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佐賀空港オスプレイ配備計画 漁協との協定見直しで新局面 今後の行方は… 2022年回顧【佐賀県】
2022/12/22 (木) 18:50
今年1年の佐賀を振り返る「年末回顧」。今回は佐賀空港へのオスプレイ配備計画について。
空港を自衛隊と共用しないとする県と漁協との協定が見直され、計画は新たな局面を迎えています。
【山口知事】2018年
「国を構成する地方公共団体である佐賀県としては国防政策には基本的に協力する立場であると考える」
佐賀空港への陸上自衛隊オスプレイ配備計画。山口知事は4年前、2018年に受け入れを表明しました。
ただ、佐賀空港には配備を妨げるものがありました。
公害防止協定。佐賀空港を自衛隊と共用しないとする県と地元漁協との約束事です。
漁協内には、オスプレイ配備で海の状況が変わり、ノリ養殖への影響を懸念する声も多く、知事の受け入れ表明以降4年間、協定が見直されるかどうかが計画の焦点となっていました。
そうしたなか2022年10月、山口知事が漁協に直接交渉。これを契機に、漁協は数日後、ついに見直しに応じることを決めます。
【県有明海漁協・西久保敏組合長】
「満場一致で決定しました。皆さん喜んで賛成したわけじゃなかばってん、やっぱし苦渋の選択ですよね」
2022年、大きな節目を迎えたオスプレイ配備計画。今後の焦点は防衛省の用地交渉に移ります。
賛成反対が入り乱れる地権者の思いはー。
【川崎賢朗さん】
「私は反対です。私たちの同意なしの決定だろうと」
計画に反対する佐賀市川副町のノリ漁業者、川崎賢朗さん62歳。駐屯地予定地の地権者の1人です。今シーズンのノリの種付けが始まった直後に行われた、今回の協定見直しについてこう話します。
【川崎賢朗さん】
「がっかりしましたね。その時は有明海の状況、環境が悪化して、どうなるだろうかというその最中にそういう決断をしたということは、何を考えているんだろうかと」
川崎さんたち反対する漁業者の最大の懸念は宝の海、有明海の環境変化です。
1997年、いわゆるギロチンで閉め切られた諫早湾干拓事業。この当時から一部の漁業者は国への不信感がぬぐいきれません。
【川崎賢朗さん】
「諫早湾干拓事業は有明海全体を壊した。体力も奪ったし、いろんなものが取れなくなったし。安定していると言われたノリまで影響を受けているのが現状。それにもってきて、1番良い漁場にオスプレイの基地をつくって、そこで排水というのが、もう信じられない」
防衛省が取得する方針の佐賀空港西側の土地の地権者は560人。ただ、登記上の所有者はほとんどが「県有明海漁協」。それを配分された4つの支所の組合員などがいわゆる地権者です。
【佐々木成人さん】
「もちろん個人的に聞かれれば、売る売らないで言えば、“売らない”」
こちらも地権者の1人、佐々木成人さん53歳。個人としては土地は売らない意思を固めますが、今後どういう形で行われるのか見通せない防衛省の用地交渉に気をもんでいます。
【佐々木成人さん】
「これが漁協の持ち物みたいな感じの共同登記みたいな感じになっているから、自分の土地がここですよというのはないから、どういう風な交渉になるのか、1人1人が自分の思っている意思を言って、反対になるのか」
一方、防衛省が地権者を対象に2021年行ったアンケートでは、「売却しない」は全体の26%に留まりました。「売却してもよい」は29%、「条件次第で売却してもよい」が43%と土地の売却に前向きな地権者は7割を超えています。
ある50代の地権者は次の世代のためにもノリが取れない時に備え、「新しい産業が必要」と計画に賛成します。駐屯地ができることで新たな雇用が生まれるなど「人口減少も進む地域が元気になれば」と期待しています。
地権者の思いはさまざま。用地交渉は難航が予想されます。
オスプレイは現在千葉県木更津市にありますが、あくまで期限付きの暫定配備、防衛省に猶予はありません。
オスプレイは現在、千葉県木更津市に2025年7月までの期限付きで暫定配備されています。
12月30日の年末報道特番では、現地を取材した”木更津市のいま”を放送予定。地元住民や木更津市長へのインタビュー、さらにはテレビ初潜入となる自衛隊のオスプレイの搭乗リポートも。
「注目ニュース総ざらい佐賀の2022年」
(放送予定)12月30日午後4時45分~
空港を自衛隊と共用しないとする県と漁協との協定が見直され、計画は新たな局面を迎えています。
【山口知事】2018年
「国を構成する地方公共団体である佐賀県としては国防政策には基本的に協力する立場であると考える」
佐賀空港への陸上自衛隊オスプレイ配備計画。山口知事は4年前、2018年に受け入れを表明しました。
ただ、佐賀空港には配備を妨げるものがありました。
公害防止協定。佐賀空港を自衛隊と共用しないとする県と地元漁協との約束事です。
漁協内には、オスプレイ配備で海の状況が変わり、ノリ養殖への影響を懸念する声も多く、知事の受け入れ表明以降4年間、協定が見直されるかどうかが計画の焦点となっていました。
そうしたなか2022年10月、山口知事が漁協に直接交渉。これを契機に、漁協は数日後、ついに見直しに応じることを決めます。
【県有明海漁協・西久保敏組合長】
「満場一致で決定しました。皆さん喜んで賛成したわけじゃなかばってん、やっぱし苦渋の選択ですよね」
2022年、大きな節目を迎えたオスプレイ配備計画。今後の焦点は防衛省の用地交渉に移ります。
賛成反対が入り乱れる地権者の思いはー。
【川崎賢朗さん】
「私は反対です。私たちの同意なしの決定だろうと」
計画に反対する佐賀市川副町のノリ漁業者、川崎賢朗さん62歳。駐屯地予定地の地権者の1人です。今シーズンのノリの種付けが始まった直後に行われた、今回の協定見直しについてこう話します。
【川崎賢朗さん】
「がっかりしましたね。その時は有明海の状況、環境が悪化して、どうなるだろうかというその最中にそういう決断をしたということは、何を考えているんだろうかと」
川崎さんたち反対する漁業者の最大の懸念は宝の海、有明海の環境変化です。
1997年、いわゆるギロチンで閉め切られた諫早湾干拓事業。この当時から一部の漁業者は国への不信感がぬぐいきれません。
【川崎賢朗さん】
「諫早湾干拓事業は有明海全体を壊した。体力も奪ったし、いろんなものが取れなくなったし。安定していると言われたノリまで影響を受けているのが現状。それにもってきて、1番良い漁場にオスプレイの基地をつくって、そこで排水というのが、もう信じられない」
防衛省が取得する方針の佐賀空港西側の土地の地権者は560人。ただ、登記上の所有者はほとんどが「県有明海漁協」。それを配分された4つの支所の組合員などがいわゆる地権者です。
【佐々木成人さん】
「もちろん個人的に聞かれれば、売る売らないで言えば、“売らない”」
こちらも地権者の1人、佐々木成人さん53歳。個人としては土地は売らない意思を固めますが、今後どういう形で行われるのか見通せない防衛省の用地交渉に気をもんでいます。
【佐々木成人さん】
「これが漁協の持ち物みたいな感じの共同登記みたいな感じになっているから、自分の土地がここですよというのはないから、どういう風な交渉になるのか、1人1人が自分の思っている意思を言って、反対になるのか」
一方、防衛省が地権者を対象に2021年行ったアンケートでは、「売却しない」は全体の26%に留まりました。「売却してもよい」は29%、「条件次第で売却してもよい」が43%と土地の売却に前向きな地権者は7割を超えています。
ある50代の地権者は次の世代のためにもノリが取れない時に備え、「新しい産業が必要」と計画に賛成します。駐屯地ができることで新たな雇用が生まれるなど「人口減少も進む地域が元気になれば」と期待しています。
地権者の思いはさまざま。用地交渉は難航が予想されます。
オスプレイは現在千葉県木更津市にありますが、あくまで期限付きの暫定配備、防衛省に猶予はありません。
オスプレイは現在、千葉県木更津市に2025年7月までの期限付きで暫定配備されています。
12月30日の年末報道特番では、現地を取材した”木更津市のいま”を放送予定。地元住民や木更津市長へのインタビュー、さらにはテレビ初潜入となる自衛隊のオスプレイの搭乗リポートも。
「注目ニュース総ざらい佐賀の2022年」
(放送予定)12月30日午後4時45分~
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