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少子化を受けて各地で小中学校統廃合 通学などに影響が出る一方 新たな部活動の形も【佐賀県】

2024/03/05 (火) 18:40

県内では20年前、8万6千人いた小中学生が現在は2割ほど減り6万8千人に。少子化を受けて各地で学校再編が進み、3月には唐津市で5つの小学校、白石町で3つの中学校が閉校になります。通学などに影響が出る一方、新たな部活動の形も。

3月、148年の歴史に幕を閉じる唐津市肥前町の田野小学校。2月開かれた6年生のお別れ集会では5年生までの児童が卒業生へ感謝の気持ちを伝えました。

一方、5年生は4月から通う新しい小学校の校歌の演奏をするなど“最後”のお別れ集会らしい場面も。

【5年生】
「6年生のあとを継げるように頑張るように演奏しました」
【6年生】
「太鼓とかが心臓にドックンドックンってかワクワクきて楽しかったです」

唐津市肥前町では田野、入野、納所小学校の3校を統合し、4月肥前小学校が開校します。

【5年生】
「(閉校になるのは)少し悲しいけど来年頑張りたいと思いました。(新しい学校は)友達が増えるから嬉しいです」

田野小学校の校舎は閉校に伴っていずれ取り壊される予定です。
また、無くなるのは学校だけではありません。

【藤田テルヨさん】
「もうこれだけ生徒数が少なくなれば致し方ない、いやー、それは寂しいですよ」

去年の11月まで約10年間、学校近くの児童館で館長をしていた藤田テルヨさんもその一人です。児童館も来年度いっぱいで閉館する予定です。

【藤田テルヨさん】
「ここ(児童館)がなかごとなったら寂しか、子供の声も聞こえんとにどないすんなっていう声もいっぱい聞こえてきた」

共働きなどで帰りが遅い親を待つ子供たちなどにとって貴重な居場所でした。

【藤田テルヨさん】
「先生(家に)誰もおらさんけん来たよって涙流して来る姿も見てるので子供たちの居場所は必要かなと」
「もう子供たち1人ずつしっかりこの目に焼き付けました」

統廃合の背景にあるのは止まらない少子化です。60年ほど前の1960年代、第1次ベビーブームの頃には全国で約1850万人いた児童生徒数も、2023年度は過去最低の930万人あまりとほぼ半減、学校数も約4万校から3万校以下まで減少し、特にこの20年で5000校以上減るなど大幅に減少しています。
県内でもこの20年で児童生徒数は約8万6000人から6万8000人に減少し、学校数も298校から266校に減りました。

【白石町教育委員会 北村喜久次教育長】
「白石町もものすごく人口減の中であって子供たちも中学校では、50年から3割になっている」

タマネギなどの生産が盛んな白石町では白石、有明、福富中学校の3校を統合、4月に新たに白石中学校を開校します。約50年前には町内3校に1740人いた生徒も現在は559人に。町の教育委員会は学校の規模拡大が統廃合のメリットと話します。

【白石町教育委員会 北村喜久次教育長】
「友達から学ぶ。友達と学ぶ。というのはものすごく大きなウェイトを占めている。ある程度の(学校の)規模は確保してやらなきゃならない」

規模の拡大により部活動の環境も変化します。

【白石町教育委員会 北村喜久次教育長】
「(福富中学校は)部活も文化部はない、ほんとにやりたいなっていう子もおったと思うんですけど、そういう機会に恵まれてない」

在校生が100人と3校で最も規模が小さい福富中学校。部活の数は現在の6から20以上に増えます。

【生徒2年生】
「アダプテッドスポーツ部ってことが新しく増やされるのでそれに入りたいなって思います」

また今ある部活の環境にも変化が。
現在部員が3人の福富中学校野球部。部員数は4月から一気に増えることに。

【野球部員】
「30人は超える。心配なのが大きいですね。3年生な分1年生と2年生をまとめるのが難しそう」
「試合に出れるか(不安)」

環境の変化に戸惑う部員たちですが、一方で準備も進んでいます。

【野球部員】
「(試合などは)白石中学校と有明中学校と福富中学校の3校で合併でやってます」
「楽しみです。みんなと毎日(練習)できるところです」

また統廃合で変わるのが登下校の環境です。

【生徒】
「今は家から自転車で来てます、(4月からは)公民館行ってそのあとバスで」

4月開校する町内唯一の白石中学校は99万平方メートルと県内最大の面積の校区を持つことになります。

【白石町教育委員会 北村喜久次教育長】
「(中学校から自宅が)6.5キロ以上の子供たちについてはスクールバスでの通学支援を行います」

平野部の多い白石町では生徒たちの自宅も広範囲に広がり、福富中学校の生徒は7割以上がスクールバスで通学する予定です。

【生徒2年生】
「バスが20分くらいって聞いたので(今よりも)もうちょっと早く準備しなくちゃいけません」
「取り壊されるのはちょっと少し悲しいなって、見られなくなってしまうのはちょっと悲しいです」

そして福富中学校は3校で唯一、思い出の詰まった校舎が取り壊される予定です。生徒たちは3月23日の閉校式に向けて自分の夢を書いた「夢短冊」の準備をしています。

【生徒】
「夢を与える存在になりたいって書きました」

準備を進めながら学校との別れが日々近づくのを感じている生徒たち。夢と不安が入り混じります。

【生徒】
「クラスとかが分かれるのが嫌です」
「中学校のときから1クラス(なので)」
「行事とかが大きくなると思うのでそれが楽しみです」
「新しい仲間と共に協力して助け合えるクラスになりたい」
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