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西九州新幹線開業で特急廃止 通学の足奪われる大学生の苦悩【佐賀県】
2022/07/28 (木) 15:00
シリーズでお伝えしている新幹線光と影。今回は西九州新幹線の開業に伴って、特急の運行が変わる長崎本線についてです。鹿島市から長崎の大学に通う大学生。新幹線開業後は今使っている特急が無くなってしまうことから、朝の通学に頭を悩ませています。
【川浪記者】
「JR肥前鹿島駅からは、佐賀方面は大幅に本数は減るものの特急列車が走ります。一方、長崎方面は特急列車がなくなり通勤・通学の足に影響が出てしまいます」
鹿島市在住の中村弘一郎さん18歳。
Q朝、結構早いですね?
【中村弘一郎さん】
「早いですね」
Q毎朝、この時間?
【中村弘一郎さん】
「かもめ1号(特急の始発)に乗らないと一限に間に合わないので」
この春、大学生になった弘一郎さんは、肥前鹿島駅から特急列車に乗り、長崎県の大学に通っています。1限目から講義がある毎週金曜日は、始発の特急列車に乗らないと間に合いません。
【中村弘一郎さん】
「きょうみたいにちょっと早く講義が始まると、なかなか早く来ないといけないのでバタバタ」
JR浦上駅からのバスと徒歩も含めて、片道2時間ほどかけて学校に向かいます。
【中村弘一郎さん】
「じゃあ、いってきます」
この日は一限目の講義が通常より早く始まるため足早に教室へ向かいました。弘一郎さんが通うのは長崎県長与町にある長崎県立大学・シーボルト校。大学では情報技術を学んでいます。入学して3カ月あまり、弘一郎さんはいま、大きな問題に直面しています。
【中村弘一郎さん】
「通学の足がなくなっちゃうと、通えなくなっちゃうので。私が生まれてきて18年ずっと白いかもめと黒いかもめは駅で見てきたので、来なくなるというのが信じられないというか」
新幹線開業後、肥前鹿島駅から長崎方面へ23本あった特急列車は廃止されます。
【弘一郎さん】
「うちの通っているところが鹿島。新幹線ができたら特急が停まらなくなっちゃうから」
【友人】「え?」
【中村弘一郎さん】
「3学期からは毎日1限から始まることになるので。1限の授業を途中から参加するか、参加できないみたいな感じになって単位を最悪落としてしまう」
特急列車がなくなると、今までより1時間早い時間の普通列車に乗り、バスを含め3回乗り換えをし、片道3時間かけて通学しなければ一限目に間に合いません。しかし、これは弘一郎さんだけの問題ではありませんでした。
【父・中村安弘さん】
「新幹線は、歓迎したいのに素直に喜べない。自分の家庭の方にまで影響している」
そう話すのは父・安弘さん。家族会議を繰り返し新たな通学手段を考えています。新幹線開業後長崎方面に向かうための最寄り駅は新幹線の嬉野温泉駅になるといいますが…
【父・中村安弘さん】
「午前7時3分に武雄温泉駅を出発して嬉野温泉駅をなんと通過する。かもめ3号に7時49分に乗車すると長崎着が8時14分なので…」
長崎駅からも乗り換えが必要なので、嬉野温泉駅始発の新幹線では1限目に間に合いません。
そこで考えているのが父・安弘さんが長崎県大村市まで自家用車で送り、新幹線もしくは快速に乗って通学する方法。しかし自宅から大村市までは約30キロ山を越える必要があり、その後、武雄市の職場に向かう父・安弘さんも始業時間ギリギリになってしまいます。
【弘一郎さん】
「大村まで車で行くのは私も大反対」
【父・中村安弘さん】
「かもめ1号が停まってくれれば全然問題なかったが、そこが今回通過するということで非常に困っている」
一人暮らしも考えましたが家賃や食費、光熱費で月に8万はかかるといい、現在の特急や新幹線の定期代と比べても出費がかさんでしまいます。答えが見つからないなか、弘一郎さんはこんなことも。
【中村弘一郎さん】
「6月にJR九州側にメールで問い合わせた。新幹線のかもめ1号が嬉野温泉駅に停まらないから、停まらないと大学に通えなくなってしまうから、停めてほしいと要望した」
しかし、JR九州からは明確な回答は得られなかったといいます。
【中村弘一郎さん】
「私ができることと言ったら声を上げることくらいしかできない」
【父・中村安弘さん】
「今後、息子のように長崎に通学する人、通勤する人が新しく出てくるかもしれないので、その皆さんが利用しやすいようにしてほしい」
新幹線の開業に伴い長崎県が通勤・通学圏内になるという人がいる一方、これまで肥前鹿島駅から長崎に通っていた人は、通勤・通学の足を奪われてしまうことに。
【中村弘一郎さん】
「自分の学びたい学問を優先して大学を選ぶだろうから、鹿島市から長崎を選ぶという選択肢を絶やしてほしくない」
【川浪記者】
「JR肥前鹿島駅からは、佐賀方面は大幅に本数は減るものの特急列車が走ります。一方、長崎方面は特急列車がなくなり通勤・通学の足に影響が出てしまいます」
鹿島市在住の中村弘一郎さん18歳。
Q朝、結構早いですね?
【中村弘一郎さん】
「早いですね」
Q毎朝、この時間?
【中村弘一郎さん】
「かもめ1号(特急の始発)に乗らないと一限に間に合わないので」
この春、大学生になった弘一郎さんは、肥前鹿島駅から特急列車に乗り、長崎県の大学に通っています。1限目から講義がある毎週金曜日は、始発の特急列車に乗らないと間に合いません。
【中村弘一郎さん】
「きょうみたいにちょっと早く講義が始まると、なかなか早く来ないといけないのでバタバタ」
JR浦上駅からのバスと徒歩も含めて、片道2時間ほどかけて学校に向かいます。
【中村弘一郎さん】
「じゃあ、いってきます」
この日は一限目の講義が通常より早く始まるため足早に教室へ向かいました。弘一郎さんが通うのは長崎県長与町にある長崎県立大学・シーボルト校。大学では情報技術を学んでいます。入学して3カ月あまり、弘一郎さんはいま、大きな問題に直面しています。
【中村弘一郎さん】
「通学の足がなくなっちゃうと、通えなくなっちゃうので。私が生まれてきて18年ずっと白いかもめと黒いかもめは駅で見てきたので、来なくなるというのが信じられないというか」
新幹線開業後、肥前鹿島駅から長崎方面へ23本あった特急列車は廃止されます。
【弘一郎さん】
「うちの通っているところが鹿島。新幹線ができたら特急が停まらなくなっちゃうから」
【友人】「え?」
【中村弘一郎さん】
「3学期からは毎日1限から始まることになるので。1限の授業を途中から参加するか、参加できないみたいな感じになって単位を最悪落としてしまう」
特急列車がなくなると、今までより1時間早い時間の普通列車に乗り、バスを含め3回乗り換えをし、片道3時間かけて通学しなければ一限目に間に合いません。しかし、これは弘一郎さんだけの問題ではありませんでした。
【父・中村安弘さん】
「新幹線は、歓迎したいのに素直に喜べない。自分の家庭の方にまで影響している」
そう話すのは父・安弘さん。家族会議を繰り返し新たな通学手段を考えています。新幹線開業後長崎方面に向かうための最寄り駅は新幹線の嬉野温泉駅になるといいますが…
【父・中村安弘さん】
「午前7時3分に武雄温泉駅を出発して嬉野温泉駅をなんと通過する。かもめ3号に7時49分に乗車すると長崎着が8時14分なので…」
長崎駅からも乗り換えが必要なので、嬉野温泉駅始発の新幹線では1限目に間に合いません。
そこで考えているのが父・安弘さんが長崎県大村市まで自家用車で送り、新幹線もしくは快速に乗って通学する方法。しかし自宅から大村市までは約30キロ山を越える必要があり、その後、武雄市の職場に向かう父・安弘さんも始業時間ギリギリになってしまいます。
【弘一郎さん】
「大村まで車で行くのは私も大反対」
【父・中村安弘さん】
「かもめ1号が停まってくれれば全然問題なかったが、そこが今回通過するということで非常に困っている」
一人暮らしも考えましたが家賃や食費、光熱費で月に8万はかかるといい、現在の特急や新幹線の定期代と比べても出費がかさんでしまいます。答えが見つからないなか、弘一郎さんはこんなことも。
【中村弘一郎さん】
「6月にJR九州側にメールで問い合わせた。新幹線のかもめ1号が嬉野温泉駅に停まらないから、停まらないと大学に通えなくなってしまうから、停めてほしいと要望した」
しかし、JR九州からは明確な回答は得られなかったといいます。
【中村弘一郎さん】
「私ができることと言ったら声を上げることくらいしかできない」
【父・中村安弘さん】
「今後、息子のように長崎に通学する人、通勤する人が新しく出てくるかもしれないので、その皆さんが利用しやすいようにしてほしい」
新幹線の開業に伴い長崎県が通勤・通学圏内になるという人がいる一方、これまで肥前鹿島駅から長崎に通っていた人は、通勤・通学の足を奪われてしまうことに。
【中村弘一郎さん】
「自分の学びたい学問を優先して大学を選ぶだろうから、鹿島市から長崎を選ぶという選択肢を絶やしてほしくない」
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