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「他人も助けてあげよう」鳥栖市の女性が移動困難者を“送迎サービス” 【佐賀県】
2021/07/13 (火) 19:30
全国で進む新型コロナウイルスのワクチン接種に自分なりの貢献がしたいと奔走する鳥栖市の女性です。
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「お金って私はそんなに…重要な問題じゃないと思います。お金はなんとか…本当に困ったらどこか働きに行って10万くらい稼いできます」
鳥栖市の永友恵子さん68歳。
車に乗せているのは身体が不自由でワクチン接種を受けようにも病院などに自力で行けない人たちです。
NPOベネッセの会・永友恵子さん】「第二の人生は、やはり私がしましたこの経験上、高齢者の方、障害者の方が、日常を通常の健常者と同じように楽しい毎日が送れるような、活動をしてみたいと」
鳥栖市西新町に住む永友さん。
去年、脳梗塞で倒れ、左半身が不自由になった夫・正光さん(78)と2人で暮らしています。
「コーヒー飲む?」「あ?」「アイスコーヒーを飲むね?」
夫を助ける一方、永友さんが力を入れるのが高齢者を支援するNPOの代表として活動。その名も「ベネッセの会」です。
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「ベネとは“良く”、ツセとは“生きる”というラテン語がありました。それでベネッセとは“良く生きる”という、いまを生きる楽しく生きるという意味で」
ベネッセの会の活動は主に高齢者の“足”になること。要介護の人や元気でも免許を返納して車を運転できない人などいわゆる移動困難者の通院や買い物を年会費千円1回200円でサポートしています。
「この道ですか?」「まだ先」「もっと先?」「もういっちょ先」
その土台があるからこそできたのが今回のワクチン接種の送迎サービスでした。
ワクチン接種の送迎サービスは完全無料。料金をとるとなると行政への手続きなどで申し込みから実際に乗せるまでに1カ月ほどかかってしまうといい、利用者のニーズに応えられないと考えました。
ただ、車両は元々持っていたにせよ、気になるのはやはりコストの問題…
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「この事業に関して、要るとすればガソリン代だけなんですが、その10万円くらいに困っております(笑)」
Q:とりあえず当面はどうしている?
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「カードで払っております(笑)カードで(支払いは)2カ月後です(笑)」
完全なボランティアのため人件費を支払う余裕もなく、今回のサービスは運転から利用者の介助まですべて永友さん1人で行っています。
こちらはみやき町の90代の夫婦。妻はほとんど1人では身動きがとれないため、永友さんに支援を依頼しました。2回目の接種だといいます。
利用者(90代)男性:Q(1回目はどうやって行った?)「どこからか来てもらったもんね、(介護)タクシーに。こんな風に車いすで乗せてもらって」
夫婦を病院に送り届けるやいなや次の利用者の家に車を走らせます。
こちらは上峰町の80代の夫婦。
利用者(80代)男性:「一番良いのはもう医者が来てくれるのが一番良いんだけどさ、そう文句は言っちゃおれんからね。行って(接種)することはやぶさかではないけど、大変です。行くのが」
「着きました~」利用者:「はいありがとうございました」
県東部4つの市や町を対象に5月下旬にサービスを開始してこれまで延べ約30人を支援してきた永友さん。
通常の移動支援も並行して進めていて、土日の休み以外は毎日大忙しです。
一番の息抜きは得意の料理をしている時間。
NPOベネッセの会・永友恵子さん:「梅を醤油で、薄口醤油でつけたやつです。これが欲しいという方がいらっしゃるので、分けてあげます」Q「どういう方々にあげている?」「例えば子供たちを見ている(方々)、私も本当は子供たちの育成に携わりたいんですが、高齢者のことで手一杯ですので、(子供たちを)支援している人を支援しようかなと思っています(笑)」
そもそも永友さんが高齢者の支援を始めた理由。それは50代で経験した交通事故がきっかけでした。
NPOベネッセの会・永友恵子さん:Q「こちらの交差点で事故に遭われた?」「そうですね。私がこのように行っていて、向こうから大きい車が来て、このように当たりました」
いまから16年前、当時80代の母が入院していた病院に向かう途中の事故でした。
永友さんは頭を強く打ち3日間、意識不明の状態が続きました。
約1カ月後になんとか退院したものの、それからの毎日が永友さんの考えを大きく変えることになります。
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「そののちのしっかりした自分になるまでの半年間というのは、高齢者の方たちの日常のような体験をいたしました(歩いている時)右に避けたつもりだったんですが、左によろけてしまうというような経験を何度もいたしました。社会的に立場の弱い方というような立場になった場合、足らない部分がたくさんあると気づいたんです」
利用者:「これでなんかちょっとほっとしたね。きょうは酒でも飲むかな」永友さん:「うん」
接種に行きたくても自力では行けない人のため元気でも未知のワクチンに不安を感じる人のため日々奔走する永友さんですが、カバーできるのは東部だけ。県全体に同様の支援の輪が広がればと話します。
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「よかったら、このようなことが他の有志の方、別の地域で、まあ同じ地域でもいいですが、出てこられて、他人のことも私が助けてあげようという町づくりができればいいかなあと思っております」
永友さんは今月3日から完全無料で行っている今回のサービスの運営費のためクラウドファンディングを始めたそうです。
集まったお金が少しでも余れば現状は今月末で終了としている期間を延長し、比較的若い人の接種でも支援を続けたいと話していました。
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「お金って私はそんなに…重要な問題じゃないと思います。お金はなんとか…本当に困ったらどこか働きに行って10万くらい稼いできます」
鳥栖市の永友恵子さん68歳。
車に乗せているのは身体が不自由でワクチン接種を受けようにも病院などに自力で行けない人たちです。
NPOベネッセの会・永友恵子さん】「第二の人生は、やはり私がしましたこの経験上、高齢者の方、障害者の方が、日常を通常の健常者と同じように楽しい毎日が送れるような、活動をしてみたいと」
鳥栖市西新町に住む永友さん。
去年、脳梗塞で倒れ、左半身が不自由になった夫・正光さん(78)と2人で暮らしています。
「コーヒー飲む?」「あ?」「アイスコーヒーを飲むね?」
夫を助ける一方、永友さんが力を入れるのが高齢者を支援するNPOの代表として活動。その名も「ベネッセの会」です。
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「ベネとは“良く”、ツセとは“生きる”というラテン語がありました。それでベネッセとは“良く生きる”という、いまを生きる楽しく生きるという意味で」
ベネッセの会の活動は主に高齢者の“足”になること。要介護の人や元気でも免許を返納して車を運転できない人などいわゆる移動困難者の通院や買い物を年会費千円1回200円でサポートしています。
「この道ですか?」「まだ先」「もっと先?」「もういっちょ先」
その土台があるからこそできたのが今回のワクチン接種の送迎サービスでした。
ワクチン接種の送迎サービスは完全無料。料金をとるとなると行政への手続きなどで申し込みから実際に乗せるまでに1カ月ほどかかってしまうといい、利用者のニーズに応えられないと考えました。
ただ、車両は元々持っていたにせよ、気になるのはやはりコストの問題…
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「この事業に関して、要るとすればガソリン代だけなんですが、その10万円くらいに困っております(笑)」
Q:とりあえず当面はどうしている?
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「カードで払っております(笑)カードで(支払いは)2カ月後です(笑)」
完全なボランティアのため人件費を支払う余裕もなく、今回のサービスは運転から利用者の介助まですべて永友さん1人で行っています。
こちらはみやき町の90代の夫婦。妻はほとんど1人では身動きがとれないため、永友さんに支援を依頼しました。2回目の接種だといいます。
利用者(90代)男性:Q(1回目はどうやって行った?)「どこからか来てもらったもんね、(介護)タクシーに。こんな風に車いすで乗せてもらって」
夫婦を病院に送り届けるやいなや次の利用者の家に車を走らせます。
こちらは上峰町の80代の夫婦。
利用者(80代)男性:「一番良いのはもう医者が来てくれるのが一番良いんだけどさ、そう文句は言っちゃおれんからね。行って(接種)することはやぶさかではないけど、大変です。行くのが」
「着きました~」利用者:「はいありがとうございました」
県東部4つの市や町を対象に5月下旬にサービスを開始してこれまで延べ約30人を支援してきた永友さん。
通常の移動支援も並行して進めていて、土日の休み以外は毎日大忙しです。
一番の息抜きは得意の料理をしている時間。
NPOベネッセの会・永友恵子さん:「梅を醤油で、薄口醤油でつけたやつです。これが欲しいという方がいらっしゃるので、分けてあげます」Q「どういう方々にあげている?」「例えば子供たちを見ている(方々)、私も本当は子供たちの育成に携わりたいんですが、高齢者のことで手一杯ですので、(子供たちを)支援している人を支援しようかなと思っています(笑)」
そもそも永友さんが高齢者の支援を始めた理由。それは50代で経験した交通事故がきっかけでした。
NPOベネッセの会・永友恵子さん:Q「こちらの交差点で事故に遭われた?」「そうですね。私がこのように行っていて、向こうから大きい車が来て、このように当たりました」
いまから16年前、当時80代の母が入院していた病院に向かう途中の事故でした。
永友さんは頭を強く打ち3日間、意識不明の状態が続きました。
約1カ月後になんとか退院したものの、それからの毎日が永友さんの考えを大きく変えることになります。
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「そののちのしっかりした自分になるまでの半年間というのは、高齢者の方たちの日常のような体験をいたしました(歩いている時)右に避けたつもりだったんですが、左によろけてしまうというような経験を何度もいたしました。社会的に立場の弱い方というような立場になった場合、足らない部分がたくさんあると気づいたんです」
利用者:「これでなんかちょっとほっとしたね。きょうは酒でも飲むかな」永友さん:「うん」
接種に行きたくても自力では行けない人のため元気でも未知のワクチンに不安を感じる人のため日々奔走する永友さんですが、カバーできるのは東部だけ。県全体に同様の支援の輪が広がればと話します。
NPOベネッセの会 永友恵子さん:「よかったら、このようなことが他の有志の方、別の地域で、まあ同じ地域でもいいですが、出てこられて、他人のことも私が助けてあげようという町づくりができればいいかなあと思っております」
永友さんは今月3日から完全無料で行っている今回のサービスの運営費のためクラウドファンディングを始めたそうです。
集まったお金が少しでも余れば現状は今月末で終了としている期間を延長し、比較的若い人の接種でも支援を続けたいと話していました。
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