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休漁続きの有明海「ウミタケ」 伝統漁守れるか 課題は資源回復と後継者【佐賀県】
2022/06/21 (火) 19:20
休漁が続いている有明海特有の二枚貝・ウミタケ。
2022年は生息実態の把握のため調査操業が行われています。
漁業者は、ウミタケの復活に期待を寄せますが、長年、漁ができない状態が続く中、課題となるのは後継者の育成でした。
【漁師 井口繁臣さん】
「ウミタケの資源の回復が今何年か厳しいが、ゆくゆくはもっと増えてくると思う。そのためにも(後継者が)免許を取ったり練習をしておかないと」
6月16日、ウミタケの調査操業に向かうのは潜水士の井口繁臣さん(67) ノリとウミタケをなりわいとする漁師です。
ウミタケは生息数の激減により2007年以降休漁が続いています。
一方、2022年3月の調査で2021年と同等もしくは増加していることを受け、2021年に続き2022年も6月8日から個数や期間などを制限した調査操業を行っています。
潜水士による簡易潜水器漁では2022年の調査で生息が確認された場所やかつて生息していた場所などを調査し、今後の操業に向けた基準作りにつなげます。
【漁師 井口繁臣さん】
「探せばこういう大きいのがいるのかと思うと非常に期待が持てる。やっと見つけて緊張した。興奮した」
30年ほど前、豊漁だった時期は4月末から8月いっぱい漁が行われ、潜水士も100人ほどいたといいますが、現在は20人程までに減り、そのうち後継者がいるのは半数程度だといいます。
【漁師 井口繁臣さん】
「本格操業の許可が下りたら、途中で潜ったり練習はできるけど、なかなか6日間ではギリギリのところでわれわれもやっているから余裕がない。教える暇もない」
【後継者 野田賢伸さん】
「早く食べたい」
Q潜りたいじゃなくて?
「潜りたいもある」
そう話すのは野田賢伸さん・19歳井口さんの親戚にあたりますが、両親ともに漁業の経験はありません。
【後継者 野田賢伸さん】
「中学3年生のときに初めて船に乗って、ノリ網広げたりして楽しかった。海の仕事自体が全部楽しい」
賢伸さんが進路に悩んでいたとき、井口さんが"後を継がないか?"と声をかけてくれたといいます。
高校卒業後は実家がある佐賀市富士町を離れ、井口さんのもとで後継者になるための修行をしています。
【漁師 井口繁臣さん】
「子供が女の子ばかりだったから、後継者がいないことは、何年も前から覚悟はしていた。本人は迷ったかもしれないが、最終的には後を継いでくれたということで非常にうれしい限り」
2022年春まで、賢伸さんは漁業の担い手を育成する県高等水産講習所に1年通い技術を学んできました。
そして2022年、いつかウミタケ漁ができる日に備えて「潜水士」の資格を取る予定です。
賢伸さんは2021年からウミタケの調査操業に同行していて、漁に必要なものや船の上でやることそのほか大事なことなどを、しっかりノートにメモしていました。
漁師を志して2年、今の時期はノリ網の手入れをするなどすっかり漁師の顔に変わってきた賢伸さん。
ウミタケの調査操業が始まる前日には、井口さんが使う道具の準備もしていました。
簡易潜水器の調査操業初日は午前7時半に出港しました。
県有明水産振興センターなどによると、ウミタケは2年ほどしか生きられないといい、調査操業では、貝をどれだけ捕って、どれだけ次の年に残せば、今後の操業につながるのかを模索しています。
【漁師 井口繁臣さん】
「去年よりは範囲的にも広くなったし、大きさも良く2年物もいたので、非常に拡大しつつあるのかな。今後に期待できるのかな」
【後継者 野田賢伸さん】
Q親方みたいにできそう?
「いや~潜水の免許取っても、潜ってからのこと覚える方が大変。話聞くと、海底に肩まで手を入れないといけない。ウミタケがこれだけ伸びているから、殻を割らないように。下で歩くのも大変と思う、這いつくばったようにして。早く潜ってみたい」
【後継者 野田賢伸さん】
「全部技術を見て盗んで、とれるようになったら頑張りたい」
【漁師 井口繁臣さん】
「非常に頼もしい言葉。私としても教えがいがあるし。ノリと夏場の貝類の仕事と両立できればそれが一番かな」
Q早く一緒に潜りたい?
「まずは免許を取ってもらわんことには(笑)」
ウミタケの激減や後継者不足という課題が立ちはだかる中、賢伸さんは、有明海の漁業に大きな希望を持っています。
【後継者 野田賢伸さん】
「働いた分、自分に返ってくるというのが有明海の一番良いところ。だから親方も"宝の海"と言うんじゃないかな。」
2021年より、生息範囲が広がり、ウミタケの復活に、明るい材料もあった2022年の調査操業。
一方で、漁の担い手は、大きく減り、高齢化も進んでいます。資源の復活に加え、伝統のウミタケ漁は、存続できるのか、希望と不安が交錯します。
2022年は生息実態の把握のため調査操業が行われています。
漁業者は、ウミタケの復活に期待を寄せますが、長年、漁ができない状態が続く中、課題となるのは後継者の育成でした。
【漁師 井口繁臣さん】
「ウミタケの資源の回復が今何年か厳しいが、ゆくゆくはもっと増えてくると思う。そのためにも(後継者が)免許を取ったり練習をしておかないと」
6月16日、ウミタケの調査操業に向かうのは潜水士の井口繁臣さん(67) ノリとウミタケをなりわいとする漁師です。
ウミタケは生息数の激減により2007年以降休漁が続いています。
一方、2022年3月の調査で2021年と同等もしくは増加していることを受け、2021年に続き2022年も6月8日から個数や期間などを制限した調査操業を行っています。
潜水士による簡易潜水器漁では2022年の調査で生息が確認された場所やかつて生息していた場所などを調査し、今後の操業に向けた基準作りにつなげます。
【漁師 井口繁臣さん】
「探せばこういう大きいのがいるのかと思うと非常に期待が持てる。やっと見つけて緊張した。興奮した」
30年ほど前、豊漁だった時期は4月末から8月いっぱい漁が行われ、潜水士も100人ほどいたといいますが、現在は20人程までに減り、そのうち後継者がいるのは半数程度だといいます。
【漁師 井口繁臣さん】
「本格操業の許可が下りたら、途中で潜ったり練習はできるけど、なかなか6日間ではギリギリのところでわれわれもやっているから余裕がない。教える暇もない」
【後継者 野田賢伸さん】
「早く食べたい」
Q潜りたいじゃなくて?
「潜りたいもある」
そう話すのは野田賢伸さん・19歳井口さんの親戚にあたりますが、両親ともに漁業の経験はありません。
【後継者 野田賢伸さん】
「中学3年生のときに初めて船に乗って、ノリ網広げたりして楽しかった。海の仕事自体が全部楽しい」
賢伸さんが進路に悩んでいたとき、井口さんが"後を継がないか?"と声をかけてくれたといいます。
高校卒業後は実家がある佐賀市富士町を離れ、井口さんのもとで後継者になるための修行をしています。
【漁師 井口繁臣さん】
「子供が女の子ばかりだったから、後継者がいないことは、何年も前から覚悟はしていた。本人は迷ったかもしれないが、最終的には後を継いでくれたということで非常にうれしい限り」
2022年春まで、賢伸さんは漁業の担い手を育成する県高等水産講習所に1年通い技術を学んできました。
そして2022年、いつかウミタケ漁ができる日に備えて「潜水士」の資格を取る予定です。
賢伸さんは2021年からウミタケの調査操業に同行していて、漁に必要なものや船の上でやることそのほか大事なことなどを、しっかりノートにメモしていました。
漁師を志して2年、今の時期はノリ網の手入れをするなどすっかり漁師の顔に変わってきた賢伸さん。
ウミタケの調査操業が始まる前日には、井口さんが使う道具の準備もしていました。
簡易潜水器の調査操業初日は午前7時半に出港しました。
県有明水産振興センターなどによると、ウミタケは2年ほどしか生きられないといい、調査操業では、貝をどれだけ捕って、どれだけ次の年に残せば、今後の操業につながるのかを模索しています。
【漁師 井口繁臣さん】
「去年よりは範囲的にも広くなったし、大きさも良く2年物もいたので、非常に拡大しつつあるのかな。今後に期待できるのかな」
【後継者 野田賢伸さん】
Q親方みたいにできそう?
「いや~潜水の免許取っても、潜ってからのこと覚える方が大変。話聞くと、海底に肩まで手を入れないといけない。ウミタケがこれだけ伸びているから、殻を割らないように。下で歩くのも大変と思う、這いつくばったようにして。早く潜ってみたい」
【後継者 野田賢伸さん】
「全部技術を見て盗んで、とれるようになったら頑張りたい」
【漁師 井口繁臣さん】
「非常に頼もしい言葉。私としても教えがいがあるし。ノリと夏場の貝類の仕事と両立できればそれが一番かな」
Q早く一緒に潜りたい?
「まずは免許を取ってもらわんことには(笑)」
ウミタケの激減や後継者不足という課題が立ちはだかる中、賢伸さんは、有明海の漁業に大きな希望を持っています。
【後継者 野田賢伸さん】
「働いた分、自分に返ってくるというのが有明海の一番良いところ。だから親方も"宝の海"と言うんじゃないかな。」
2021年より、生息範囲が広がり、ウミタケの復活に、明るい材料もあった2022年の調査操業。
一方で、漁の担い手は、大きく減り、高齢化も進んでいます。資源の復活に加え、伝統のウミタケ漁は、存続できるのか、希望と不安が交錯します。
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