぱい食べてください」
ふっくらとした炊き立てのご飯。
こちらのカフェでは、“おかわり自由”のおにぎりのセットが人気です。休日には、1日でおにぎり1200個、約24キロのコメを消費します。
【客】
「このセットでこの料金はすごくありがたい。いろんな種類のお米を食べられてすごくおいしい」
この店では、コメの仕入れ値が去年の2倍になりましたが、価格は据え置き。その代わり、1月から客が少ない午後3時以降の営業を取り止めるなど、“人件費の削減”で対応しています。
【FUKUCAFE 瀧内貴也店長】
「こういう機会にたくさんの客に来ていただいて、お米のありがたみやおいしさを改めて分かって頂けたら」
高止まりするコメの価格。今後期待されるのが政府の「備蓄米」の放出です。
最大21万トンが放出され、全国的には、早ければ3月下旬にも店頭に並ぶ見通しですが、県内の市場への影響については多くの関係者が疑問視します。
【県内のコメ農家】
「都市近郊は特にお米が無いから備蓄米を出して食べるものを…という感じでは。おそらく備蓄米はこっちの方まで来ないんじゃないですか」
【大塚米穀店 大塚乾祐社長】
「どうなんでしょうね…実際JAが備蓄米を購入して、果たして私たちみたいな小さいお米屋まで物が回ってくるかは分からない」
【川野リポート】
「佐賀市のスーパーのコメ売り場です。さがびより5キロが約4000円。去年より1000円ほど高くなっているということです。また、全体的に数が少なくなっていて欠品・品切れの棚もあり、次回の入荷は未定となっています」
【コープさが生協新栄店 江口浩二店長】
「極端に言うと倍近くぐらい値段が上がっている。発注をしても思うように(いかず)入荷が少ない…」
価格の高騰が続くコメ。家計を圧迫する日々が続きます。
【コメを購入した客】
「高いけど…きょう食べるお米が無いので買わないとしょうがない」
「東京の娘に送ろうかと思って買った。向こうはもっと高いみたいなので」
すでに品切れの銘柄も。県内でも、多くの店が購入の制限をして対応しています。
【コープさが生協新栄店 江口浩二店長】
「このままの状況が続くともう欠品というか“お店にお米が無い”という状態も出てくる。入荷量が増えることを望んでいる」
そのコメを作る生産者は…。
【小城市のコメ農家 北川公文さん】
「そりゃ農家にとっては値上がりは非常にいいことなんでしょうけど、ちょっと異常だなと感じている」
年間約45トンのコメを生産する北川さん。
そのほとんどをふるさと納税の返礼品として出荷していますが、今年の注文の量は去年の約3倍に増加。いま冷蔵庫にあるコメはほぼ全てが“予約分”です。
燃料代や肥料代など、生産コストが年々高騰するコメ作り。
コメの価格の上昇に複雑な思いを話します。
【小城市のコメ農家 北川公文さん】
「“もうけ”だけの話でいけばコメがどこまででも上がってくれれば一番いい。そしたら買ってくれる人がいなくなるんじゃないか。“コメ離れ”が一番心配」
そもそも、なぜコメの値段が上がっているのか?
背景の1つとして、普段はコメの取引をしない業者の参入が指摘されています。値上がりを見込んだ、転売目的での購入です。
こちらの農家には、1月、見知らぬ男性が突然訪れました。
【県内のコメ農家】
「ぶーんと車で来た。ぱっと見“廃品回収屋”のような。この人誰だ?っていう人が『お米買いますけど』と軽トラックで来た。佐賀県ナンバーじゃなかった。福岡県の筑豊ナンバーだった。私はほとんどJAに出しているのでもうお米持ってないよ、とお断りした」
また、普段は野菜の取引を行う長崎県の“青果業者”からも、こんな誘いが…。
【県内のコメ農家】
「お米の方を流して買わせてもらえないかと。野菜よりもお米の方が流通させて利益が取れると。提示してきたのは結構いい値だった」
最終的にコメは売りませんでしたが、この業者から提示されたのは、60キロで2万円を超える価格。JAよりも数千円高い値段でした。
【県内のコメ農家】
「農家としても少しでも高い方が自分たちの収入として得られる。JAには失礼かもしれないが、外の業者に流した方が自分たちの収入にはなるのでは?という感じにはなる」
このような業者の訪問は、まちの“コメ屋”からも聞かれました。
【大塚米穀店 大塚乾祐社長】
「業者なのか転売する人なのか分からないが、あるもの全部買い占めようという方が何人か今まで来た」
みやき町にあるコメの販売店。店頭でのコメの販売量は去年より6割増えました。去年完成したばかりのコメの保管庫は…。
【大塚米穀店 大塚乾祐社長】
「見ての通り…すかすかです。当初の予定だと保管庫のギリギリまでお米が入って、こういうスペースがあることは無かったんですけど…」
現在の在庫は、約100トン。
元々想定していた4分の1しか残っていません。年間を通して施設や飲食店にコメを卸しているため、在庫の少なさに不安を抱えています。
【大塚米穀店 大塚乾祐社長】
「売り上げが上がるのはありがたいことだが、どうやってこの先の在庫を確保しようかという問題がある。途中でコメを切らしてしまうのが一番お客さんに迷惑をかける一番お客さんに迷惑をかけるので複雑な心境です」
一方、この状況を“チャンス”と捉える飲食店も。
【FUKUCAFE 瀧内貴也店長】
「おむすびがお代わり自由。これでもかというぐらい食べて頂いて構わないので、ぜひ来店したときはいっぱい食べてください」
ふっくらとした炊き立てのご飯。
こちらのカフェでは、“おかわり自由”のおにぎりのセットが人気です。休日には、1日でおにぎり1200個、約24キロのコメを消費します。
【客】
「このセットでこの料金はすごくありがたい。いろんな種類のお米を食べられてすごくおいしい」
この店では、コメの仕入れ値が去年の2倍になりましたが、価格は据え置き。その代わり、1月から客が少ない午後3時以降の営業を取り止めるなど、“人件費の削減”で対応しています。
【FUKUCAFE 瀧内貴也店長】
「こういう機会にたくさんの客に来ていただいて、お米のありがたみやおいしさを改めて分かって頂けたら」
高止まりするコメの価格。今後期待されるのが政府の「備蓄米」の放出です。
最大21万トンが放出され、全国的には、早ければ3月下旬にも店頭に並ぶ見通しですが、県内の市場への影響については多くの関係者が疑問視します。
【県内のコメ農家】
「都市近郊は特にお米が無いから備蓄米を出して食べるものを…という感じでは。おそらく備蓄米はこっちの方まで来ないんじゃないですか」
【大塚米穀店 大塚乾祐社長】
「どうなんでしょうね…実際JAが備蓄米を購入して、果たして私たちみたいな小さいお米屋まで物が回ってくるかは分からない」
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