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40年以上"年中無休"で留置施設に送り届けたお弁当屋さん 店主の男性を取材【佐賀県】

2025/02/06 (木) 18:40

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40年以上にわたり、警察署の留置施設に送り届けてきた鳥栖市のお弁当屋さん。地元の人々に愛されるお店で年中無休で調理を続けた店主の男性を取材しました。

【鳥栖警察署】
「ここにその功労を讃え感謝の意を表します。令和7年1月23日、鳥栖警察署長
警視 尾形賢二。どうもありがとうございました」

1月、鳥栖警察署で感謝状を受け取った齊藤洋美さん65歳。
市内で弁当店「小町食堂」を営んでいます。

【小町食堂 齊藤洋美さん】
「きょうが終わったらあしたがくる、ただそれのくり返しやっただけですね、大雪のときは親父がやっぱ夜になったらチェーンば履きよったけんですね、大雪のときはそれをよく思い出しとったですね」

父の代から約63年間、齊藤さん自身も40年以上もの間、鳥栖警察署内の留置施設へ官弁と呼ばれる食事を年中無休で1日3食、調理・配達してきました。
体調を崩した人にはおかゆを出すなど、こまかな気遣いを続け、留置施設にいたことの味が忘れられないと店に食べに来る人もいたといいます。
そして、警察官にもファンが数多くいます。

【鳥栖警察署交通課 原口真哉巡査部長】
「カツカレーが好きでよく頼んでいました」
Q.食べ続けて何年経つ?
「もう…そうですね15年ほど経ちますね」

【鳥栖警察署留置管理課 福田剛司巡査】
「玉子焼きが分厚くてですね、おいしくて。日替わり弁当に出てくる玉子焼きを楽しみに食べていたというところはあります」

お店を入るとすぐ鳥栖警察署から、5年ごとに贈られたという感謝状がずらり。
厨房の年季の入った調理器具も歴史の長さを物語ります。一時は市内の企業などに1日100食から150食弁当を配達したこともあります。しかし店は、去年の6月から休業。

【小町食堂 齊藤洋美さん】
「なかなかもうずーっと退院してから半年ぐらい道具をつこうとらんやったけんがですね」

定期的に受けていた血液検査に異常値が。その後の精密検査で肝臓がんと診断されました。手術で肝臓の半分を摘出した後も抗がん剤治療を続け、動けるようになったのは去年の年末ごろだったといいます。

【小町食堂 齊藤洋美さん】
「まぁリハビリもあるばってんが食材の値上がりがひど過ぎっけんがですね。どげんなっとやろかなーと思うてから周りばちょっと見よっとこやった。」

高校時代からの友人でもある天本鉄夫さんのお気に入りのメニューは・・・

【友人・常連 天本鉄夫さん】
「大根の煮つけが最高でした。俺はあの味がドンピシャやったです。ごめん、大根だけじゃなくてなんでんおいしかった。そしてボリュームもあるしね」
「そいけんその、根性があるけんよかじゃなかですか3時から起きて頑張って。親父さんの跡を継いで。よう頑張っちゃったと思います」

お店の再開に向けて、体力づくりの散歩も齊藤さんの日課になっています。

【小町食堂 齊藤洋美さん】
「最初はもう全然。全く歩ききらんやった。自分でびっくりしたもん。ばってん、もう今はだいぶ歩ききることなったけん」

何十年にも渡り、地元に愛されてきた「小町食堂」。きょうもお店の再開を待つ
電話があったといいます。

【小町食堂 齊藤洋美さん】
「(がんの)再発の無かならよかばってんが、どかんかしたかたちで再開はしようと思うとるばってんがまあ、今はちょっとさっきもお米屋さんと話したごとあんまりにも米の価格も高止まりしとっけんがでちょっと様子見、という感じですね」
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